37 / 170
37 標的は聖神女と魔王の娘
しおりを挟む
翌朝、ケーンは自らの構想を語った。ユリとレミに、もちろん異議はないのだが……。
ダンジョン探索でも、ベッドで探索されるのも、戦力強化が望ましい。キキョウは定期的に帰っているだけなので、ケーンからの不意の要求に間に合わない。
ユリとレミの生理日が重なり、ノーの意思を表示した日など、ケーンは白い灰になっていた。
「ミレーユ様、的な女…ね。あんな完璧聖女、他におるかな?
おったとしても、ゲットできる自信あるか?」
ユリはずばり現実を突きつける。
レミは母親的心配性の目でケーンを見つめる。
「あの方は人間離れしてます。
いや、今は人間から離れてますが、多分王宮に来る前から、人間離れした方だったと思います」
「あ~ん?
父ちゃんにできて、俺には無理だというの?」
ケーンはいじける。
「いや、そうではなくて、あれほどの人材が、この世にいるのかということです。
純粋でお優しくて、誰よりも美しい。
それでいて強い。
なにせ人間離れですから」
レミは慌てて言い繕う。
「全然あてもなく言ってると思う?
ミレーユの姉は子孫を残している。
俺の目的地は神聖テリーヌ帝国。
ミレーユと血が少しはつながってる光の女神の聖神女、かっさらう!」
ユリとレミは天を仰いだ。
この人、また光の女神様に喧嘩売るつもり?
光の女神がケンイチ様とミレーユ様の仲を許したのは、ケンイチ様が歴代最高の勇者だったからだと聞く。
ミレーユ様が夜の王宮の住人になり、夜の女王と光の女神は、険悪な仲になったとも聞いている。
「あんな、やきもちや、ないで。
聖神女だけはあかん。
この世界のパワーバランスが崩れてまう」
ケーンより、はるかに世なれたユリが言う。
「いいもん!
俺、知ってるんだから!
魔王にも一人だけ娘がいる。
ついでに魔王の娘も嫁にしちゃう!
そうなったら光の女神も、口の出しようがなくなる」
あ~、まるでやけくそのだだっ子だ……。
処置なし。
助けて! 夜の女王様!
転移魔法陣からキキョウが飛び出した。
さすが女王様、きっとお叱りの伝言だ。
「ケーン様、女王様からの言伝(ことづて)です。
さすが父ちゃんの子だね。おもしろいからやってみろ、とのことです」
キキョウは蒼白な顔をして言った。
「さっすが母ちゃん!
話がわかる~!」
ケーンは小躍りした。
『女王様は、ケーン様があの二人、気に入るわけがない、とのことだけど、大丈夫だと思う?』
キキョウは、ユリの耳元でそうささやいた。
「そんなん知らんがな!」
全力で叫ぶユリだった。
実はその伝言、夜の女王のいたずら心だった。一般には知られていないが、現聖神女と魔王の一人娘は、まだ幼女だった。
さすがのケンイチの子でも、幼女愛好変態趣味はない。記者がさきほど勿体をつけて「困難だ」と言った理由、おわかりいただけたかと思う。
ケーンに許された期限は後四年。相当気合いが入ったロリ趣味でも厳しい。
ダンジョン探索でも、ベッドで探索されるのも、戦力強化が望ましい。キキョウは定期的に帰っているだけなので、ケーンからの不意の要求に間に合わない。
ユリとレミの生理日が重なり、ノーの意思を表示した日など、ケーンは白い灰になっていた。
「ミレーユ様、的な女…ね。あんな完璧聖女、他におるかな?
おったとしても、ゲットできる自信あるか?」
ユリはずばり現実を突きつける。
レミは母親的心配性の目でケーンを見つめる。
「あの方は人間離れしてます。
いや、今は人間から離れてますが、多分王宮に来る前から、人間離れした方だったと思います」
「あ~ん?
父ちゃんにできて、俺には無理だというの?」
ケーンはいじける。
「いや、そうではなくて、あれほどの人材が、この世にいるのかということです。
純粋でお優しくて、誰よりも美しい。
それでいて強い。
なにせ人間離れですから」
レミは慌てて言い繕う。
「全然あてもなく言ってると思う?
ミレーユの姉は子孫を残している。
俺の目的地は神聖テリーヌ帝国。
ミレーユと血が少しはつながってる光の女神の聖神女、かっさらう!」
ユリとレミは天を仰いだ。
この人、また光の女神様に喧嘩売るつもり?
光の女神がケンイチ様とミレーユ様の仲を許したのは、ケンイチ様が歴代最高の勇者だったからだと聞く。
ミレーユ様が夜の王宮の住人になり、夜の女王と光の女神は、険悪な仲になったとも聞いている。
「あんな、やきもちや、ないで。
聖神女だけはあかん。
この世界のパワーバランスが崩れてまう」
ケーンより、はるかに世なれたユリが言う。
「いいもん!
俺、知ってるんだから!
魔王にも一人だけ娘がいる。
ついでに魔王の娘も嫁にしちゃう!
そうなったら光の女神も、口の出しようがなくなる」
あ~、まるでやけくそのだだっ子だ……。
処置なし。
助けて! 夜の女王様!
転移魔法陣からキキョウが飛び出した。
さすが女王様、きっとお叱りの伝言だ。
「ケーン様、女王様からの言伝(ことづて)です。
さすが父ちゃんの子だね。おもしろいからやってみろ、とのことです」
キキョウは蒼白な顔をして言った。
「さっすが母ちゃん!
話がわかる~!」
ケーンは小躍りした。
『女王様は、ケーン様があの二人、気に入るわけがない、とのことだけど、大丈夫だと思う?』
キキョウは、ユリの耳元でそうささやいた。
「そんなん知らんがな!」
全力で叫ぶユリだった。
実はその伝言、夜の女王のいたずら心だった。一般には知られていないが、現聖神女と魔王の一人娘は、まだ幼女だった。
さすがのケンイチの子でも、幼女愛好変態趣味はない。記者がさきほど勿体をつけて「困難だ」と言った理由、おわかりいただけたかと思う。
ケーンに許された期限は後四年。相当気合いが入ったロリ趣味でも厳しい。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
2年ぶりに家を出たら異世界に飛ばされた件
後藤蓮
ファンタジー
生まれてから12年間、東京にすんでいた如月零は中学に上がってすぐに、親の転勤で北海道の中高一貫高に学校に転入した。
転入してから直ぐにその学校でいじめられていた一人の女の子を助けた零は、次のいじめのターゲットにされ、やがて引きこもってしまう。
それから2年が過ぎ、零はいじめっ子に復讐をするため学校に行くことを決断する。久しぶりに家を出る決断をして家を出たまでは良かったが、学校にたどり着く前に零は突如謎の光に包まれてしまい気づいた時には森の中に転移していた。
これから零はどうなってしまうのか........。
お気に入り・感想等よろしくお願いします!!
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる