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1話 心の支え
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生徒会室へ入り、焦る気持ちを押し殺し麗の身体をシャワー室で綺麗に清め、会長室に備え付けられているベッドに寝かせて扉を閉めると、勝実は生徒会室のソファーにふんぞり返って座っていた。
幸い、役員の皆は誰もいない。
勝実は会長室から出てきた俺を見てニヤニヤ笑っている。
「………で、どういう事?会長が俺達に土下座って」
腕組みをして勝実を正面に見据えると、勝実はフンッとアゴを反らして胸を張る。
「…オレが生徒会にいるから麗はこの学校を辞めずにすんでいるんだよ…オレが生徒会を辞めたら、麗はこの学校を辞めさせられるのさ。だから、麗はオレを辞めさせない為に役員はもちろん、どんなヤツにだって土下座でも何でもするのさ」
……………え。
麗が………この学校を………辞める……?
「…どういう……事………?」
初めて聞くには重大すぎる話に………誰もいないのに声をひそめて問いただす。
「オレの親父に買われた麗が、親父のモノになった事でヤケクソになってハメを外さないように……?お目付役?……みたいな?……まあ、そんな役目で生徒会へ入るように言われたんだよね…だから、麗はオレを邪険にできないのさ」
オレがこっそりと調べようとしていた事を得意気にペラペラと簡単に喋り続ける勝実。
「………ま、表向きは姉貴と結婚って事にするみたいだけど」
-頭がガンガンして…痛い…。
「綺麗でプライドが高くて生意気な麗は親父の好みど真ん中だからさ…」
-耳鳴りがして…勝実の声が遠くに聞こえる…。
「…好みっていうか~、ただ、いたぶって屈伏させたいだけなんだろうけどさ…親父自身が成り上がりだから…ま、親父に目を付けられた麗にはご愁傷様と言うしかないけどね~」
勝実は面白そうに嗤い始める。
だが、俺にはそれを止める元気は………もう、なかった。
そんな事………聞いた事……ない………。
………確かに、麗の会社が上手くいってないという話は噂で聞いた事はある。
だから、麗は自分が父親を支える事ができるようにと必死に(周りには自分が努力している姿を見せずに)勉強していた。
そんな麗を俺も一生、支えようと………思って………。
-足元がぐらつく。
立っている事ができなくなり、ソファーに崩れるように座り込み両手で顔を覆う。
勝実の耳障りな笑い声は止む事なく、部屋中にいつまでも響き渡っていた。
幸い、役員の皆は誰もいない。
勝実は会長室から出てきた俺を見てニヤニヤ笑っている。
「………で、どういう事?会長が俺達に土下座って」
腕組みをして勝実を正面に見据えると、勝実はフンッとアゴを反らして胸を張る。
「…オレが生徒会にいるから麗はこの学校を辞めずにすんでいるんだよ…オレが生徒会を辞めたら、麗はこの学校を辞めさせられるのさ。だから、麗はオレを辞めさせない為に役員はもちろん、どんなヤツにだって土下座でも何でもするのさ」
……………え。
麗が………この学校を………辞める……?
「…どういう……事………?」
初めて聞くには重大すぎる話に………誰もいないのに声をひそめて問いただす。
「オレの親父に買われた麗が、親父のモノになった事でヤケクソになってハメを外さないように……?お目付役?……みたいな?……まあ、そんな役目で生徒会へ入るように言われたんだよね…だから、麗はオレを邪険にできないのさ」
オレがこっそりと調べようとしていた事を得意気にペラペラと簡単に喋り続ける勝実。
「………ま、表向きは姉貴と結婚って事にするみたいだけど」
-頭がガンガンして…痛い…。
「綺麗でプライドが高くて生意気な麗は親父の好みど真ん中だからさ…」
-耳鳴りがして…勝実の声が遠くに聞こえる…。
「…好みっていうか~、ただ、いたぶって屈伏させたいだけなんだろうけどさ…親父自身が成り上がりだから…ま、親父に目を付けられた麗にはご愁傷様と言うしかないけどね~」
勝実は面白そうに嗤い始める。
だが、俺にはそれを止める元気は………もう、なかった。
そんな事………聞いた事……ない………。
………確かに、麗の会社が上手くいってないという話は噂で聞いた事はある。
だから、麗は自分が父親を支える事ができるようにと必死に(周りには自分が努力している姿を見せずに)勉強していた。
そんな麗を俺も一生、支えようと………思って………。
-足元がぐらつく。
立っている事ができなくなり、ソファーに崩れるように座り込み両手で顔を覆う。
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