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ついで感覚?

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「おはよう、シュラ」

「おはようございます、ラガスさん」

「……誰も来なかった感じか?」

がっつりと睡眠を取り、テントの外に出ると全く血の匂いがしなかった。

モンスターを討伐したのが数時間前であったとしても、少しでも血が零れれば、その場に匂いは残る。
だが、全く血の匂いがしなかった。

「そうっすね。メリルと変わった時も、それ以降もモンスターが襲ってくることはなかったっすね。超退屈だったっす」

退屈なのは良いと思うんだが……とはいえ、普通に考えればただ警戒し続けるだけなんて、死ぬほど退屈に感じるだろうな。
シュラにとっては、退屈じゃない見張りの方が良いだろうな……メリルが聞いたら怒るだろうけど。

「ご苦労様。んじゃ、ささっと朝食を作るか」

「肉ぐらいなら切るっすよ」

「サンキュー」

肉、卵、野菜などを用意して、適当に焼いて炒めていく。

「っ、ラガス坊ちゃま、もう起きていたのですか」

「おぅ。起きてたけど……どうかしたか?」

メリルが目を覚ますころには、既に朝食の準備は出来上がっていた。

「珍しいと言いますか、不甲斐ないと言いますか」

「メリルのメイドとしてのプライド的に思うところはるんだろうけど、仕方ないって受け入れた方が良いと思うぞ。実際にいつもより短い時間しか寝てないんだからな」

「お気遣い、痛み入ります」

メリルがセルシアを起こし、朝食を食べ終えた後は今日も元気良く地下遺跡を探索する。

そう……探索する。
当たり前だが、ダンジョン探索とは本当に違う。
まだまだ全容が明かされておらず、下の階に進むにも、色々と動き回って階段を探さなければならない。

大金を払ってエスエールさんたちが書き記した地図の複製は持ってるが、全てが解明されてはおらず、まだまだ多くの未到達の階層がある……というのがエスエールさんの予想。

多分、その予想はあってると思う。

「……なぁ、ラガスさん。それはきっちりやらないとダメなのか?」

「マッピングのことか? そうだな。やれるならやっておいた方が良いからな。一応、俺たちハンターとして活動してる訳だし」

今現在、俺たちはまだエスエールさんたちが探索できてない箇所を探索している。

探索前に買い取った地図に、大体の構図を書き記している。
全くもって専門職ってわけじゃないけど、こういうのは割と嫌いじゃない。

「あぁ……そういえばそうだったっすね」

「シュラ、あなた本当に忘れてたの?」

「…………ぶっちぇけ、忘れてたな。だってよ、探索してモンスターをぶっ殺して解体してって事自体はよ、昔からやってただろ。今は色んな街に移動してるけど、ハンター活動はなんつーか、ついでな感じがしててよ」

ん~~~……ぶっちゃけ、ちょっと否定出来ない気がする。
勿論、父さんと母さんのハンター時代のランク、シルバーランクを越えようという目標はあるけど……多分だけど、実力的には上がれるんだよな~。
流れで既にブロンズまで上がってるし。

「その感覚は否定出来ないところもありますが、そういった無自覚な態度は下手に同業者の怒りを買うことがあるわよ」

「んでだよ……騎士みたいに、ハンターとしてのプライドや誇りを持ってるからか?」

「経験と実績を積んでる人ほど、それなりにそういった心を持っている筈よ」

「憶測かよ」

「加えて、私たちはハンターとして十分に成功している部類なのだから、同じルーキーたちからも怒りを買うことになるのよ」

「……解った解ったよ。俺だって、ラガスさんに迷惑をかけてぇわけじゃないからな」

シュラ……いや、当然と言えば当然なのかもしれないけど、そこまで考えてくれてるのは嬉しいな。
って思ってたら、早速モンスターと遭遇か。

「ラガス坊ちゃま、私が戦りましょう」

「良いのか? あんまり相性は良くないぞ」

遭遇したモンスターはCランクのロックゴーレム。
しかも二体であり、その防御力はあまりメリルと相性が良くない。

「なるべく早く終わらせますので」

「……おぅ、分かった」

別に本気で止めるつもりもなかった。
結構気合が入ってたし、何かしら考えがあるんだろうな。
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