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思いの外、溜まってた?

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「「……………………」」

「……寝過ぎじゃないかしら?」

武器屋、マジックアイテムが売っている店を交互に見て周り、そろそろ夕食を食べるには丁度良い時間といったタイミングで宿に戻って来た二人。

おそらく二人は部屋にいるだろうと思っていたメリル。
予想通り、ラガスとセルシアは部屋にいた。

ただし…………二人とも寝間着のままベッドに寝転がっており、未だに寝ていた。

「あれじゃねぇか、何だかんだで連日探索してたし、どれだけ寝ても構わないってなると、いくらでも寝れるんじゃないか?」

「そういうものかしら? まぁ、それで二人がゆっくりできて、疲れが取れたのなら良いけど……とりあえず起こしましょうか。ラガス坊ちゃま、セルシア様。もう夕食の時間ですよ」

「ん…………はぁ~~~~……そうか、もう夕方、か………………ちょっと、寝過ぎたな」

「もしかして、私たちが出た後、ずっと寝てたのですか?」

「いや、何度か目は覚めた。ただ、また何度も寝直して……途中でちょっとセルシアと話してたけど、また眠くなったから寝た」

「五度寝? ぐらいした、ね」

「一応目が覚めた回数的に、多分そうだな。メリルの言う通り、五度寝ぐらいしたわ」

「五度寝…………」

普通は聞かない言葉に、メリルは呆れた表情を浮かべ、これにはさすがのシュラも苦笑いになった。


SIDE ラガス

いやぁ~~~~~、マジで超寝た。
こんなに寝たのはマジでいつぶりだ?

途中、ちょっとだけ起きてセルシアと話してたけど、また直ぐに寝たしな~~~……昨日から寝てたのも合わせると、大体半日以上……ちょっと盛る形になるけど、一日近く寝てたか?

「全く。体が痛いと感じるまで寝るなんて、寝た意味がないじゃないですか」

「それはそれ、これはこれだよ。こんだけ寝れるのって、こう……凄い幸せ~~~って感じがするんだよ。メリルも
想像してみろよ。一日中仕事せず、ベッドでずっと寝ながらゴロゴロするのを」

「…………確かに二度寝、三度寝ぐらいまでは幸せ感があるように思えますが、五度寝までして僅かとはいえ、体に痛みを感じるまで寝るのは、勿体ないという思いの方が強いですね」

勿体ないかぁ……それに関しては、反論できる言葉がないな。

「とりあえず、夕食の時間なんだろ? 着替えたら直ぐに食べよう」

パパっと着替え、今から店を探すのは面倒だから、宿の食堂で済ませる。
割と良い宿に泊まってるから、食堂の料理も十分レベルが高い。

「はっはっは!! そんな事があったんだな。確かにそれが出来るだけで、選択肢は増えるもんな~~」

店でヴェルデとファールナの二人とバッタリ会った時の話を聞き、相変わらずメリルはおかんだな~~と思った。

「まぁ、この辺りだと……コボルト、フォレストオーク…………タイマンの状態なら、通常種のリザードマンが相手なら、なんとか戦れそうだよな」

「通常種のリザードマンですか……どうするかはヴェルデが、ファールナたちが決めることなので口出ししませんが、私は不安ですね」

「本当にヤバくなったら、レグディスたちが間に入って対応するだろ。レグディスは見た目の割に冷静な対応を取れる奴だから、そこら辺のリスクヘッジ? はちゃんとしてると思うぞ」

初対面の態度こそあれだったけど、模擬戦に関しては頭使って戦ってたし、それ以降パーティーで戦う時も頭を使った戦い方はちょくちょくしてたしな。

「けどあれだな~~~。確か、ヴェルデって風魔法が使えただろ。だったら、風を纏って手刀とかも良いんだよな~~~」

「…………お節介が過ぎるという部分はなるべく直そうと思いましたが、私はそれをヴェルデに伝えるのは反対ですからね」

「ん~~~~~~……俺も、あまり良くはないと思うっすね。ヴェルデがもっと全体的に素早かったらあれっすけど」

おろ……シュラが俺の提案に反対するのは珍しいな。
そうだな~~。貫通力の高いパンチと蹴りを上手く出来るようになるのだけども大変だろうし、変に学ぶのに時間を使ってしまう様なことは言わないでおくか。
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