852 / 968
諦めてはいない
しおりを挟む
「……ちょっと、待ってください。Bランクモンスターを殺せるモンスターって、それって……」
「同じBランクモンスターか、Aランクモンスターだろうな」
普通に考えれば、そうなる。
Cランクモンスターが下剋上を繰り返してるって可能性もあるかもしれないけど、それなら既に下剋上を繰り返した成果で、Bランクに……上位の存在に進化してそうだな。
「え、Aランク、モンスター」
「どうした、ヴェルデ。顔が青すぎるぞ。ほら、エールでも呑め」
「……シュラさんは、その……恐ろしさを、感じないんですか?」
「何がだ? 自分と同じBランクモンスターを殺してるモンスターか? それとも、Aランクモンスターか?」
「…………両方、です」
「別に恐ろしくはないな」
シュラの即答に、訳が解らな過ぎてちょっと面白い顔になるヴェルデ。
ヴェルデの立場になってみれば……どういう顔をしてみるのか解らなくなるかもな。
「同ランクのモンスターを殺せるBランクのモンスターなら、是非とも俺が戦いたい。実力的には、おそらくファイルトロールぐらいか? って考えると、増々戦ってみたいな」
「え、Aランクのモンスターは、恐ろしくないのですか」
「クソ強い存在なのは、さすがに解ってる。けど、一度も見たことがないわけじゃない。ほら、俺たちが探索したダンジョンの話をしただろ…………したよな、ラガスさん?」
「あぁ、この前したと思うぞ」
「ほっ、良かった~~。その時、最下層のボス部屋にはAランクのモンスターがいたって話はしただろ」
「そ、そういえば……」
懐かしい、って言うほど昔の話ではないな。
ハイ・ヴァンパイア……確かにあいつは強かった。
「ラガスさんと、ルーフェイスはソロで殺られる。今はまだラガスさんたちの力を頼っててダサぇが、それでもパーティーに討伐出来る人がいるんだ。そこまで恐れる必要はないだろ」
「それは、そうですね」
「だろ。まっ、そこまで強くなるのを諦めた訳じゃないがな。まずはあれだ、メリルとセルシア様の三人でぶっ潰せるのが目標だ。なっ!!」
「そんな話しましたか?」
「しなかったか?」
「記憶にありませんが……ですが、良い目標ではあると思います」
今のシュラとメリル、セルシアの三人でも…………いや、誰か殺られる可能性がゼロとは言えないか。
「セルシア様はどう思われますか」
「うん、良い目標、だと思う、よ。私も、紫電を、使わずとも、勝てるようになりたい、かな」
Aランクモンスターとの戦闘でこそ、紫電崩牙を使わないといけないと思うんだが……まっ、そういう気持ちは解らなくはない。
「って感じで、別に恐れる必要はない。というか、別にマジでAランクモンスターが徘徊してるって決まった訳じゃないぞ」
「そ、そうでしたね。早とちりしたと言いますか……違いますね、俺が勝手にビビっただけでした」
「おいおいヴェルデ、変に悩むなよ。ぶっちゃけ、俺もAランクモンスターがって思ったら、普通にビビったぞ」
「私もですね」
「Aランクモンスターって、まだあまりピンとこないけど、別次元の存在的な恐ろしさはあるよね~~」
……良いパーティーだな。
レグディス、ファールナ、フィーマの三人が折れかかったヴェルデのメンタルを直ぐに支えた。
この三人が直ぐに支えなかったら、もしかしたらだけど、せっかくBランクモンスターに遭遇できたとしても、どこかのタイミングでヴェルデがヘマしたかもしれない。
それでも、早とちりしてしまったからではなく、勝手に自分がビビっただけって認められてる時点で優秀な事に変わりはないよな…………でも、本当にAランクモンスターと遭遇してしまったら、ちゃんと俺たちで対処しないとな。
さすがにあのレベルのモンスターに本気で殺しに掛かられたら、勉強の良い機会云々言ってられないし。
「同じBランクモンスターか、Aランクモンスターだろうな」
普通に考えれば、そうなる。
Cランクモンスターが下剋上を繰り返してるって可能性もあるかもしれないけど、それなら既に下剋上を繰り返した成果で、Bランクに……上位の存在に進化してそうだな。
「え、Aランク、モンスター」
「どうした、ヴェルデ。顔が青すぎるぞ。ほら、エールでも呑め」
「……シュラさんは、その……恐ろしさを、感じないんですか?」
「何がだ? 自分と同じBランクモンスターを殺してるモンスターか? それとも、Aランクモンスターか?」
「…………両方、です」
「別に恐ろしくはないな」
シュラの即答に、訳が解らな過ぎてちょっと面白い顔になるヴェルデ。
ヴェルデの立場になってみれば……どういう顔をしてみるのか解らなくなるかもな。
「同ランクのモンスターを殺せるBランクのモンスターなら、是非とも俺が戦いたい。実力的には、おそらくファイルトロールぐらいか? って考えると、増々戦ってみたいな」
「え、Aランクのモンスターは、恐ろしくないのですか」
「クソ強い存在なのは、さすがに解ってる。けど、一度も見たことがないわけじゃない。ほら、俺たちが探索したダンジョンの話をしただろ…………したよな、ラガスさん?」
「あぁ、この前したと思うぞ」
「ほっ、良かった~~。その時、最下層のボス部屋にはAランクのモンスターがいたって話はしただろ」
「そ、そういえば……」
懐かしい、って言うほど昔の話ではないな。
ハイ・ヴァンパイア……確かにあいつは強かった。
「ラガスさんと、ルーフェイスはソロで殺られる。今はまだラガスさんたちの力を頼っててダサぇが、それでもパーティーに討伐出来る人がいるんだ。そこまで恐れる必要はないだろ」
「それは、そうですね」
「だろ。まっ、そこまで強くなるのを諦めた訳じゃないがな。まずはあれだ、メリルとセルシア様の三人でぶっ潰せるのが目標だ。なっ!!」
「そんな話しましたか?」
「しなかったか?」
「記憶にありませんが……ですが、良い目標ではあると思います」
今のシュラとメリル、セルシアの三人でも…………いや、誰か殺られる可能性がゼロとは言えないか。
「セルシア様はどう思われますか」
「うん、良い目標、だと思う、よ。私も、紫電を、使わずとも、勝てるようになりたい、かな」
Aランクモンスターとの戦闘でこそ、紫電崩牙を使わないといけないと思うんだが……まっ、そういう気持ちは解らなくはない。
「って感じで、別に恐れる必要はない。というか、別にマジでAランクモンスターが徘徊してるって決まった訳じゃないぞ」
「そ、そうでしたね。早とちりしたと言いますか……違いますね、俺が勝手にビビっただけでした」
「おいおいヴェルデ、変に悩むなよ。ぶっちゃけ、俺もAランクモンスターがって思ったら、普通にビビったぞ」
「私もですね」
「Aランクモンスターって、まだあまりピンとこないけど、別次元の存在的な恐ろしさはあるよね~~」
……良いパーティーだな。
レグディス、ファールナ、フィーマの三人が折れかかったヴェルデのメンタルを直ぐに支えた。
この三人が直ぐに支えなかったら、もしかしたらだけど、せっかくBランクモンスターに遭遇できたとしても、どこかのタイミングでヴェルデがヘマしたかもしれない。
それでも、早とちりしてしまったからではなく、勝手に自分がビビっただけって認められてる時点で優秀な事に変わりはないよな…………でも、本当にAランクモンスターと遭遇してしまったら、ちゃんと俺たちで対処しないとな。
さすがにあのレベルのモンスターに本気で殺しに掛かられたら、勉強の良い機会云々言ってられないし。
67
お気に入りに追加
3,491
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!
よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる