721 / 968
迷うことなく辿る
しおりを挟む
死の荒野……思った以上に厄介なんだなぁ。
「ラガスさん、セルシアさん、メリルさん、シュラさん。四人ともサファイアランクに昇格です」
なんて事を考えてたら、ランクアップが決まった。
ただし、疑問が残るランクアップだ。
現在ハンターギルドで素材と魔核を売却。
そしたら売却後に担当の受付嬢が変わって、新しく行進されたギルドカードを渡された。
「……俺ら、ランクアップの試験、受けてませんよね」
「はい。しかし、ラガスさんたちが過去に盗賊たちを倒し、殺したという情報は把握済みです。よって、今回は昇格試験なしでのランクアップとなりました」
学生時代からちょいちょいそういう事してたし、ハンターギルドがそこら辺を把握しててもおかしくない、か。
「分かりました」
ぶっちゃけ予想外のタイミングではあったが、別に断る理由はない。
サファイアを越えてルビー、ブロンズとかシルバーまで跳んでランクアップされたら、ちょっと待ってくれとはなったけどな。
「ランクアップ祝いに、良い店に行きますか?」
「しょっちゅう行ってるけど、確かにそういう気分だな」
この日の夜はダンジョンで大儲けしたわけではないけど、お高めのレストランでフルコースを楽しんだ。
んで、帰り道……少し離れた位置から視線を感じた。
その視線は俺たちが動けば、一緒に動く。
あのバカ共……本当に誰かに頼んだのか?
「ラガス坊ちゃま、どういたしましょうか」
「……馬鹿みたいに付き合う必要はない。このまま宿に戻るぞ」
人気のない場所に移れば現れるんだろうけど、ちょっと考えて……わざわざあいつらを始末するために時間を使う必要はない。
もしかしたら宿で寝てる時に襲ってくるかもしれないが、それはそれでアホ過ぎるって話だ。
「いいんすか、ほっといて」
「多分ではあるけど、シュラ。別にお前が楽しめるレベルじゃないぞ」
「……だとしたら、ちょっと萎えるっすね」
「そうだろ。それに、関係無い人達に迷惑をかけない為に移動するのも面倒だ」
追ってきている連中が俺たちに手を出して来れば、その場で殺す。
そう思い、その日はそのまま就寝。
翌日……従魔用の小屋で泊まっているルーフェイスの方へ向かうと、死体が転がっていた。
「お疲れ様、ルーフェイス」
「ワゥ!!!!!」
お前らが接近して、狼竜であろうルーフェイスが気付かないと思ってたのか?
本当にそう思ってたんなら、本当に頭の中お花畑なんだろうな。
「……やはりこうなりましたか」
「おぅ、メリル。今日の探索は昼からにする」
「かしこまりました。それでは私とシュラ、どちらが付いて行きましょうか。勿論、二人でも構いません」
「いや、行くのは俺とルーフェイスだけで構わない。ないとは思うが、お前ら二人はセルシアの方を心配しててくれ」
「かしこまりました」
うんうん、何言っても無駄って雰囲気が上手く伝わってくれたみたいだな。
「そういう訳だ、ルーフェイス。もうちょい働いてもらうぞ」
『任せてよ! こいつらの匂いを辿れば良いんだよね』
「理解が早くて助かるよ」
ルーフェイスは本当に優秀だ。
裏の連中、三人の匂いが残っている怪しい場所へと真っすぐに向かった。
アンダーグラウンドな雰囲気、匂いがする場所に入ったが、ルーフェイスが一緒にいるお陰でチンピラに絡まれることなく、目的の場所に到着。
「ここか。それっぽい場所だな……んじゃ、行くぞルーフェイス」
「ワゥ!」
ルーフェイスと一緒にこういう所に突入するのは……懐かしいな。
三年前ぐらいも同じようなことやったな~。
まっ、今回は真正面からじゃなくて、それらしい場所から突入するんだけどな。
「多分あそこの部屋、だよな」
視た感じ……弱い魔法、物理攻撃なら弾きそうな特製の窓だな。
でも、思いっきり殴れば関係無いけど、なっ!!!!!
「ラガスさん、セルシアさん、メリルさん、シュラさん。四人ともサファイアランクに昇格です」
なんて事を考えてたら、ランクアップが決まった。
ただし、疑問が残るランクアップだ。
現在ハンターギルドで素材と魔核を売却。
そしたら売却後に担当の受付嬢が変わって、新しく行進されたギルドカードを渡された。
「……俺ら、ランクアップの試験、受けてませんよね」
「はい。しかし、ラガスさんたちが過去に盗賊たちを倒し、殺したという情報は把握済みです。よって、今回は昇格試験なしでのランクアップとなりました」
学生時代からちょいちょいそういう事してたし、ハンターギルドがそこら辺を把握しててもおかしくない、か。
「分かりました」
ぶっちゃけ予想外のタイミングではあったが、別に断る理由はない。
サファイアを越えてルビー、ブロンズとかシルバーまで跳んでランクアップされたら、ちょっと待ってくれとはなったけどな。
「ランクアップ祝いに、良い店に行きますか?」
「しょっちゅう行ってるけど、確かにそういう気分だな」
この日の夜はダンジョンで大儲けしたわけではないけど、お高めのレストランでフルコースを楽しんだ。
んで、帰り道……少し離れた位置から視線を感じた。
その視線は俺たちが動けば、一緒に動く。
あのバカ共……本当に誰かに頼んだのか?
「ラガス坊ちゃま、どういたしましょうか」
「……馬鹿みたいに付き合う必要はない。このまま宿に戻るぞ」
人気のない場所に移れば現れるんだろうけど、ちょっと考えて……わざわざあいつらを始末するために時間を使う必要はない。
もしかしたら宿で寝てる時に襲ってくるかもしれないが、それはそれでアホ過ぎるって話だ。
「いいんすか、ほっといて」
「多分ではあるけど、シュラ。別にお前が楽しめるレベルじゃないぞ」
「……だとしたら、ちょっと萎えるっすね」
「そうだろ。それに、関係無い人達に迷惑をかけない為に移動するのも面倒だ」
追ってきている連中が俺たちに手を出して来れば、その場で殺す。
そう思い、その日はそのまま就寝。
翌日……従魔用の小屋で泊まっているルーフェイスの方へ向かうと、死体が転がっていた。
「お疲れ様、ルーフェイス」
「ワゥ!!!!!」
お前らが接近して、狼竜であろうルーフェイスが気付かないと思ってたのか?
本当にそう思ってたんなら、本当に頭の中お花畑なんだろうな。
「……やはりこうなりましたか」
「おぅ、メリル。今日の探索は昼からにする」
「かしこまりました。それでは私とシュラ、どちらが付いて行きましょうか。勿論、二人でも構いません」
「いや、行くのは俺とルーフェイスだけで構わない。ないとは思うが、お前ら二人はセルシアの方を心配しててくれ」
「かしこまりました」
うんうん、何言っても無駄って雰囲気が上手く伝わってくれたみたいだな。
「そういう訳だ、ルーフェイス。もうちょい働いてもらうぞ」
『任せてよ! こいつらの匂いを辿れば良いんだよね』
「理解が早くて助かるよ」
ルーフェイスは本当に優秀だ。
裏の連中、三人の匂いが残っている怪しい場所へと真っすぐに向かった。
アンダーグラウンドな雰囲気、匂いがする場所に入ったが、ルーフェイスが一緒にいるお陰でチンピラに絡まれることなく、目的の場所に到着。
「ここか。それっぽい場所だな……んじゃ、行くぞルーフェイス」
「ワゥ!」
ルーフェイスと一緒にこういう所に突入するのは……懐かしいな。
三年前ぐらいも同じようなことやったな~。
まっ、今回は真正面からじゃなくて、それらしい場所から突入するんだけどな。
「多分あそこの部屋、だよな」
視た感じ……弱い魔法、物理攻撃なら弾きそうな特製の窓だな。
でも、思いっきり殴れば関係無いけど、なっ!!!!!
33
お気に入りに追加
3,491
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!
よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる