540 / 962
誰が戦うという選択ならば、一人しかいない
しおりを挟む
「それじゃ、確実自由に動いてくれ。ただし、あまり深い場所には行くなよ」
……先生の表情を見るに、多分俺以外の生徒に対して言ってるんだろうな。
逆に、俺らは深い場所に行った方が良さそうだ。
でも……俺たちだけじゃなくて、リーベにとってもあまり浅い場所にいたら、良い経験にならないと思うんだが……リーベが一緒に組んでる同級生のレベルを考えれば、無理して奥に行かないのが賢明か。
「ラガス、僕らはどうする?」
「俺たちは深い場所……というか、他の生徒たちとあまり場所が被らないところに行こうと思う」
「他の生徒たちの獲物を取ってしまわない様に、ということですね」
「上から目線な考えかもしれないけど、そうした方が良いと思うんだよ」
低ランクのモンスターが相手なら、例えどんなに数が多くても倒し切れる。
俺たちの実力がぶっちぎりに高いということもあるけど、ロックスだって低ランクのモンスターぐらいなら苦戦せず倒せるだろう。
そういう事情を考えると……やっぱりDランクかCランクのモンスターを相手にするのが一番だ。
「確かに、その通りかも…………でも、Bランクモンスターの、ポイントまで、書かれてある」
「過去に生徒がBランクモンスターを倒したって例があるからじゃないか」
「いえ、ラガス坊ちゃまがいるからではないでしょうか」
俺がいるから? 実力を評価してくれるのは嬉しいけど……過去に例があるからって理由の方が正しいと思うんだが。
「大会で余裕を残しながら全勝したのですよ。先生方も、ラガス坊ちゃまであればBランクのモンスターを倒せてもおかしくない……そう考えていても不思議ではありませんよ」
「メリルさんの言葉が正しいと僕は思うよ。確かに貴族の令息や令嬢の中でとび抜けた強さを持つ生徒ってのは毎年いると思うけど、ラガスみたいに出れる試合に全部でて全勝して……尚且つ余力を残していた生徒はさすがにいないと思うね」
……ロックスまでそういうなら、俺が先生達から評価されてるって考えの方が正しいのかもな。
「でもさ、普通に考えてBランクのモンスターとそう簡単に遭遇はしないだろ」
「この前は、遭遇したよ、ね」
ま、まぁ確かに前回は超珍しくアサルトワイバーンと遭遇してから、また後日にオルトロスと遭遇したけど……あれはいくらなんで偶然過ぎるって話だ。
「短期間でアサルトワイバーンとオルトロスに遭遇したって話だよね。基本的に恐ろしい内容なんだろうけど……ラガスからすれば、楽しい内容だったんでしょ」
「楽しいというか……貴重な体験ではあったな」
簡単に体験できる戦闘ではないからこそ、悪いとは思わなかった……素材としても優秀だから、討伐出来て良かったと思ってる。
オルトロスに関しては、結果的に色々と重なって鉱石を採掘する時間を削られる形になったけどな!!
「しかし……配られた洋紙にBランクのモンスターが記されているのであれば、遭遇する可能性がゼロとは言えません。仮に遭遇した場合はどうなさいますか」
「誰が戦うかってことか?」
「誰が、という選択肢ですと、どう考えても一人で戦えるのはラガス坊ちゃましかいませんよ」
「うん。そうだと、思う」
「メリルさんの言う通りだね。少しずつ強くなれてるって感覚はあるけど、さすがにBランクのモンスターをソロで倒せるのはラガスだけだよ」
ん~~~……ルーフェイスでも一人で狩れるとは思うけどな。
それに、セルシアも紫電崩牙を使えば……激戦にはなると思うけど、それなりに勝機はある気がするんだよな。
まぁ、でもアルガンツ先生の言う通り、俺たちはまだ候補生なんだから無茶する必要はない、か。
それなら俺とルーフェイスで倒すのが一番手っ取り早いな。
「ワゥ!!」
「おっ、早速一体目の獲物と遭遇だな」
……先生の表情を見るに、多分俺以外の生徒に対して言ってるんだろうな。
逆に、俺らは深い場所に行った方が良さそうだ。
でも……俺たちだけじゃなくて、リーベにとってもあまり浅い場所にいたら、良い経験にならないと思うんだが……リーベが一緒に組んでる同級生のレベルを考えれば、無理して奥に行かないのが賢明か。
「ラガス、僕らはどうする?」
「俺たちは深い場所……というか、他の生徒たちとあまり場所が被らないところに行こうと思う」
「他の生徒たちの獲物を取ってしまわない様に、ということですね」
「上から目線な考えかもしれないけど、そうした方が良いと思うんだよ」
低ランクのモンスターが相手なら、例えどんなに数が多くても倒し切れる。
俺たちの実力がぶっちぎりに高いということもあるけど、ロックスだって低ランクのモンスターぐらいなら苦戦せず倒せるだろう。
そういう事情を考えると……やっぱりDランクかCランクのモンスターを相手にするのが一番だ。
「確かに、その通りかも…………でも、Bランクモンスターの、ポイントまで、書かれてある」
「過去に生徒がBランクモンスターを倒したって例があるからじゃないか」
「いえ、ラガス坊ちゃまがいるからではないでしょうか」
俺がいるから? 実力を評価してくれるのは嬉しいけど……過去に例があるからって理由の方が正しいと思うんだが。
「大会で余裕を残しながら全勝したのですよ。先生方も、ラガス坊ちゃまであればBランクのモンスターを倒せてもおかしくない……そう考えていても不思議ではありませんよ」
「メリルさんの言葉が正しいと僕は思うよ。確かに貴族の令息や令嬢の中でとび抜けた強さを持つ生徒ってのは毎年いると思うけど、ラガスみたいに出れる試合に全部でて全勝して……尚且つ余力を残していた生徒はさすがにいないと思うね」
……ロックスまでそういうなら、俺が先生達から評価されてるって考えの方が正しいのかもな。
「でもさ、普通に考えてBランクのモンスターとそう簡単に遭遇はしないだろ」
「この前は、遭遇したよ、ね」
ま、まぁ確かに前回は超珍しくアサルトワイバーンと遭遇してから、また後日にオルトロスと遭遇したけど……あれはいくらなんで偶然過ぎるって話だ。
「短期間でアサルトワイバーンとオルトロスに遭遇したって話だよね。基本的に恐ろしい内容なんだろうけど……ラガスからすれば、楽しい内容だったんでしょ」
「楽しいというか……貴重な体験ではあったな」
簡単に体験できる戦闘ではないからこそ、悪いとは思わなかった……素材としても優秀だから、討伐出来て良かったと思ってる。
オルトロスに関しては、結果的に色々と重なって鉱石を採掘する時間を削られる形になったけどな!!
「しかし……配られた洋紙にBランクのモンスターが記されているのであれば、遭遇する可能性がゼロとは言えません。仮に遭遇した場合はどうなさいますか」
「誰が戦うかってことか?」
「誰が、という選択肢ですと、どう考えても一人で戦えるのはラガス坊ちゃましかいませんよ」
「うん。そうだと、思う」
「メリルさんの言う通りだね。少しずつ強くなれてるって感覚はあるけど、さすがにBランクのモンスターをソロで倒せるのはラガスだけだよ」
ん~~~……ルーフェイスでも一人で狩れるとは思うけどな。
それに、セルシアも紫電崩牙を使えば……激戦にはなると思うけど、それなりに勝機はある気がするんだよな。
まぁ、でもアルガンツ先生の言う通り、俺たちはまだ候補生なんだから無茶する必要はない、か。
それなら俺とルーフェイスで倒すのが一番手っ取り早いな。
「ワゥ!!」
「おっ、早速一体目の獲物と遭遇だな」
46
お気に入りに追加
3,492
あなたにおすすめの小説
俺と幼女とエクスカリバー
鏡紫郎
ファンタジー
憧れた世界で人をやめ、彼女と出会い、そして俺は初めてあたりまえの恋におちた。
見知らぬ少女を助け死んだ俺こと明石徹(アカシトオル)は、中二病をこじらせ意気揚々と異世界転生を果たしたものの、目覚めるとなんと一本の「剣」になっていた。
最初の持ち主に使いものにならないという理由であっさりと捨てられ、途方に暮れる俺の目の前に現れたのは……なんと幼女!?
しかもこの幼女俺を復讐のために使うとか言ってるし、でもでも意思疎通ができるのは彼女だけで……一体この先どうなっちゃうの!?
剣になった少年と無口な幼女の冒険譚、ここに開幕
ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ
雑木林
ファンタジー
現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。
第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。
この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。
そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。
畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。
斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
私は婚約破棄を回避するため王家直属「マルサ」を作って王国財政を握ることにしました
中七七三
ファンタジー
王立貴族学校卒業の年の夏――
私は自分が転生者であることに気づいた、というか思い出した。
王子と婚約している公爵令嬢であり、ご他聞に漏れず「悪役令嬢」というやつだった
このまま行くと卒業パーティで婚約破棄され破滅する。
私はそれを回避するため、王国の財政を握ることにした。
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
伯爵家の三男は冒険者を目指す!
おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました!
佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。
彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった...
(...伶奈、ごめん...)
異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。
初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。
誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。
1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる