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ある程度日は経っていた
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「これが約束の報酬だ。金貨が五十枚入っている」
「有難うございます」
夕食を食べ終えて少し食休みをした後、ロウレット公爵様に呼ばれて個室へとやって来た。
そしてまずはフォース君とリッシュちゃんの模擬戦を行った報酬として、金貨二十枚を貰った。
中身は見ずに受け取って隣に置く。
どう考えてもロウレット公爵様が嘘の金額を入れるとは思えないからな。
……もしかして、金貨二十枚以上入ってたりする?
そんな嘘ならつくかもしれない性格の様な……それはそれで嬉しいから、今は深く考えなくて良いか。
「すまないね、子供たちの我儘に付き合ってもらって」
「いえいえ、そんなことないですよ。俺としては、セルシアの兄弟と仲良くなれる機会を貰ったと思ってるので」
「ふふ。本当に君は優れているな……大人げないとは思っているが、君の色々な部分に嫉妬するよ」
な、なんて答えたら良いか悩む言葉だな。
「そ、そうですか? えっと……ど、どうも」
やっぱりこんな感じで返すのが無難だよな。
というか、何故ロウレット公爵様が俺に嫉妬する?
そりゃ魔弾と他三つのアビリティを持っていることに関しては嫉妬してもおかしくないと思うけど……いや、ちょっと待て……ロウレット公爵様は獣、鬼、竜魔法のアビリティに関しては知らないよな。
魔弾というアビリティを持ってることに関しては公言してるけど、他三つに関しては一応隠してる……つもりだ。
確かに大会でセルシアとぶつかった時にラビットフットは使ったけど、他の試合では全く使ってなかった……使ってなかったよな?
「私が君と同じ年齢の時に今のラガス君と戦っても……おそらく勝てない。セルシアがラガス君に勝てないのと同じようにね」
ま、また返答に困る言葉を出してくるな。
「いや……ちょっと違うかな。今の私でも……君に勝てるかどうかは怪しいかな」
「ロウレット公爵様、それは過大評価です」
サラッと返答できた。
今回は迷うことなく焦ることなく返答できた。
てか、この人はいきなりなんて事を言ってくるんだよ!!!!
ここで「いや~~~~。ど、どうでしょうね~~~~」なんて返答したら、まだまだ何か力を隠してるように終われたはずだ!!
実際に一応隠してるつもりなんだけどさ。
「そうかな? 君は本当に不思議……というか、学生の常識から外れている存在だ。娘のセルシアやリザード家の令嬢であるイーリス嬢や他にも学生の常識から外れた存在はいるが、君はその中でもとび抜けて常識外れだ。勿論、良い意味でだよ」
「あ、ありがとうございます」
そりゃ……転生者ですからね。
生まれ落ちた理由からして色々と不思議でおかしく、常識外れな存在とは自分でも思ってます。
「ですが、常識外れの存在であれば俺の友人もロウレット公爵様が考えるその枠に当てはまりますよ」
「ほぅ……それは私が知っている者かな」
「リーベ侯爵家の令息であるジースです」
「…………あのジース君か」
おっ、やっぱり知ってるんだな。
そりゃ娘の同年代である侯爵家の令息であれば頭に入っててもおかしくないよな。
「彼と友人だったのか……彼は、大丈夫かい?」
「えっと……あ、はい!! その、落ち着いてるとは思います。まだ……傷は癒えていないかもしれませんが」
「そうか……そうだろうね。中々癒える傷ではないだろう」
そういえば、あの一件が起こってからそれなりに日数が経ってたな。
それを考えれば、ロウレット公爵様があの一件について知っていてもおかしくないか。
「ただ、実力に関しては格段に上がっています。現在のリーベであれば、一年のシングルスに……もしかしたら、団体戦のメンバーに入っていたかもしれません」
「むっ、それほどか。興味深いな。少し詳しく聞かせてもらっても良いかい」
「はい、勿論です」
よし、とりあえず話題を俺から変えることに成功だ。
「有難うございます」
夕食を食べ終えて少し食休みをした後、ロウレット公爵様に呼ばれて個室へとやって来た。
そしてまずはフォース君とリッシュちゃんの模擬戦を行った報酬として、金貨二十枚を貰った。
中身は見ずに受け取って隣に置く。
どう考えてもロウレット公爵様が嘘の金額を入れるとは思えないからな。
……もしかして、金貨二十枚以上入ってたりする?
そんな嘘ならつくかもしれない性格の様な……それはそれで嬉しいから、今は深く考えなくて良いか。
「すまないね、子供たちの我儘に付き合ってもらって」
「いえいえ、そんなことないですよ。俺としては、セルシアの兄弟と仲良くなれる機会を貰ったと思ってるので」
「ふふ。本当に君は優れているな……大人げないとは思っているが、君の色々な部分に嫉妬するよ」
な、なんて答えたら良いか悩む言葉だな。
「そ、そうですか? えっと……ど、どうも」
やっぱりこんな感じで返すのが無難だよな。
というか、何故ロウレット公爵様が俺に嫉妬する?
そりゃ魔弾と他三つのアビリティを持っていることに関しては嫉妬してもおかしくないと思うけど……いや、ちょっと待て……ロウレット公爵様は獣、鬼、竜魔法のアビリティに関しては知らないよな。
魔弾というアビリティを持ってることに関しては公言してるけど、他三つに関しては一応隠してる……つもりだ。
確かに大会でセルシアとぶつかった時にラビットフットは使ったけど、他の試合では全く使ってなかった……使ってなかったよな?
「私が君と同じ年齢の時に今のラガス君と戦っても……おそらく勝てない。セルシアがラガス君に勝てないのと同じようにね」
ま、また返答に困る言葉を出してくるな。
「いや……ちょっと違うかな。今の私でも……君に勝てるかどうかは怪しいかな」
「ロウレット公爵様、それは過大評価です」
サラッと返答できた。
今回は迷うことなく焦ることなく返答できた。
てか、この人はいきなりなんて事を言ってくるんだよ!!!!
ここで「いや~~~~。ど、どうでしょうね~~~~」なんて返答したら、まだまだ何か力を隠してるように終われたはずだ!!
実際に一応隠してるつもりなんだけどさ。
「そうかな? 君は本当に不思議……というか、学生の常識から外れている存在だ。娘のセルシアやリザード家の令嬢であるイーリス嬢や他にも学生の常識から外れた存在はいるが、君はその中でもとび抜けて常識外れだ。勿論、良い意味でだよ」
「あ、ありがとうございます」
そりゃ……転生者ですからね。
生まれ落ちた理由からして色々と不思議でおかしく、常識外れな存在とは自分でも思ってます。
「ですが、常識外れの存在であれば俺の友人もロウレット公爵様が考えるその枠に当てはまりますよ」
「ほぅ……それは私が知っている者かな」
「リーベ侯爵家の令息であるジースです」
「…………あのジース君か」
おっ、やっぱり知ってるんだな。
そりゃ娘の同年代である侯爵家の令息であれば頭に入っててもおかしくないよな。
「彼と友人だったのか……彼は、大丈夫かい?」
「えっと……あ、はい!! その、落ち着いてるとは思います。まだ……傷は癒えていないかもしれませんが」
「そうか……そうだろうね。中々癒える傷ではないだろう」
そういえば、あの一件が起こってからそれなりに日数が経ってたな。
それを考えれば、ロウレット公爵様があの一件について知っていてもおかしくないか。
「ただ、実力に関しては格段に上がっています。現在のリーベであれば、一年のシングルスに……もしかしたら、団体戦のメンバーに入っていたかもしれません」
「むっ、それほどか。興味深いな。少し詳しく聞かせてもらっても良いかい」
「はい、勿論です」
よし、とりあえず話題を俺から変えることに成功だ。
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