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体力回復

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盗賊たちが溜め込んでいた武器の中には幸いに、エリサさんが使える弓や矢に短剣があった。
それに加えて、まさかのマジックポーチまであった。

商人か盗賊から奪ったのかは知らないけど、それなりに使える一品だった。

「本当に、こんなに貰っても良いのか?」

「構いませんよ。一応貴族なんでお金には困ってませんし」

正確には貴族だからというよりも、バカ王子の一件で懐が潤ったからだけどな。
それにマジックポーチに関しても副騎士団長から貰った物や、ルーフェイスさんがくれた収納のクリスタルがあるので、俺たちにとってはそこまで必要な道具ではない。

「そうか……ありがとう。本当に助かるよ」

盗賊のアジトを出てから丁度時間が良かったので昼食を取っていた。
俺たちだけなら、またダッシュで家を目指して走れるけどエリサさんがかなり体力を消耗していたので、まずはしっかりご飯を食べて体力を回復。

「それにしても、君達は本当に強いんだな。他に同行してる人はいないし……ラガス君たちだけであの盗賊たちを倒したのだろう」

「ラガス坊ちゃまは例外的な存在ですので、あの程度の輩いくら集まったところで傷一つ負わせられませんよ」

……メリル、褒めてくれるのは嬉しい。
けど、そんな堂々と言われるとちょっと恥ずかしいんだが。

「いや、別に俺だけが例外的な存在ではないだろ。メリルやシュラだって十分例外的な存在に当てはまるだろう」

「一般的な視点から考えればそうかもしれませんね。ですが、私やシュラがここまで強くなれたのはどう考えてもラガス坊ちゃまのお陰です。シュラもそう思いませんか」

「まぁ……そうだな。ラガスさんが普段から鍛えてモンスターとの実戦を繰り返す様な人じゃなければ、この歳でここまで強くなることはなかったと思う」

二人してそんなに俺を褒めるなよ。
ついうっかり調子に乗ってしまうだろ……乗らないけどさ。

「そうなのか……君は、戦うことが好きなのか?」

「そうですね。好きだと思います」

なんだかんだで常に戦いを楽しんでいる自分がいる気がする。
強くなろうと思った理由としては、前世と比べて圧倒的に世の中を生き抜くためには実戦的な強さが必要だと思ったからって点もあるけど。

他には……やっぱり生き抜くには権力があるに越したことはないんだろうけど、一応貴族の一員ではあったからあまり気にしてなかったかもな。

「やっぱりそうっすよね、ラガスさん!!」

「お、おう。まぁな。年がら年中戦いたいとは思わないけど」

訓練は怠らないようにしようとは思ってるけど、魔靴とかを造ってる時も十分に楽しい。
学校に通い始めてモンスターと戦う時間が少なくなってから一時実戦が恋しくなったことはあったけど、慣れればそこまで気にしなくなった。

「エルフの中でも珍しく好戦的な子はいるが、そんな子でも君には敵わないだろうな」

「そうですか? 俺は魔法系のアビリティを持ってないんですけど、エルフ族は種族的に得意ですよね」

確かにいざ一対一で戦うことになれば勝つ気で戦うが、そんなあっさり勝てるとも思ってない。

「……その魔力量で、魔法系のアビリティを持っていないのか」

うぉ、超心底驚いた顔になった。
というか、いつのまにそういうのを調べられたんだ?

魔法が得意なエルフだから、特にアビリティを使わなくても調べられるのか?

「そうえいば、私を助けてくれた時は確か魔力の塊で敵を貫いたのだったな」

「覚えてたんですか?」

「あぁ、これでも魔力の感知力は優れているからな」

あの隠蔽を使った状態で放った魔弾に気付いてたのか……状況的にエリサさんは意識が朦朧としてたと思うんだが、それでも気付いてたってことは本当に感知力に優れてるんだろうな。

この先エルフと戦うことがあれば……接近戦メインで戦った方が良さそうだな
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