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そうしなければならない

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「生徒と従者二人のチームで戦うのは面白い案だと思うが、普通に考えてみろ。実力的に考えて俺だけでもまぁまぁ反則なのに、お前らが二人が参戦したらどうなるよ……もしかして忘れたのか? 二人は少し前に行われた大会で優勝してるんだぞ」

「あっ……そ、そうだったすね」

こりゃ完全に忘れてたみたいだな。
いや、本当に面白そうな案だとは思う。

セルシアと一緒に参加したダブルスの大会も面白かったけど、メイドと執事が一緒に戦うってのも一興。

ただ……俺たちが参加したら結果が分かったようなもんだからな。
でも実際に三対三の大会を行うなら、参加してみたいって気持ちはあるからな~~~~。

「ラガス坊ちゃま、それでしたらトーナメント表を弄り、私たちが戦う回数をそれとなく多くすれば良いのではないですか?」

「……なるほど、そうすればそれなりに良い感じになる……か?」

普通に考えれば戦う回数が増えれば、疲労度が増えて他の参加者との差が広がると思う。
大会に参加する生徒や執事、メイドのレベルを考えればあんまり気が抜けない相手が増えるかもだし……案外大丈夫かもな。

「決勝まで勝ち上がったチームが私たちと戦うという形もありますが」

「それは……ありかもしれないけど、さすがに他のチームと差別し過ぎな気がするな」

そもそもトーナメントに俺が参加しない。
そして実質優勝したチームと戦う……流れ的には悪くないけど、実質優勝したチームと戦うってことは、俺たちも全く疲れてない状態で戦うことになるんだよな。

それだとやっぱり公平性がないから……トーナメント表を弄って、俺たちが他のチームより戦う回数が多く鳴れば、他のチームや観客たちも納得するよな。

「仮に三対三のトーナメントを行うなら、トーナメント表を弄る案を採用したいところだな」

「そうですか。それで、結局ラガス坊ちゃまは国王様と話す際に、このことを提案してくれるのですか」

うっ! 二人ともちょっと圧が強くないか?
そんなにトーナメントに出たいのか?? どうせこの国で開催される大会には来年、再来年も出場するのに……シュラは単純に強い奴と戦ってみたいって思いが強そうだけど。

「ま、まぁ俺もアルガ王国とガルガント王国が対決する大会は面白そうだと思うけど……そうだな、こっちに利があると分かればガルガント国王様はノリノリで開催しようと思うか」

来年は無理だとしても、再来年には開催出来る……はず。
シュラが言った通り、軽く挑発すれば向こうも俺という理不尽がいるから、俺が在学中には開催したくないって言えないだろうな。

「分かった、とりあえず国際大会については俺の方から提案しておく。もちろん、メイドと執事部門の方もな」

「ふふ、有難うございます」

「あざっす!!!」

全く、二人とも血の気が多いな……シュラは元からな気がしなくもないけど、やっぱり主である俺に似てしまったということか?

「でも、あれだな。本当に大会を開催することになったら、上の人たちから前回と同じようにちょっと気持ち長めに戦ってくださいって言われそうだな」

「観客のことを考えれば、そうなるのも当然ですね」

「そうっすね。でもラガスさんはそこら辺、上手く調整できるじゃないっすか」

「それなりにな。というかシュラ、もし開催する事になったら調整するのは俺だけじゃなくて、お前やメリルもだからな」

「……えっ!? マジっすか!!??」

おいおい、何故俺だけが他の参加者相手に手加減しなければならないと思ってたんだ?
二人とも実力は同年代、少し歳上を入れてもずば抜けてるんだから、試合がそれなりに面白くする為にはある程度手加減して、試合時間を長くしないと駄目に決まってるだろ。

「シュラ、お前とメリルは執事やメイド限定の大会とはいえ、優勝者だぞ。名前は俺の方が知れ渡ってるかもしれないけど、二人も十分に名が知れてる筈だ」

「ラガス坊ちゃまの言う通りですよ。大会では特に苦戦することなく勝ったのですし、手加減しないと試合に全く面白味がなくなるじゃないですか」

「そ、そうか……でも手加減か」

こいつ、もしかしてバチバチに熱い戦いが出来ると思ってたのか?
もうちょい自分の実力を考えろよ。

シュラが本気で同じ執事を殴ったりしたら、当然骨は折れるし風穴が空くかもしれないからな。
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