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レベルが違う野営料理

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「……まさか野営でこのような豪華な料理が食べられるとは」

ドレッグさんの気持ちはよく解かる。

夜になり、夕食の時間になったので夕食の準備が始まる。
そこでフェリスさんが亜空間の中ら上質な肉と野菜や果物、調味料を取り出した。

「それでは、料理出来る人たちで作っていきましょう」

フェリスさんとメリル、フィーラさんと意外にもオルアさんが参戦。
四人はどんな料理を作るか話し合い、次々に料理を作り上げていく。

そして作りあがった料理を見て、ドレッグさんは喉を鳴らしながら唸った。

「セルシアは参加しなくてよかったのか?」

「……あの中に入っても、多分出来るのは食材を切ること、だけ。だから今回はいいかな、って思った」

セルシアは普段から頑張って料理を上手くなろうと努力しているが、まだまだメリルたちの腕には及ばない。
それに加え、単純にフェリスたちが作る料理に興味があったので参加しなかった。

「こんなところですね」

フィーラが土の魔力で生み出したテーブルには高級レストランで出てくるような料理がずらっと並べられた。
いやぁ……凄いな。自分で作ってたオルアさんやフィーラさんまで驚いちゃってるし。

「それでは食べましょう」

全員が土の椅子に座り、一斉に夕食を食べ始める。
元々細かい礼儀作法を叩きこまれていないので、ご馳走をいっきに食べていく。

「ラガス坊ちゃま、まだあるのでそんなに急いで食べなくても大丈夫ですよ」

「……メリル、そういう問題じゃないんだよ。シュラは解るだろ」

「うっす、超解るっす」

勿論ちゃんと噛んで味わっている。
けど、本当に美味いんだよ。

セルシアだって綺麗な所作だけどいつもと比べて食べるスピードが超速い。
近衛騎士の人たちだって目を輝かせながら食べ続けてるし。

「ふふふ、美味しそうに食べてくれてなによりですね」

母親が作った料理をルーフェイスもがつがつと食べている。
フェリスさん……もしかして料理も極めちゃってる感じなのか?

作ったのはフェリスさんだけじゃないってのは分かってるけど……多分、料理の腕は趣味の域を超えてるよな。

「はぁ~~~……美味かった。超美味かった」

大量にあった料理がニ十分も経たないうちになくなった。
誰か一人が大量に食べたというわけではなく、全員がそれなりの量を食べた。

本当に腹一杯だ……ここまで一杯になるまで食べたのは久しぶりだな。
ただ、腹一杯食べた後にダラダラしたら太る可能性がある……筈。

ということで、食後の運動をしなければならない。

「ドレッグさん、良かったら食後の運動ということで、俺と模擬戦してくれませんか」

「ッ……そうですね。勿論構いませんよ。このままダラダラとするのは不健康ですからね」

おっ、話が解る人だ。
野営から少しだけ離れ、木剣を使った模擬戦スタート。

昼間セルシアと行ったように強化系のアビリティは使用しない。
加えて、純粋に木剣のみで戦う。

素の身体能力だけなら俺より上。そして剣術にはそれなりに自信はあるが、どう考えてもロングソードの扱いはドレッグさんの方が上。
偶にはこういった師事を受ける形の模擬戦も悪くない。

「ふむ、ラガス殿は魔弾だけではなく剣術の腕も高いようで」

「まだまだドレッグさんたちには及びませんよ」

「はっはっは! これでも本格的に剣を握ってから三十数年経っている。総合力では負けたとしても、剣術という一点であればまだまだ学生には負けられませんよ」

王道の剣術だけではなく、トリッキーな動きで攻めたりもするが、ことごとく躱すかガードされてしまう。
てか、この人受け流すのマジで上手いな。

俺もそれなりに使えるとは思ってたけど……年の功には敵わない部分もあるか。

「ラガス殿がその気になれば、剣だけでも先の大会で全て勝利することができたのではないですか?」

「それは……どうでしょうか。剣のみの勝負となれば厳しい戦いも増えるでしょうか、あまり危ない橋を渡ろうとは思えませんでしたね」

アブストラクトをフルに使えば勝てるかもしれないけど……単純な剣術勝負なら俺より上の人が学生にいてもおかしくない。
セルシアに関しては数年もすればあっさり抜かれそうな気がするし。
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