406 / 968
軽くやりましょう
しおりを挟む
俺はセルシアが隣にいればそれで十分だ。
何人もの女性を囲うとか……無理無理、この世界でハーレムは結構当たり前かもしれないけど、俺には無理な芸当だ。
「例え多くの女性から言い寄られたとしても、俺はそれに応える気はありませんよ」
ただ……フェリスさんの勘がそう言ってるんだもんな。
マジでそうなりそうで今後どうなるのか……考えただけで怖い。
「ふふ。ラガスさんのパートナーであるセルシアさんは本当に愛されている様ですね」
「えっと……まぁ、その……パートナーなんで」
「初々しいですねぇ~~。青春しているというやつですね」
ぶっ!!! だ、第三者からそう言われると恥ずかしいな。
けど……前世と比べれば、確かに青春してるな。うん、それは断言出来る。
なんて話しているうちに特別寮に着いた。
「おかえり、ラガス。えっと……その人が、ルーフェイスのお母さん?」
「そうだよ、今は人の姿をしてるけどルーフェイスのお母さん、フェリスさんだ」
「……どうも、ラガスのパートナーである、セルシアです。よろしくお願い、します」
「あらあらどうもご丁寧にありがとう。もう知ってると思うけど、ルーフェイスの母であるフェリスです。よろしくお願いしますね」
お互いに握手を交わした瞬間、セルシアの表情が少し変わった。
やっぱり直ぐにフェリスさんの実力を察したみたいだな。
今のセルシアではどう足掻いても超えられない……とてつもなく高い壁だ。
ルーンさんとキリアさんもなんとなく感じ取ったみたいだな。
「それではラガスさん、出発は明日ですよね。それなら……少し体を動かしませんか?」
「……ふふ、良いですね。訓練場に移動しましょう」
夏休み中は多くの生徒が実家に帰ってるから、訓練所の一つや二つは空いてるだろ。
「ラガス、大丈夫? 死んじゃわない?」
「おいおい、心配し過ぎだってセルシア。そうなるかもしれない可能性はアルガ王国に行ってからだろ。フェリスさんは俺たちからすれば大先輩。相手の実力に合わせて手加減するなんて朝飯前だよ」
「そう、それなら良い……けど、フェリスさん、本当に強いよね」
「そりゃルーフェイスのお母さんだからな……国と戦争しても余裕で勝つだろ」
狼竜だからフェリスさんの一声で従う狼系やドラゴン系のモンスターは多い筈……って事を考えると、本当にアルガ王国が今後存命してるか不安になってきたな。
偶に昔話を聞いてたけど、敵にはあまり容赦ない人だからな。
「ラガスさん、ルールはどうしますか」
「……俺は肉弾戦のみ。試合時間は三分でお願いします」
「分かりました。楽しみですね」
フェリスさんにとっては楽しみかもしれないけど、俺からすればドキドキの時間だ。
……折角のフェリスさんとの模擬戦だし、羅門を使うか?
フェリスさん相手なら羅門を使っても問題はない。
模擬戦だから終わった後の判断に関しても気にしなくて良いよな……選択肢の中に入れておくか。
「ラガス、私も……フェリスさんと模擬戦を、したい」
「……えっと、どうですか? フェリスさん」
「えぇ、勿論お受けしますよ。どうせなら、全員とやりましょうか」
ルーンさんとキリアさんがビクッと震えた。
そりゃそういう反応になるか。
二人ともそれなりに強い部類に入るけど、シュラとメリルと比べればまだまだ。
そんな二人よりも圧倒的に強いフェリスさんと模擬戦を行っても、大した成果を得られないって考えてるんだろうな。
「ルーンさん、キリアさん。最強の狼竜と模擬戦が出来る機会なんて、そうそうないですよ」
「そ、それもそうですね」
「……ラガス殿の言う通りだな」
二人の眼に戦意が戻った。
まっ、主であるセルシアが模擬戦を行うと言ってるのに、自分たちが下がる訳にはいかないだろうから、俺が何も言わなくても戦ってただろう。
教師に一声掛けてから訓練場に向かい、フェリスさんと向き合う。
「それではメリルさん、時間のカウントをお願いしますね」
「かしこまりました、お任せください」
ふぅーーーー……軽く戦意を零しただけでこの圧かよ。本当に桁違いだな、この人。
「それではラガスさん、遠慮なく来てくださいね」
「分かりました……遠慮なくいかせてもらいます」
「……始め!!!!」
メリルの模擬戦開始の合図と共に、俺は全力で駆け出した。
何人もの女性を囲うとか……無理無理、この世界でハーレムは結構当たり前かもしれないけど、俺には無理な芸当だ。
「例え多くの女性から言い寄られたとしても、俺はそれに応える気はありませんよ」
ただ……フェリスさんの勘がそう言ってるんだもんな。
マジでそうなりそうで今後どうなるのか……考えただけで怖い。
「ふふ。ラガスさんのパートナーであるセルシアさんは本当に愛されている様ですね」
「えっと……まぁ、その……パートナーなんで」
「初々しいですねぇ~~。青春しているというやつですね」
ぶっ!!! だ、第三者からそう言われると恥ずかしいな。
けど……前世と比べれば、確かに青春してるな。うん、それは断言出来る。
なんて話しているうちに特別寮に着いた。
「おかえり、ラガス。えっと……その人が、ルーフェイスのお母さん?」
「そうだよ、今は人の姿をしてるけどルーフェイスのお母さん、フェリスさんだ」
「……どうも、ラガスのパートナーである、セルシアです。よろしくお願い、します」
「あらあらどうもご丁寧にありがとう。もう知ってると思うけど、ルーフェイスの母であるフェリスです。よろしくお願いしますね」
お互いに握手を交わした瞬間、セルシアの表情が少し変わった。
やっぱり直ぐにフェリスさんの実力を察したみたいだな。
今のセルシアではどう足掻いても超えられない……とてつもなく高い壁だ。
ルーンさんとキリアさんもなんとなく感じ取ったみたいだな。
「それではラガスさん、出発は明日ですよね。それなら……少し体を動かしませんか?」
「……ふふ、良いですね。訓練場に移動しましょう」
夏休み中は多くの生徒が実家に帰ってるから、訓練所の一つや二つは空いてるだろ。
「ラガス、大丈夫? 死んじゃわない?」
「おいおい、心配し過ぎだってセルシア。そうなるかもしれない可能性はアルガ王国に行ってからだろ。フェリスさんは俺たちからすれば大先輩。相手の実力に合わせて手加減するなんて朝飯前だよ」
「そう、それなら良い……けど、フェリスさん、本当に強いよね」
「そりゃルーフェイスのお母さんだからな……国と戦争しても余裕で勝つだろ」
狼竜だからフェリスさんの一声で従う狼系やドラゴン系のモンスターは多い筈……って事を考えると、本当にアルガ王国が今後存命してるか不安になってきたな。
偶に昔話を聞いてたけど、敵にはあまり容赦ない人だからな。
「ラガスさん、ルールはどうしますか」
「……俺は肉弾戦のみ。試合時間は三分でお願いします」
「分かりました。楽しみですね」
フェリスさんにとっては楽しみかもしれないけど、俺からすればドキドキの時間だ。
……折角のフェリスさんとの模擬戦だし、羅門を使うか?
フェリスさん相手なら羅門を使っても問題はない。
模擬戦だから終わった後の判断に関しても気にしなくて良いよな……選択肢の中に入れておくか。
「ラガス、私も……フェリスさんと模擬戦を、したい」
「……えっと、どうですか? フェリスさん」
「えぇ、勿論お受けしますよ。どうせなら、全員とやりましょうか」
ルーンさんとキリアさんがビクッと震えた。
そりゃそういう反応になるか。
二人ともそれなりに強い部類に入るけど、シュラとメリルと比べればまだまだ。
そんな二人よりも圧倒的に強いフェリスさんと模擬戦を行っても、大した成果を得られないって考えてるんだろうな。
「ルーンさん、キリアさん。最強の狼竜と模擬戦が出来る機会なんて、そうそうないですよ」
「そ、それもそうですね」
「……ラガス殿の言う通りだな」
二人の眼に戦意が戻った。
まっ、主であるセルシアが模擬戦を行うと言ってるのに、自分たちが下がる訳にはいかないだろうから、俺が何も言わなくても戦ってただろう。
教師に一声掛けてから訓練場に向かい、フェリスさんと向き合う。
「それではメリルさん、時間のカウントをお願いしますね」
「かしこまりました、お任せください」
ふぅーーーー……軽く戦意を零しただけでこの圧かよ。本当に桁違いだな、この人。
「それではラガスさん、遠慮なく来てくださいね」
「分かりました……遠慮なくいかせてもらいます」
「……始め!!!!」
メリルの模擬戦開始の合図と共に、俺は全力で駆け出した。
54
お気に入りに追加
3,491
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!
よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる