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どうなっても知らない

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「はぁ~~……」

「お疲れですね、ラガス坊ちゃま」

「そりゃ疲れるだろ。二人だって変に疲れただろ」

国王様と別れ、現在は返りの場所の中。
普通に話せた……と思うけど、お礼の品が凄過ぎて頭がパンクしそうになった。

それに国王様は普通にしてたつもりかもしれないけど、やっぱりこう……自然と圧がちょっと零れてた。

「そうっすね。なんというか、流石国のトップって感じだったす」

「同意ですね。圧が一般人とは大きく違う。そして……かなりの強さを持ってるでしょう」

「だろうな。視た訳じゃないけど、相当強い筈だ……まっ、王様が強くなかったら色々と問題が起こりそうだし、国王になる人は強いってのが大前提なのかもな」

なんというか、正直どれぐらい強いのかは読み辛かった。
ただ、それなりの強さを持っているってことだけは解った。

俺が知らないアビリティとか持ってそうだな……あまり踏み込んで考えるのは止めておいた方が良さそうだな。

「それにしても、良い道具を報酬として貰いましたね」

「だよな。それだけ国王様が俺たちに迷惑を掛けたって思ってるってことだ。あっ、メリル。箱に色々と入ってるキッチンセットはお前が使ってくれ」

「良いのですか? ラガス坊ちゃまだってそれなりに料理が出来るじゃありませんか」

そりゃ料理のアビリティを習得出来るぐらいにはな。
料理するのが嫌いって訳じゃないけど、使うなら俺よりもアビリティレベルが高いメリルが使うべきだろ。

「俺よりお前の方が飯を作るのが上手い。理由はそれで十分だろ」

「それは……そうかもしれませんけど」

「だろ。という訳で、道中は美味い飯をよろしく頼む」

「分かりました。期待していてください」

「確かランク七のキッチンセットだったすよね。それにこの指輪もランク五……王家の宝物庫には色々とあるんすね」

ランク七……武器で考えれば、高ランクのハンターや近衛騎士とかが持つぐらいの価値がある。
俺たちがわざわざ隣国に行くからランクが高いマジックアイテムを容易したんだろうけど……こんな指輪までくれたのは正直嬉しい。

「宝物庫から取り出したのか、それとも俺たちに面倒を掛けると分ったらからわざわざ用意したのか……どちらにしろ有難い道具だ。メリルは毒に対して耐性が高いが俺やシュラ、セルシアは普通だからな」

魔弾の中に解毒弾もあるけど、状態異常の攻撃を食らったら絶対に隙が生まれる。
その間を狙ってやられるかもしれない。

そういうのを考えたら、毒や麻痺に睡眠とかの攻撃を食らっても問題無く動けるのはとても重要だ。
国王様が考えてる通り、万が一ってことを考えれば……向こうで何が起こってもおかしくないもんな。

セルシアに何かが起こったらロウレット公爵が動かないとは思えないけど。

「私も毒以外の耐性を持ってはいないので、こういったマジックアイテムは有難いですよ」

「……アルガ王国に入国した際、自分たちで用意した食事以外は鑑定眼で調べてから食べた方が良さそうだな」

「そうです、ね……ラガス坊ちゃま、仮に食事に何かが入っているならば、気を失ったフリをしておびき出すのもありじゃないでしょうか」

毒に掛かったフリか……でも、俺そんな上手く演技出来る気がしないな。
てか、さすがにそんな堂々と毒を盛ったりしないか?

「俺、あんまり上手く演技出来る気がしないからパス。良い案だとは思うけどな」

「そうですか。ラガス坊ちゃまなら発見次第、元凶をぶっ飛ばしそうですね」

「そこまで短気じゃないっての。けど……仮に、本当にそういうことが起きたら第三王子の件とか関係無しにブチ切れても良いかもな」

「もしそうなったらキレても良いとは思うっすけど、あんまりラガスさんが本気を出したら王城が吹き飛んじゃうっすよ」

……そうなるかもしれないな。
元凶を潰すのは良しとしても、さすがに王城を吹き飛ばすのは良くないか。

「やり過ぎは良くないか。けどさ、仮にそんなことをアルガ王国のバカがやらかしたら、フェリスさんが黙っていないと思うんだけど」

「……そういえば、人の言葉を話せる高位のモンスターに何人か知り合いがいると言っていましたね」

「それに大漁のマジックアイテムを持ってるっすよね」

当たり前だけどお、俺が暴れるよりもフェリスさんがキレた方が断然ヤバい事態になるな。
けど、それはアルガ王国の失態ってことだし……仕方ないよな。
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