354 / 962
ゼロではないが
しおりを挟む
非常に不味いな……ザックス達がそのライド君から聞いている話だけだと、リーベのが完全に悪役に思ているよな。
てか、両思いだと分かってる時点でその仲を引き裂こうとしているリーベは邪魔者以外なんでもないか……とりあえず今、俺がライド君のライバルであるリーベの味方だってのは言わない方が良いよな。
ここで味方する理由を話しても三人が納得出来るとは思えない……というか、納得出来たとしても友人としての心が、ライド君の味方をしようと思うはず。
第三者から見れば七……八割方はライド君が、正確に言えばアザルトさんが悪いんだけどな。
「なんか難しそうな顔をしてるな。やっぱり貴族の子息であるラガスからすれば難しい方法なのか?」
「……婚約が成立して、その後の対応によるんじゃないか? そのライド君と両想いの令嬢の実家が、婚約者の家から色々と援助してもらっていたり、後ろ盾になってもらっていると……たとえライド君がゴールドランクのハンターになったとしても難しいかもしれないな」
「そ、そうなの? ゴールドランクのハンターなら爵位が低い貴族と同等の権利が与えられるって聞いたことがあるけど」
「それはそうだが……成功するとは断言は出来ないな」
リーベの実家が何かしら黒いことを行っているとして、それを四人が暴けばその婚約を破棄できる可能性は大幅に上がるとは思うが……無理だろうな。
仮にアザルトさんが協力したとしても、裏の有能な情報屋を雇う金なんてない。
情報を得られとしても、証拠を手に入れなければ証明は出来ない。
そもそもな話、リーベの実家が黒いことをしていなければ無理な話だ。
「まぁ……可能性がゼロって訳じゃないんだし、頑張り続ける価値はあるんじゃないか?」
そのライド君の頑張りを否定しようとは思えない。
貴族と平民、考え方が色々と違うんだ。
ライド君からすればリーベは自分と両想いの女性を無理矢理自分の花嫁にしようとしている貴族の子息。
リーベからすればライド君は自分の将来の花嫁を不届きにも奪おうとしてくる愚かな平民ってところだろうな。
アザルトさんの婚約者がリーベほど優しくはなく、悪い意味で貴族らしい奴だったら暗殺ギルドの連中でも雇ってライド君を殺すかもしれないんだ……そこら辺を考えればやっぱりリーベは優しいよな。
ライド君にチャンスまで上げようとしてるんだ。
だが……それを三人に説明しても納得出来るかは微妙だよな。
「そう、だよな……どんな挑戦でも可能性はゼロじゃないしな!!!」
「相変わらず暑苦しいわね。でも、その考えには賛成よ。諦めなければ可能性がゼロになることはない」
「わ、私達だって諦めずに頑張ったから特待生で学園に入れたんだし……なんとか出来るよね!」
前向きなのは良いことだ。
何かに挑戦しようとする時、下を向いている者が何を成し遂げられるのか……前を向いて歩かなければ可能性は上がらない。
綺麗事は実際に正しい言葉だ……でも、その先を目指して多くの人が敵わないから綺麗事なんてくだらないと思う人が多いんだよな。
今回の件だって実際にライド君がアザルトさんをリーベから奪おうとする場合、リーベから交渉の余地を提案するから可能性が跳ね上がる。
そうでなければ……実際のところ可能性は一パーセントも無いだろう。
「とりあえず、今は強くなる事だけを考えてれば良いんじゃないか? 休むことも大切だけどな」
「強くなきゃ大切な人を守れないって事だよな!!」
「ま、まぁ……その通りだな。俺も強かったからこそセルシアを面倒な奴らから守れたわけだし」
確かに強さは必要だ。
ただ、俺の場合はちょっと例外なんだよ。
ロウレット家の当主様……セルシアのお父さんが俺の事を気に入ってくれてるみたいだから色々と上手くいってる。
仮にそうでなかったら、あまりよろしくないプレッシャーを毎日背負ってるかもな。
とりあえず、ちょっと面倒なことになったな…………まっ、リーベがまともで努力家だってのは知ってるから今更あいつの味方を辞めるなんてあり得ないけどな
てか、両思いだと分かってる時点でその仲を引き裂こうとしているリーベは邪魔者以外なんでもないか……とりあえず今、俺がライド君のライバルであるリーベの味方だってのは言わない方が良いよな。
ここで味方する理由を話しても三人が納得出来るとは思えない……というか、納得出来たとしても友人としての心が、ライド君の味方をしようと思うはず。
第三者から見れば七……八割方はライド君が、正確に言えばアザルトさんが悪いんだけどな。
「なんか難しそうな顔をしてるな。やっぱり貴族の子息であるラガスからすれば難しい方法なのか?」
「……婚約が成立して、その後の対応によるんじゃないか? そのライド君と両想いの令嬢の実家が、婚約者の家から色々と援助してもらっていたり、後ろ盾になってもらっていると……たとえライド君がゴールドランクのハンターになったとしても難しいかもしれないな」
「そ、そうなの? ゴールドランクのハンターなら爵位が低い貴族と同等の権利が与えられるって聞いたことがあるけど」
「それはそうだが……成功するとは断言は出来ないな」
リーベの実家が何かしら黒いことを行っているとして、それを四人が暴けばその婚約を破棄できる可能性は大幅に上がるとは思うが……無理だろうな。
仮にアザルトさんが協力したとしても、裏の有能な情報屋を雇う金なんてない。
情報を得られとしても、証拠を手に入れなければ証明は出来ない。
そもそもな話、リーベの実家が黒いことをしていなければ無理な話だ。
「まぁ……可能性がゼロって訳じゃないんだし、頑張り続ける価値はあるんじゃないか?」
そのライド君の頑張りを否定しようとは思えない。
貴族と平民、考え方が色々と違うんだ。
ライド君からすればリーベは自分と両想いの女性を無理矢理自分の花嫁にしようとしている貴族の子息。
リーベからすればライド君は自分の将来の花嫁を不届きにも奪おうとしてくる愚かな平民ってところだろうな。
アザルトさんの婚約者がリーベほど優しくはなく、悪い意味で貴族らしい奴だったら暗殺ギルドの連中でも雇ってライド君を殺すかもしれないんだ……そこら辺を考えればやっぱりリーベは優しいよな。
ライド君にチャンスまで上げようとしてるんだ。
だが……それを三人に説明しても納得出来るかは微妙だよな。
「そう、だよな……どんな挑戦でも可能性はゼロじゃないしな!!!」
「相変わらず暑苦しいわね。でも、その考えには賛成よ。諦めなければ可能性がゼロになることはない」
「わ、私達だって諦めずに頑張ったから特待生で学園に入れたんだし……なんとか出来るよね!」
前向きなのは良いことだ。
何かに挑戦しようとする時、下を向いている者が何を成し遂げられるのか……前を向いて歩かなければ可能性は上がらない。
綺麗事は実際に正しい言葉だ……でも、その先を目指して多くの人が敵わないから綺麗事なんてくだらないと思う人が多いんだよな。
今回の件だって実際にライド君がアザルトさんをリーベから奪おうとする場合、リーベから交渉の余地を提案するから可能性が跳ね上がる。
そうでなければ……実際のところ可能性は一パーセントも無いだろう。
「とりあえず、今は強くなる事だけを考えてれば良いんじゃないか? 休むことも大切だけどな」
「強くなきゃ大切な人を守れないって事だよな!!」
「ま、まぁ……その通りだな。俺も強かったからこそセルシアを面倒な奴らから守れたわけだし」
確かに強さは必要だ。
ただ、俺の場合はちょっと例外なんだよ。
ロウレット家の当主様……セルシアのお父さんが俺の事を気に入ってくれてるみたいだから色々と上手くいってる。
仮にそうでなかったら、あまりよろしくないプレッシャーを毎日背負ってるかもな。
とりあえず、ちょっと面倒なことになったな…………まっ、リーベがまともで努力家だってのは知ってるから今更あいつの味方を辞めるなんてあり得ないけどな
64
お気に入りに追加
3,492
あなたにおすすめの小説
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
伯爵家の三男は冒険者を目指す!
おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました!
佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。
彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった...
(...伶奈、ごめん...)
異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。
初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。
誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。
1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
パーティを追い出されましたがむしろ好都合です!
八神 凪
ファンタジー
勇者パーティに属するルーナ(17)は悩んでいた。
補助魔法が使える前衛としてスカウトされたものの、勇者はドスケベ、取り巻く女の子達は勇者大好きという辟易するパーティだった。
しかも勇者はルーナにモーションをかけるため、パーティ内の女の子からは嫉妬の雨・・・。
そんな中「貴女は役に立たないから出て行け」と一方的に女の子達から追放を言い渡されたルーナはいい笑顔で答えるのだった。
「ホントに!? 今までお世話しました! それじゃあ!」
ルーナの旅は始まったばかり!
第11回ファンタジー大賞エントリーしてました!
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
モブです。静止画の隅っこの1人なので傍観でいいよね?
紫楼
ファンタジー
5歳の時、自分が乙女ゲームの世界に転生してることに気がついた。
やり込んだゲームじゃ無いっぽいから最初は焦った。
悪役令嬢とかヒロインなんてめんどくさいから嫌〜!
でも名前が記憶にないキャラだからきっとお取り巻きとかちょい役なはず。
成長して学園に通うようになってヒロインと悪役令嬢と王子様たち逆ハーレム要員を発見!
絶対お近づきになりたくない。
気がついたんだけど、私名前すら出てなかった背景に描かれていたモブ中のモブじゃん。
普通に何もしなければモブ人生満喫出来そう〜。
ブラコンとシスコンの二人の物語。
偏った価値観の世界です。
戦闘シーン、流血描写、死の場面も出ます。
主筋は冒険者のお話では無いので戦闘シーンはあっさり、流し気味です。
ふんわり設定、見切り発車です。
カクヨム様にも掲載しています。
24話まで少し改稿、誤字修正しました。
大筋は変わってませんので読み返されなくとも大丈夫なはず。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる