336 / 968
もはや後衛職ではない
しおりを挟む
ラージュさんと戦い始めて大体二分ぐらいか……この人、やっぱりマジで強い。
接近戦はあまり自信無いみたいな事を言ってたけど、そこら辺の奴らと比べたら普通に強いんだよな。
持っている杖だってそれ用に造られている。
杖から魔力を放出させて魔力を剣の形にする。これには魔力操作の技術が必要になってくる。
でも、ラージュさんが持っている杖は魔力を込めるだけ自動的に刃へと変化する。
「ハッ!!!」
「シッ!!!」
身体強化の練度だって並じゃない。
決してアリクと戦ってた時に手を抜いていたとは思えない。
それでも……この戦いにはシングルスの時には無い覚悟や負けられない思い? みたいなのを背負っている気がする。
だからこそ、アリクと戦っている時と比べて強くなっていると感じてしまう。
「ウィンドカッターッ!!!」
「魔弾!!!」
接近戦の合間に少しでも距離が空けば詠唱破棄で攻撃魔法をぶっこんでくる。
クレア姉さんも大概凄かったけど、ラージュさんも本気で強い。
この人も含めて二人は絶対に後衛職って呼べないだろうな。
クロウザやセルシアとバチバチに斬り合っている時も楽しかったが、こうやって刃と魔力をぶつけ合うバトルも中々気分が良いな。
「ウィンドランスッ!!!!」
「ッ、それはちょっと面倒だな」
五本のウィンドランスが一点に集中して放たれ、それは槍というよりも刃が付いた槌だった。
「うおっ、ら!!!!」
なので魔弾で撃墜はせず、アブストラクトに魔力を纏わせて思いっきり斬撃を放ってぶち壊した。
あんまり時間を掛けて潰してたら、その隙に背後を取られていたかもしれない。
てか、さっきまでのウィンドランスと比べて威力が高かった気がするんだが……気のせいか?
イーリスの様に魔力が暴走したような威力では無い、か。
「ふぅーーー……今のは、接近戦でも十分に通用する攻撃だと思っていたのだけど……どうやらあなたには意味がなかったようね」
「意味がない、という訳ではないと思いますよ。魔弾で対処しようとすればウィンドステップを使っているラージュさんに後ろを取られていたかもしれない。だから魔弾ではなく斬撃で対処させてもらいました」
「……それは光栄だと受け取っておくわ」
この試合、俺はラージュさんの遠距離攻撃に対して全て魔弾で対処してきた。
だが、さっきのウィンドランスの束だけは魔弾より威力が高い斬撃でなければ隙を生む結果となっていた筈。
本当に油断ならない人だ。
まだどんな技術を隠し持っているのやら……やっぱり人格がしっかりとしている強者との戦いは気分が良い。
「あなたは本当に強い、三年生である私や他の学園のトップと戦っても十分に勝てる可能性がある」
「それはどうも、鍛えてるんで」
まぁ、そりゃ獣・鬼・竜魔法を使えば勝てるだろうな。
その三つを使わなくても勝てるとは思うけど……使えば絶対に勝てるって確信はある。
「でも……私も大将として負けられない気持ちがある。それは解るわよね」
そう言った瞬間、ラージュさんの体がから魔力と闘気が溢れ出し……見事に融合した。
は、ははは……マジか。魔闘気まで纏えるとは、やっぱり接近戦が出来る魔法使いじゃなくて魔法戦士だよな。
クレア姉さんも使えるけど、練度的にはもしかしてラージュさんの方が上か?
「えぇ、それは勿論解りますよ。けど、俺にだってこのままパーフェクトゲームで終わらせるという思いはあります。どちらの思いの方が強いかは他者の見解にもよると思いますけど……俺は絶対に負けるつもりはありませんから」
色んな意味で俺の中にも負けたくないという思いがある。
客観的に見ればラージュさんの方がこの試合に負けたくないという思いが強いと思われるだろうが、それでも結果を覆させない。
「それじゃぁ……もっと派手に戦いましょうか」
「えぇ、望むところよ」
俺も闘気を纏い、身体能力を上げて戦いに臨む。
そういえば時間の事とか完全に忘れてたな……まぁ良いや。
本当に楽しいと思える試合なんだ。自分の好きなようにやろう。
接近戦はあまり自信無いみたいな事を言ってたけど、そこら辺の奴らと比べたら普通に強いんだよな。
持っている杖だってそれ用に造られている。
杖から魔力を放出させて魔力を剣の形にする。これには魔力操作の技術が必要になってくる。
でも、ラージュさんが持っている杖は魔力を込めるだけ自動的に刃へと変化する。
「ハッ!!!」
「シッ!!!」
身体強化の練度だって並じゃない。
決してアリクと戦ってた時に手を抜いていたとは思えない。
それでも……この戦いにはシングルスの時には無い覚悟や負けられない思い? みたいなのを背負っている気がする。
だからこそ、アリクと戦っている時と比べて強くなっていると感じてしまう。
「ウィンドカッターッ!!!」
「魔弾!!!」
接近戦の合間に少しでも距離が空けば詠唱破棄で攻撃魔法をぶっこんでくる。
クレア姉さんも大概凄かったけど、ラージュさんも本気で強い。
この人も含めて二人は絶対に後衛職って呼べないだろうな。
クロウザやセルシアとバチバチに斬り合っている時も楽しかったが、こうやって刃と魔力をぶつけ合うバトルも中々気分が良いな。
「ウィンドランスッ!!!!」
「ッ、それはちょっと面倒だな」
五本のウィンドランスが一点に集中して放たれ、それは槍というよりも刃が付いた槌だった。
「うおっ、ら!!!!」
なので魔弾で撃墜はせず、アブストラクトに魔力を纏わせて思いっきり斬撃を放ってぶち壊した。
あんまり時間を掛けて潰してたら、その隙に背後を取られていたかもしれない。
てか、さっきまでのウィンドランスと比べて威力が高かった気がするんだが……気のせいか?
イーリスの様に魔力が暴走したような威力では無い、か。
「ふぅーーー……今のは、接近戦でも十分に通用する攻撃だと思っていたのだけど……どうやらあなたには意味がなかったようね」
「意味がない、という訳ではないと思いますよ。魔弾で対処しようとすればウィンドステップを使っているラージュさんに後ろを取られていたかもしれない。だから魔弾ではなく斬撃で対処させてもらいました」
「……それは光栄だと受け取っておくわ」
この試合、俺はラージュさんの遠距離攻撃に対して全て魔弾で対処してきた。
だが、さっきのウィンドランスの束だけは魔弾より威力が高い斬撃でなければ隙を生む結果となっていた筈。
本当に油断ならない人だ。
まだどんな技術を隠し持っているのやら……やっぱり人格がしっかりとしている強者との戦いは気分が良い。
「あなたは本当に強い、三年生である私や他の学園のトップと戦っても十分に勝てる可能性がある」
「それはどうも、鍛えてるんで」
まぁ、そりゃ獣・鬼・竜魔法を使えば勝てるだろうな。
その三つを使わなくても勝てるとは思うけど……使えば絶対に勝てるって確信はある。
「でも……私も大将として負けられない気持ちがある。それは解るわよね」
そう言った瞬間、ラージュさんの体がから魔力と闘気が溢れ出し……見事に融合した。
は、ははは……マジか。魔闘気まで纏えるとは、やっぱり接近戦が出来る魔法使いじゃなくて魔法戦士だよな。
クレア姉さんも使えるけど、練度的にはもしかしてラージュさんの方が上か?
「えぇ、それは勿論解りますよ。けど、俺にだってこのままパーフェクトゲームで終わらせるという思いはあります。どちらの思いの方が強いかは他者の見解にもよると思いますけど……俺は絶対に負けるつもりはありませんから」
色んな意味で俺の中にも負けたくないという思いがある。
客観的に見ればラージュさんの方がこの試合に負けたくないという思いが強いと思われるだろうが、それでも結果を覆させない。
「それじゃぁ……もっと派手に戦いましょうか」
「えぇ、望むところよ」
俺も闘気を纏い、身体能力を上げて戦いに臨む。
そういえば時間の事とか完全に忘れてたな……まぁ良いや。
本当に楽しいと思える試合なんだ。自分の好きなようにやろう。
66
お気に入りに追加
3,491
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!
よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる