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基準が違う
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「どうよ、中々良い戦いだったでしょ!!!」
試合に勝利して戻ってきたクレア姉さんは胸を張って喜んでいた。
「いや、まぁ……お前が勝ったからとりあえず俺達の勝利は決まったんだが……まぁまぁ潰すの早くなかったか?」
「そうかしら? 相手がそこまで接近戦に慣れていなかったからある程度余裕を持って戦ったつもりだけど」
……確かにアリク程の瞬殺劇では無かったのは確か。
でも、そこそこ戦いの時間が短かったのも事実かな。
相手の防御力が低かったからって理由があるかもしれないけど……まっ、一番の理由はクレア姉さんの戦闘スタイルだよな。
「ラガスも早かったと思う?」
「ちょっと早かったかなって思った。それに……内容的にはクレア姉さんが相手をボコボコにしてただけだからね」
ボコボコという表現は少々違うかもしれないが、相手の女子生徒が攻撃に転じることが出来ず、クレア姉さんの攻撃に対処するだけで手一杯だった。
そんな戦いを観ていた観客達は楽しかったのか否か……おそらく後者な気がする。
ただ、アリクみたいな瞬殺劇は置いといて、クレア姉さんの試合内容は相手が弱かったからというのが一番の理由だ。
一応余裕を持って戦っていたみたいだが、相手に攻撃を許しながら戦えばそれはそれで面倒な展開になったかもしれない。
つまり、強くは無かったけど弱すぎたって訳じゃないんだろうな。
「あらそう? ……なら、ちょっと早過ぎたのかもね」
「というか、俺は相手の女子生徒がかなり不憫に思えたぞ。相変わらずお前の接近戦のレベルの高さには驚かされる」
「ここ一年ぐらいはその私に負けなしのあんたが何言ってんのよ」
「俺は接近戦が専門だ。攻撃魔法が主なお前にいつまでも負けていられるかって話だ」
アリクレベルの接近戦を目指してるのか……そりゃある程度の実力しかない相手が勝てる訳ない。
他の学生としては目指している場所が違い過ぎる。
「でも、相手の生徒はなんとなくだけどクレア姉さんの戦い方を予測していたよな」
「そりゃこいつが後衛職なのに杖で人をぶっ叩く、なんて普通は非常識な戦法を一年の時から続けていたからな」
「非常識はちょっと失礼じゃない。柔軟な発想って言って欲しいわね」
柔軟な発想……ちょっと違う気がする。
でも、ある程度の接近戦ができてこそ一流に近づける。
「相手がギブアップ宣言が出来ないぐらいぶっ叩いていただろ」
「それは相手が喧嘩を売ってきたからよ!! そういった相手に容赦する訳ないじゃない。それはアリクも一緒でしょ」
「……まぁ、そりゃな」
この双子、マジで恐ろしいな。
絶対にクレア姉さんだけじゃなくてアリクも一年の頃から有名だっただろ。
「二人共、とりあえず勝てたんだ。それで良しとしようじゃないか」
「リース……そうよね、結果良ければ全て良しよ」
「そこには同意だな。それで、今ここにいるって事は副将戦はお前が出るのか」
「そうだよ。三戦あるうちの一戦目……全勝して気持ち良くスタートしようと思ってね」
全勝、当然俺も勝つ予定なんだろうな。
負けるつもりは無い。ただ……リース会長は本当に自信たっぷりだな。
三年のシングルスで勝ってるんだからその態度が当然か。
まだ見ぬ強敵が潜んでいる……って可能性はあるかもしれないけど、そもそもフレイア女学院の負けはクレア姉さんの勝利によって確定された。
そんな状態でモチベーションを保てているのか……しかも相手はリース会長、リングで顔を見た瞬間に戦意喪失しそうだ。
「リース会長、もしかしたら……一瞬で終わるかもしれませんよ」
「ははは、そうかもしれないね。ただ、セルシアさんとクレアも良くやってくれたんだ。アリクも勢い良すぎて直ぐに終わらせてしまったけど」
「うせぇな、仕方ねぇだろ」
自分でも知らなかった力が漏れたことで瞬殺してしまったアリクだが、その理由をリースはなんとなく解っていた。
「とりあえず……きっちり役目は果たすよ」
そう言いながらリングへと向かうリース会長の背中が頼もしく感じた。
試合に勝利して戻ってきたクレア姉さんは胸を張って喜んでいた。
「いや、まぁ……お前が勝ったからとりあえず俺達の勝利は決まったんだが……まぁまぁ潰すの早くなかったか?」
「そうかしら? 相手がそこまで接近戦に慣れていなかったからある程度余裕を持って戦ったつもりだけど」
……確かにアリク程の瞬殺劇では無かったのは確か。
でも、そこそこ戦いの時間が短かったのも事実かな。
相手の防御力が低かったからって理由があるかもしれないけど……まっ、一番の理由はクレア姉さんの戦闘スタイルだよな。
「ラガスも早かったと思う?」
「ちょっと早かったかなって思った。それに……内容的にはクレア姉さんが相手をボコボコにしてただけだからね」
ボコボコという表現は少々違うかもしれないが、相手の女子生徒が攻撃に転じることが出来ず、クレア姉さんの攻撃に対処するだけで手一杯だった。
そんな戦いを観ていた観客達は楽しかったのか否か……おそらく後者な気がする。
ただ、アリクみたいな瞬殺劇は置いといて、クレア姉さんの試合内容は相手が弱かったからというのが一番の理由だ。
一応余裕を持って戦っていたみたいだが、相手に攻撃を許しながら戦えばそれはそれで面倒な展開になったかもしれない。
つまり、強くは無かったけど弱すぎたって訳じゃないんだろうな。
「あらそう? ……なら、ちょっと早過ぎたのかもね」
「というか、俺は相手の女子生徒がかなり不憫に思えたぞ。相変わらずお前の接近戦のレベルの高さには驚かされる」
「ここ一年ぐらいはその私に負けなしのあんたが何言ってんのよ」
「俺は接近戦が専門だ。攻撃魔法が主なお前にいつまでも負けていられるかって話だ」
アリクレベルの接近戦を目指してるのか……そりゃある程度の実力しかない相手が勝てる訳ない。
他の学生としては目指している場所が違い過ぎる。
「でも、相手の生徒はなんとなくだけどクレア姉さんの戦い方を予測していたよな」
「そりゃこいつが後衛職なのに杖で人をぶっ叩く、なんて普通は非常識な戦法を一年の時から続けていたからな」
「非常識はちょっと失礼じゃない。柔軟な発想って言って欲しいわね」
柔軟な発想……ちょっと違う気がする。
でも、ある程度の接近戦ができてこそ一流に近づける。
「相手がギブアップ宣言が出来ないぐらいぶっ叩いていただろ」
「それは相手が喧嘩を売ってきたからよ!! そういった相手に容赦する訳ないじゃない。それはアリクも一緒でしょ」
「……まぁ、そりゃな」
この双子、マジで恐ろしいな。
絶対にクレア姉さんだけじゃなくてアリクも一年の頃から有名だっただろ。
「二人共、とりあえず勝てたんだ。それで良しとしようじゃないか」
「リース……そうよね、結果良ければ全て良しよ」
「そこには同意だな。それで、今ここにいるって事は副将戦はお前が出るのか」
「そうだよ。三戦あるうちの一戦目……全勝して気持ち良くスタートしようと思ってね」
全勝、当然俺も勝つ予定なんだろうな。
負けるつもりは無い。ただ……リース会長は本当に自信たっぷりだな。
三年のシングルスで勝ってるんだからその態度が当然か。
まだ見ぬ強敵が潜んでいる……って可能性はあるかもしれないけど、そもそもフレイア女学院の負けはクレア姉さんの勝利によって確定された。
そんな状態でモチベーションを保てているのか……しかも相手はリース会長、リングで顔を見た瞬間に戦意喪失しそうだ。
「リース会長、もしかしたら……一瞬で終わるかもしれませんよ」
「ははは、そうかもしれないね。ただ、セルシアさんとクレアも良くやってくれたんだ。アリクも勢い良すぎて直ぐに終わらせてしまったけど」
「うせぇな、仕方ねぇだろ」
自分でも知らなかった力が漏れたことで瞬殺してしまったアリクだが、その理由をリースはなんとなく解っていた。
「とりあえず……きっちり役目は果たすよ」
そう言いながらリングへと向かうリース会長の背中が頼もしく感じた。
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