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鋭い刃物系イケメン

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「……相変わらず観客達の声量ヤバいな」

「爆発魔法、みたい」

「確かにそうかもな」

確かに音の爆弾って感じだ。
だって耳に防音の魔力を纏わせてるのに観客達の声がヤバいぐらい大きいって解かるし。

そんで、目の前の二人が本日戦う二組目の相手か。

一匹狼的な雰囲気を放ってるクールな奴にちょっと気が弱そうな雰囲気がモロ出ているゆるふわな女の子。
クールな鋭い刃物系のイケメンはある程度戦えそうにみえるけど、相棒の女の子はちゃんと戦えるのか?

「よろしく」

「あぁ……悪いが、戦う前に一つ聞いて良いか」

「? 別に構わないけど」

「そうか、なら……一つ訊く。お前は今日、何を主体にして戦う」

……えっ、それを戦う前に訊くのか?
もしかして俺を同様させるための作戦か? でも、そんな事を考える様な見た目はして無いし……いや、それは俺が侮り過ぎなだけか?

「……一応、体術とこいつを使って戦うつもりだ」

腰に帯剣しているアブストラクトを叩き、接近戦で戦うことを伝える。
するとクールイケメンは楽しそうに口端を吊り上げた、

「そうか、それは有難いな……ラガス・リゼード、俺の全てをぶつけさせてもらう」

な、なんかよく分からないけど、クールな雰囲気のわりには随分と熱い奴みたいだな。
まぁ……そういう相手は嫌いじゃない。寧ろちょっと楽しみだ。

「そうか……なら俺も相応の力で戦う」

「そうしてくれ……つまらない真似はすんなよ」

カッコ良く締めて開始位置に戻るクールな鋭い刃物系イケメン……ちゃんと礼儀がある一匹オオカミヤンキーって感じか?
その相棒がゆるふわで気が弱そうな女の子……アンバランスなタッグだな。

「ねぇ」

「なに?」

「モテモテ、だね」

「……いや、別に野郎にモテても嬉しくないんだけど」

だからって待ったく関係無い女の子からモテても大して気にならないけど。
でも……良い感じに熱くなりそうだな。

「そう、でも……あの人、結構強そうだから、私が戦いたい……かな」

「あぁ~~~、その気持ちは解らなくもないけど、それは駄目だ。今回は俺を指名してきたからな。でも、次の接近戦担当の相手はセルシアが戦って良いよ」

「ありがとう。それじゃ……あっちの女の子を、倒すね」

「おう、俺はあっちのクールな鋭い刃物系イケメンを倒す」

今回もダブルスだけど内容はシングルスって戦いになるだろうな。
でも……今回はそれで良い。

良い意味で熱い闘志をぶつけてくる相手だ、こっちも楽しませて貰うぞ。

「それでは……始め!!!!」

審判の合図と共に先ずはセルシアが魔弾とサンダーボールを使って攻め始めた。
やっぱりライトニングボールは威力が高いから普通は使わないよな。あの時は結構ピリピリしていたから使ってたのか?

「さて、俺はお前と一騎打ちな訳だが……うん、一応訊くけど助けなくて良いのか?」

多分婚約者……だよな? 気が合うからこのダブルスに出たってイメージは無いし。
それなら助けるのが男として当然……とは言わないけど、もうちょい心配そうな顔するもんじゃないのか?

「あいつも自信が傷付く覚悟があってこの場に立っている。というか……お前らが基本的に珍しいんだ。二人共接近、遠距離戦が行える。そんなタッグはそうそういない」

そういうものなのか?
両方とも極めようとすれば中途半端になるからって考えから、偏るかもしれないが一つを極めようとするのかもな。

「俺は……お前とセルシア・ロウレットの戦いを観て胸が熱くなった。お前達と……タイマンで戦いたいと思った」

「……なるほどね。で、今回の狙いは俺って訳か」

「そういう事になるな。セルシア・ロウレットと戦いというという思いはあるが、それでもあの勝負に勝ったのはお前だ。ただ……それだけじゃない」

そこからクールな鋭い刃物系イケメン、クロウザ・バレアントの体から闘気が溢れ出す。
多分無意識だろうな。でも、無意識だからこそ……その闘気が、闘志が本物で本気だということが解かる、伝わる。

「お前は俺よりも、セルシア・ロウレットよりも遥か高みに立っている。そんなお前に……俺の全力をぶつけたいと心の底から思った」

闘気だけじゃない、魔力も体が溢れ出す……こいつ、超バトルジャンキーなのか?
だろうな、絶対そうだと思う……なら、きっちりその熱い闘志に応えてやらないとな。
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