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俺と他の差
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「・・・・・・まぁ、悪くは無いんじゃないですか」
「なるほど。あまり評価は悪く無いと」
大会に出てくる生徒達は基本的に才能がある。そして一定ライン以上の努力は積んでいる。
後、武器は親が買ったであろう良い武器を使ってたから、そりゃクソ雑魚だろという印象を持つ相手はいなかった。
「というか、しょぼい奴は大火に出られじゃないですか、そもそもな話。それで、全員が全員ある程度強いのかといえば……そんな事は無いですけど」
「君からすれば三年生も大したこと無いだろうからね」
「いや、三年生はある程度経験積んでるなってイメージがありますよ。一応試合は全部見てたんで、流石に自分達より二つ歳上なだけあるなと」
「ラガス君にしては結構高評価だね」
そりゃ三年生だからある程度強くなってるのは当然だろ。
寧ろ自分の長所を逃せてなかったら真面目に何やってたんだよって話だ。
「別にそんなこと無いと思いますけど……まぁ、一年生に関しては基本的に誰も経験が足りなかったと思います」
「……それは実戦経験ということかな」
「そうですね。モンスターとの実戦経験があれば色々と変わるところはあるかと」
「確かに的確な理由だね。でも、他の家のことはあまり知らないけど、大半の貴族の子息は入学前にモンスターと戦うという実戦経験は積んでいると思うけど……そこのところはどうかな?」
へ~~~……まぁ、副騎士団長がそう言うんだからそうなんだろうな。
ただ、それは思っている実戦経験とは違う。
「その人達は、本当の意味で実戦を経験したんですか?」
「本当の意味で……あぁ~。なるほど、そういうことか。確かに殆どの子供達には安全が保障されているだろうね」
「自分もそう思います。まぁ、基本的にそれが当たり前だと思いますけど。でも、それだと本当の実戦経験にはならない。心のどこかで自分が怪我を負うことは、死ぬことは無いって思ってしまってるから。そうなると、相手に向ける本当の意味での殺気も出せないかもしれませんね」
「・・・・・・君は本当に深く考えているね」
別にそんなつもりは……あるかもしれないな。
傲慢な貴族が平民に向かって威圧的な態度で「殺すぞ」と言う。
その時、平民が感じる傲慢な貴族からは殺気を感じるかもしれない。
ただ、俺達からすればそんなものは殺気じゃ無い。生まれつき天然でそういうのを発せられる人はいるかもしれないけど。
本当の殺気は生死を賭けた、お互いの刃が心臓に届く、そんな感覚を覚えた殺し合いを超えた人にしか出せない。
「俺は戦うことが嫌いじゃ無いですからね。戦いに考える事はまぁ……好きですよ」
「そうか。それじゃあ……君と君のパートナー以外の差は何かな?」
……なんか今日は随分と訊いて来るな。
別に俺も副騎士団長と話すのは嫌いじゃないから良いんだけど。
ただ、俺とセルシア以外の生徒との差、か・・・・・・また答えに悩む質問だな。
「……まぁ、単純な実力差は当然の理由かと」
「そうだね。一人は雷魔法とその魔力を複合させた剣技を操る魔法剣士、方や基本属性の魔法は習得していないが魔弾という基本技を極限まで高めた技と接近戦でも十分に戦える剣技と格闘技を持つオールラウンダー。そんな二人と並べる一年生は高くを含めてもいないと思うよ」
「そうかもしれませんね。それと、もう一つの理由は今副騎士団長さんが言った事ですよ」
「……オールラウンダーってことかな」
「そうです。俺とセルシアの強みの一つは遠距離戦、接近戦のどちらも行えることです」
「なるほど、確かにそれは大きな強みだね。でも、中途半端になるのも良くないと思うけどね」
それは確かにそうだ。中途半端な技術程扱いに困るものは無い。
自分は両方とも出来る、それが過剰な自信を生むかもしれない。
そう考えたら中途半端な技術は寿命を縮める原因になる。
「ただ、女学院のイーリス・リザードみたいに一つだけ尖っていたとしても、俺みたいなスピードタイプの接近戦が得意な人には多分負けますよ。威力が高く、範囲が広い魔法が使えたとしても、それを放つには詠唱が必要。だからそれは盾となってくれる人物がいて初めて実戦で使える魔法……今回みたいな一対一の勝負では不利ですよ」
「彼女は無詠唱も使えるけど……そこは戦力として入れないのかい?」
「無詠唱で使えるのはボール系とランス系とかせいぜい中級までの話ですよね。それなら魔弾で十分ですよ。向こうの威力が高くても、それを少し崩せば良いんですから」
「……あれだよね、ラガス君は他の子達と比べて考え方が完全に進んでるよね。その辺りも差の一つかな」
あぁ……確かにそうかもな。精神年齢だけを考えれば俺はおっさんな訳だし……前世で実戦の経験とか全く無かったけど、考えるって行動は幼い頃から他の事比べて続けてきたからな。
「うん、なんとなく君と他の子との差が解って来たよ。まっ、解かったところでその差を覆せるかはまた別だけどね」
「でしょうね」
俺は転生者だからガキの頃に腐るほど自分の将来や戦いに錬金術に関して考えることが出来たけど、普通に子供には絶対に無理だ。
「夜遅くにお邪魔して悪かったね」
「いいえ、副騎士団長さんと話すのはそこそこ楽しかったんで」
「そう言ってくれると嬉しいよ……次のダブルスも、君の……君達の優勝を期待しても良いかな?」
「賭けに全財産を突っ込んでも良いですよ」
もしかしたらシングルスの結果を見て、賭け金の限度額が決まってるかもしれないけどな。
「なるほど。あまり評価は悪く無いと」
大会に出てくる生徒達は基本的に才能がある。そして一定ライン以上の努力は積んでいる。
後、武器は親が買ったであろう良い武器を使ってたから、そりゃクソ雑魚だろという印象を持つ相手はいなかった。
「というか、しょぼい奴は大火に出られじゃないですか、そもそもな話。それで、全員が全員ある程度強いのかといえば……そんな事は無いですけど」
「君からすれば三年生も大したこと無いだろうからね」
「いや、三年生はある程度経験積んでるなってイメージがありますよ。一応試合は全部見てたんで、流石に自分達より二つ歳上なだけあるなと」
「ラガス君にしては結構高評価だね」
そりゃ三年生だからある程度強くなってるのは当然だろ。
寧ろ自分の長所を逃せてなかったら真面目に何やってたんだよって話だ。
「別にそんなこと無いと思いますけど……まぁ、一年生に関しては基本的に誰も経験が足りなかったと思います」
「……それは実戦経験ということかな」
「そうですね。モンスターとの実戦経験があれば色々と変わるところはあるかと」
「確かに的確な理由だね。でも、他の家のことはあまり知らないけど、大半の貴族の子息は入学前にモンスターと戦うという実戦経験は積んでいると思うけど……そこのところはどうかな?」
へ~~~……まぁ、副騎士団長がそう言うんだからそうなんだろうな。
ただ、それは思っている実戦経験とは違う。
「その人達は、本当の意味で実戦を経験したんですか?」
「本当の意味で……あぁ~。なるほど、そういうことか。確かに殆どの子供達には安全が保障されているだろうね」
「自分もそう思います。まぁ、基本的にそれが当たり前だと思いますけど。でも、それだと本当の実戦経験にはならない。心のどこかで自分が怪我を負うことは、死ぬことは無いって思ってしまってるから。そうなると、相手に向ける本当の意味での殺気も出せないかもしれませんね」
「・・・・・・君は本当に深く考えているね」
別にそんなつもりは……あるかもしれないな。
傲慢な貴族が平民に向かって威圧的な態度で「殺すぞ」と言う。
その時、平民が感じる傲慢な貴族からは殺気を感じるかもしれない。
ただ、俺達からすればそんなものは殺気じゃ無い。生まれつき天然でそういうのを発せられる人はいるかもしれないけど。
本当の殺気は生死を賭けた、お互いの刃が心臓に届く、そんな感覚を覚えた殺し合いを超えた人にしか出せない。
「俺は戦うことが嫌いじゃ無いですからね。戦いに考える事はまぁ……好きですよ」
「そうか。それじゃあ……君と君のパートナー以外の差は何かな?」
……なんか今日は随分と訊いて来るな。
別に俺も副騎士団長と話すのは嫌いじゃないから良いんだけど。
ただ、俺とセルシア以外の生徒との差、か・・・・・・また答えに悩む質問だな。
「……まぁ、単純な実力差は当然の理由かと」
「そうだね。一人は雷魔法とその魔力を複合させた剣技を操る魔法剣士、方や基本属性の魔法は習得していないが魔弾という基本技を極限まで高めた技と接近戦でも十分に戦える剣技と格闘技を持つオールラウンダー。そんな二人と並べる一年生は高くを含めてもいないと思うよ」
「そうかもしれませんね。それと、もう一つの理由は今副騎士団長さんが言った事ですよ」
「……オールラウンダーってことかな」
「そうです。俺とセルシアの強みの一つは遠距離戦、接近戦のどちらも行えることです」
「なるほど、確かにそれは大きな強みだね。でも、中途半端になるのも良くないと思うけどね」
それは確かにそうだ。中途半端な技術程扱いに困るものは無い。
自分は両方とも出来る、それが過剰な自信を生むかもしれない。
そう考えたら中途半端な技術は寿命を縮める原因になる。
「ただ、女学院のイーリス・リザードみたいに一つだけ尖っていたとしても、俺みたいなスピードタイプの接近戦が得意な人には多分負けますよ。威力が高く、範囲が広い魔法が使えたとしても、それを放つには詠唱が必要。だからそれは盾となってくれる人物がいて初めて実戦で使える魔法……今回みたいな一対一の勝負では不利ですよ」
「彼女は無詠唱も使えるけど……そこは戦力として入れないのかい?」
「無詠唱で使えるのはボール系とランス系とかせいぜい中級までの話ですよね。それなら魔弾で十分ですよ。向こうの威力が高くても、それを少し崩せば良いんですから」
「……あれだよね、ラガス君は他の子達と比べて考え方が完全に進んでるよね。その辺りも差の一つかな」
あぁ……確かにそうかもな。精神年齢だけを考えれば俺はおっさんな訳だし……前世で実戦の経験とか全く無かったけど、考えるって行動は幼い頃から他の事比べて続けてきたからな。
「うん、なんとなく君と他の子との差が解って来たよ。まっ、解かったところでその差を覆せるかはまた別だけどね」
「でしょうね」
俺は転生者だからガキの頃に腐るほど自分の将来や戦いに錬金術に関して考えることが出来たけど、普通に子供には絶対に無理だ。
「夜遅くにお邪魔して悪かったね」
「いいえ、副騎士団長さんと話すのはそこそこ楽しかったんで」
「そう言ってくれると嬉しいよ……次のダブルスも、君の……君達の優勝を期待しても良いかな?」
「賭けに全財産を突っ込んでも良いですよ」
もしかしたらシングルスの結果を見て、賭け金の限度額が決まってるかもしれないけどな。
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