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疑われるかもしれない
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「明日はラガス君の番だけど、自信のほどはいかがかな?」
「……副騎士団長さんは俺の実力を解ってるので正直に言いますけど、個人とダブルスは負けるつもりは一切無いです」
既に自分の実力を解っている人に嘘を付いても無駄なので、正直に思っている事を伝える。
「うん、自信満々だね。確かにラガス君は底が知れない力を持っている。それを考えると……同年代の子たちは当然の様に、三年生であっても勝てる人はいなだろうね」
「ありがとうございます。ただ、自分程戦闘経験が多い学生もあまりいないかと。個人が持つ才も重要ですが、戦闘経験の有無でも大きく力の差は変わるかと」
「そうだね。正しい考えだ。戦闘経験の多さ、実戦の有無……それだけで個人の実力は本番に変動することがある」
どうやら本当に俺が優勝すると思ってくれているみたいだな。
レグラードさんの前では大した手札は見せていないんだけど……まっ、実力者ならある程度は解ってしまうものか。
「それで、今日の二人の様に瞬殺はしないのかい?」
「まぁ……そうですね。丁度良い小遣い稼ぎになりますから」
明日行われる大会でも賭けは行われる。
今日の大会でもある程度儲けたが、まだまだ儲けるつもりだ。
まだ世の中では俺がセルシアのパートナーということしか広まっていない筈。つまり俺の強さは広まっていない。
いや、大会に出られる時点である程度の実力はあると思われてしまうか?
ん~~~……まっ、そこまで他の学生と比べて差があるとは思われていないだろう。
「そうかもしれないね。なら僕も少し賭けさせてもらおうかな」
「……あんまり大金を賭けるとちょっとした問題になりそうですし、大胆な事はしないでくださいね」
「はっはっは、解ってるよ」
分かってくれてるな良いけど……でも、俺が勝ち続けたらもしかしたら八百長なのではと思う人が現れてもおかしく無いか?
貴族はそういった事を妄想するのが好きそうだしな。
「なにか不安そうな顔をしているね」
「顔に出てましたか?」
「ちょっとね。解決出来るかどうかは分からないけど、相談になら乗るよ」
「えっと……明日からの大会で俺が勝ち続けたら八百長じゃないかって言いだす人が現れるかもしれないと思って」
「あぁ~~~、確かに一定数そういった事を言い出す者達は現れるだろうね」
やっぱりか。どんなに俺が勝負に勝ち続けても俺の見た目が変わる訳じゃ無い。
自分の見た目が強そうな見た目をしていないという自覚はある。だから結果が真実だと認めない客が現れるのは仕方ないと思う。当然ムカつきはするけど。
ただ、それが原因で絡んでくるような人が現れると思うと……それは面倒なんだよな。
「でも、そこは安心して良いんじゃないかな。だって君のパートナーはセルシア・ロウレットだよ。その父であるロウレット公爵の権力は君が思っているよりも大きい。だからそこまで心配する必要は無いよ」
「そ、そうですか」
た、確かにそうか。公爵家だもんなぁ……うん、それを考えるとそこまで心配しなくても良いかと思えてきた。
「僕の立場上、あまり誰かに肩入れするのは良く無いのだけど、心の中でこっそり応援させてもらうよ」
「ありがとうございます。相手にもよりますが、見応えのある試合にしますよ」
「ふっふっふ、楽しみにしてるよ」
レグラードさんは俺との会話に満足してくれたのか、ご機嫌な様子で部屋から出ていった。
特に緊張するような会話内容でも無かったのだが、精神的に少し疲れたのでベットにダイブする。
「公爵家ってのは一つじゃ無いんだし、もしかしたらある程度腕のある奴と戦うかもな。でも、セルシアの実力は十分知ってるし、トーナメントでお互いに決勝で合う位置なら、相手は絶対にセルシアだろうな」
個人で戦う連中は全員一年生な訳だし……セルシアより強い一年生ってのは想像出来ないな。
貴族の世界に疎い俺だからしらない情報は多いけど……でも、相手が誰であれ勝てばいい話か。
「……副騎士団長さんは俺の実力を解ってるので正直に言いますけど、個人とダブルスは負けるつもりは一切無いです」
既に自分の実力を解っている人に嘘を付いても無駄なので、正直に思っている事を伝える。
「うん、自信満々だね。確かにラガス君は底が知れない力を持っている。それを考えると……同年代の子たちは当然の様に、三年生であっても勝てる人はいなだろうね」
「ありがとうございます。ただ、自分程戦闘経験が多い学生もあまりいないかと。個人が持つ才も重要ですが、戦闘経験の有無でも大きく力の差は変わるかと」
「そうだね。正しい考えだ。戦闘経験の多さ、実戦の有無……それだけで個人の実力は本番に変動することがある」
どうやら本当に俺が優勝すると思ってくれているみたいだな。
レグラードさんの前では大した手札は見せていないんだけど……まっ、実力者ならある程度は解ってしまうものか。
「それで、今日の二人の様に瞬殺はしないのかい?」
「まぁ……そうですね。丁度良い小遣い稼ぎになりますから」
明日行われる大会でも賭けは行われる。
今日の大会でもある程度儲けたが、まだまだ儲けるつもりだ。
まだ世の中では俺がセルシアのパートナーということしか広まっていない筈。つまり俺の強さは広まっていない。
いや、大会に出られる時点である程度の実力はあると思われてしまうか?
ん~~~……まっ、そこまで他の学生と比べて差があるとは思われていないだろう。
「そうかもしれないね。なら僕も少し賭けさせてもらおうかな」
「……あんまり大金を賭けるとちょっとした問題になりそうですし、大胆な事はしないでくださいね」
「はっはっは、解ってるよ」
分かってくれてるな良いけど……でも、俺が勝ち続けたらもしかしたら八百長なのではと思う人が現れてもおかしく無いか?
貴族はそういった事を妄想するのが好きそうだしな。
「なにか不安そうな顔をしているね」
「顔に出てましたか?」
「ちょっとね。解決出来るかどうかは分からないけど、相談になら乗るよ」
「えっと……明日からの大会で俺が勝ち続けたら八百長じゃないかって言いだす人が現れるかもしれないと思って」
「あぁ~~~、確かに一定数そういった事を言い出す者達は現れるだろうね」
やっぱりか。どんなに俺が勝負に勝ち続けても俺の見た目が変わる訳じゃ無い。
自分の見た目が強そうな見た目をしていないという自覚はある。だから結果が真実だと認めない客が現れるのは仕方ないと思う。当然ムカつきはするけど。
ただ、それが原因で絡んでくるような人が現れると思うと……それは面倒なんだよな。
「でも、そこは安心して良いんじゃないかな。だって君のパートナーはセルシア・ロウレットだよ。その父であるロウレット公爵の権力は君が思っているよりも大きい。だからそこまで心配する必要は無いよ」
「そ、そうですか」
た、確かにそうか。公爵家だもんなぁ……うん、それを考えるとそこまで心配しなくても良いかと思えてきた。
「僕の立場上、あまり誰かに肩入れするのは良く無いのだけど、心の中でこっそり応援させてもらうよ」
「ありがとうございます。相手にもよりますが、見応えのある試合にしますよ」
「ふっふっふ、楽しみにしてるよ」
レグラードさんは俺との会話に満足してくれたのか、ご機嫌な様子で部屋から出ていった。
特に緊張するような会話内容でも無かったのだが、精神的に少し疲れたのでベットにダイブする。
「公爵家ってのは一つじゃ無いんだし、もしかしたらある程度腕のある奴と戦うかもな。でも、セルシアの実力は十分知ってるし、トーナメントでお互いに決勝で合う位置なら、相手は絶対にセルシアだろうな」
個人で戦う連中は全員一年生な訳だし……セルシアより強い一年生ってのは想像出来ないな。
貴族の世界に疎い俺だからしらない情報は多いけど……でも、相手が誰であれ勝てばいい話か。
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