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まずは褒めること

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待ち合わせの場所にやって来たシェリー、ルナ、エリス。
三人の服装は当たり前だが、いつものメイド服とは違った。

各々が自分に似合う服を着て来たのだろう。
三人とも顔に自信が溢れている。

「お待たせしました。早く来たつもりでしたけど、三人ともお早いんですね」

「へっへっへ、男が女を待たせる訳にはいかないからな」

「……まぁ、そういうことだ」

あっ、デイビスがちょっと機嫌悪くなった。
もしかして今のマックの発言が良く無かったのか?

「それにしても、やっぱり私服というのは新鮮だな。三人とも綺麗だよ」

「お、俺も似あってて綺麗だと思うぞ!! やっぱり私服だといつもとは違う良さが出るよな」

「ありがとね! そう言ってくれるとしっかりと選んできた甲斐があるよ」

ルナでもそういう気持ちはあるんだな。
いつもは男勝りなルナも今日はなんだか女らしさが出てるし、言葉通りしっかりと選んできたんだろうな。

「……シュラ、お前も何か三人の服装を褒めるんだ。マナーだぞ」

「そ、そうなのか?」

小声でアドバイスしてくれたデイビス。
こういった事はあんまり無いからいまいち分からないな。

ラガスさんなら経験は無くても知識は持ってそうだからなんかアドバイスを貰っておけば良かった。

「・・・・・・」

じっくりと三人の服装を見るが、やっぱりいつものメイド服と違う。それだけで新鮮さがある。
それだけじゃ無くて、三人とも自分達に合う服を着てるからか、女性らしさが増しているな。

「三人ともに合ってると思うぞ」

「そ、そうですか。ありがとうございます」

「ははっ、シュラは褒め方がストレートだな」

「そ、そうだね。……ちょ、ちょっと恥ずかしいかな」

三人とも俺から目を逸らして答える。もしかして俺は何かミスをしたのか?
やはり初めてだと色々慣れないな。

いや、デイビスだってこういうのに良く参加するタイプでは無いし、やっぱり知識の差か。

三人に聞こえない様に小声で何か間違ったかをデイビスに尋ねる。

「な、なぁデイビス。なんか間違った事を言ってしまったか??」

「・・・・・・いや、そういう訳では無いだろう。単にお前がじっくりと彼女達の服装を見たことで恥ずかしさを感じたのだろう」

「そ、それってやっぱりミスじゃないのか?」

「安心しろ。お前は何もミスはしてない……もしかすれば、痛恨の一撃を決めただけだ」

「えっ!? それって寧ろ駄目なんじゃないのか!!??」

「問題は無いから気にするな。それよりそろそろ場所を移す。あんまりオロオロするなよ」

「わ、分かった」

問題では無いけど、痛恨の一撃決めてしまったって・・・・・・完全にアウトな気がするんだが。
でもデイビスが気にしなくても良いと言ってるんだし……そうだな、オロオロするのだけ止めよう。

SIDE デイビス

やはりシュラはこういった遊びというか交流は初めてか。
あまりシュラの主人が他家のご子息やご令嬢と交流があるという話は聞かなかったから。

他の執事やメイドともあまり交流が無かったのだろう。
だが……それ故に、慣れてないからこそ先程の一言は女性陣にグサッと刺さったのだろう。

じっくりと彼女達に服を見たうえで、シンプルに似合っているぞと一言。
褒め言葉としては私やマックと比べれべてよりシンプルな褒め言葉だが、だからこそ刺さった一言か。

俺もマックもお世辞で褒め言葉を述べたつもりはない。
だが、こういった場に慣れていなさそうなシュラだからこそ彼女達に、女心に良い一撃を入れた。

それと、やはり褒めた時の笑顔の差もあるのだろうな。
俺はやはり作り笑いが先に出てしまう。それが悪いと俺は思っていないが、女性が解かるのか、どう感じるのかはまた別の話。

そしてマックは……欲情が丸出しになっているような顔はしていなかったと思うが、やはりしょうしょうデレっとした表情になっていた。
それはそれで女性からすれば自分の事を意識してくれているのかと思うかもしれないが、マックがその対象に当てはまるかどうか……難しいところだな。

マック、どこかで良い所を見せないとシュラの純粋さに全て持ってかれるかもしれないぞ。
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