万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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大雑把過ぎる

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「おい、なめてんじゃねーぞクソガキ。お前みたいなチビが俺らの相手になる訳無いだろ」

「はぁーーーー……なぁ、それ以上俺の執事やメイドを煽んのやめてくれないかなぁ」

まぁ、狙って言ってる気はしないんだけど。
というか、仮にもこの人数差で勝てると思ってるなら随分と頭の中はお花畑みたいだな。

もしかして、自分がハンターとして活動しているのがそこまで自信を与えてしまってるのか?

「御託や言い訳はいらないから、さっさと掛かってこいド素人共」

「・・・・・・ぶっ殺す!!!!」

「手加減はしない」

大剣と槍が相手。ただ、二人共スピードがおっそい。
……視た感じ、身体強化のアビリティは持ってるみたいだな。でも、それを使ってない。
嘗めてんのはどっちだって話だ。

「おいおい、お前ら俺に攻撃を一切当てる気が無いのか?」

「ざ、っけんな! んの野郎!!!!」

「くっ、ちょこまかと!!」

……やっぱり攻撃が大雑把だな。本当に攻撃が読みやすい。
もしかしてギルドで対人戦の訓練とか受けて無いのか?

モンスターが相手なら個体によるけど、大雑把な攻撃で倒せるかもしれないけど、そんなんじゃいつか絶対に限界が来る。

とんでもない肉体強化アビリティを持ってるとか、先天的に体の構造がヤバいとかなら話は別だけど……この二人からはそんな様子は感じられない。

突きを避けて前蹴り、真上からの振り下ろしをサイドステップで躱して左ボディをかまして吹っ飛ばす。

「がっ!!??」

「うッ!!??」

あぁーーー、やっぱり元々の身体能力に差があるみたいだな。
良い肝心にフワッと飛んじゃったよ。

「お前らさぁ……自分から喧嘩売っといて手加減するとかどういうつもりだよ。手加減はしないとかほざいてたよな」

そんな驚いた顔をするって事は、本当に身体強化を使って無かったのか。
本当にそれを使わずに俺に勝てると思ってたって訳か……訓練を積み重なてる貴族を嘗め過ぎだろ。

その程度じゃ、別に俺じゃなくても負けるっての。

「それ以上嘗めた態度を取るなら腕や足の一本を覚悟してもらうぞ」

その一言でようやく二人はマジになったのか、身体強化のスキルを使い始めた。
しかし周囲に気を使ってか、大剣技や槍技の技は使わなない。

メリル達の方は急に飛んで来ても問題無いように思えるけど、向こうのパーティーメンバーは対処出来ないのかもな。

身体強化を使ってるからさっきよりは動きが速くなってる。
力も強くなってる……でも、動きが直線的なのは変わらないな。

「もう良いや」

スピードを一気に上げ、二人から武器を奪い取って背後から刃を着きつける。

「ホールドアップ……なんてね。とりあえず、これで俺がお前らより強いって証明は十分だよな」

「・・・・・・クソッ!!!!」

大声を出して悔しがってるけど、抵抗して来ないって事はそういう事で良いんだよな。

「ハンターとして実力を上げたいなら、もっと対人戦と相手の実力を見極める目を鍛えろ。でなけりゃ三流で終わるぞ。それと、そいつを拾うか拾わないかはお前らの自由だ。いらないならそのまま放置して良いぞ」

今日倒したうちの半分ぐらいのモンスターの魔核を地面に放り投げ、その場を離れる。

「ラガス坊ちゃま、あのような者達に施しを与える必要は無かったと思います」

「自分も同感っす。あの糞共が……」

「顔が怖いぞシュラ。別に俺はもうなんとも思って無いから気にすんな」

多少イラっとしたことは認めるけど、でもやっぱり所詮はハンターになって一年経つか経たないかの素人だ。
あんまりイジメるの可哀そうだ。

「ラガスは、やっぱり優しい、ね」

「……別に善意だけって訳じゃ無いよ」

もしあいつらが内容を脚色してギルドの上の人に伝えて、学園の上層部にそれが伝わったらもしかしたら面倒な事に発展するかもしれない。

いや、今回みたいな事だったらそこまで大きくならないか? 
・・・・・・いやいやいや、可能性はゼロじゃない。用心しておくのにこしたことはない。

「それより、まだ明るいし狩りを続けるか?」

「僕はもう少し続けたいかな」

「私も、もう少し狩りたい、かな」

うし、そんじゃもう少し探そう。
今度はDランクぐらいの奴が現れると嬉しいな。
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