208 / 968
目の前に集中
しおりを挟む
「浮かない顔してるねラガス」
「そういうロックスは楽しそうだな」
「ほんの少しだけど自分が強くなってるって実感があるからね。ラガスは……やっぱり面倒事で悩んでるのかな?」
面倒事・・・・・・いや、面倒事と言ってしまうのはサルネさんに失礼だな。
「普通は羨ましい内容なんだと思う。ただ、俺にとっては困るって言う方が正しいか」
これからセルシアとロックス達と訓練を行った訓練室でサルネさんとの模擬戦を行う。
「ラガスの力でも解決するのは難しいって感じみたいだね」
「そうだなぁ……結果的に解決出来る内容では無いからな」
体術ではクレア姉さんより上。それにアリクが何度も負けている。
俺の方が素の身体能力は高い。でもそれだけで簡単に勝たしてはくれないだろう。
「ふふ、でもちょっと楽しそうな顔をしてるんじゃない?」
「そうか? ・・・・・・そうかもしれないな」
やっぱり、勝負をしてる瞬間は不思議な楽しさがあるからな。
「さて、結果がどうであろうと勝つ」
「さっきより良い顔してるよ」
なんとなく吹っ切れたからな。
顔は狙わないようにするけど、それ以外は手を抜かない。
訓練実に着き、既にギャラリーは揃っている。
メリルやシュラ、セルシア達にレックス先生ともう一人は……分からないな。
そしてクレア姉さん達三年生組。
アリクはいないみたいだな。
というか、俺がサルネさんと模擬戦を行うって話はアリクの奴にも話はいってると思うんだが、何もしてこなかったな。
もしてかしなくても俺がサルネさんに負けるって思ってるから全く接触してこなかったのか。
「あれ、やっぱりちょっと不機嫌?」
「いえ、サルネ先輩のせいではありません」
一応来る前に軽く準備運動はしているから今直ぐに始めても問題は無い。
「お互いに、始めても大丈夫そうだな」
「レックス先生が審判を務めるんですか?」
「おうよ!! こんな面白そうなイベントを俺が見逃すわけ無いだろ」
そりゃどうも。野次馬根性逞しいことで。
「んじゃ、お互い適当に離れて」
適当にって、ゆるゆるやな。
いや、とりあえず今は目の前の戦いにだけ集中しよう。
「・・・・・・始め!!!」
一気に、駆ける!!!
「ふんっ!!!!」
「ッウ!!??」
身体強化のアビリティを使って一気に距離を詰め、掌で吹き飛ばす。
「へ、へへっ!! やっぱり強いね!!!!」
それを難なく腕をクロスしてガードされた。
吹っ飛びはしたが、ダメージはそこまでなしか。
「今度はこっちの番!!!」
向こうも身体強化を使ってきたか。まったく、下手な相手なら頭と首がサヨナラしそうなストレートだ。
「いえいえ、まだ俺の番ですよ」
お互いに蹴りは繰り出さず、拳の応酬が続く。
ジャブを放てば細かいフットワークで躱され、左のボディが飛んでくる。
それを躱して左フックを放つが屈んで回避され、好機だと思って左足で蹴りを放てば屈んだ状態で後ろに飛んで躱される。
「シッ!!!!」
「ッ!!??」
それ出来るのかよ!!!
拳に魔力を纏い、それをパンチの速度で放つ攻撃、拳弾。
そんなもん考える人はそうそういないと思っていたから面食らったぞ。
「お返しです!!!」
「おわっ!!?? 君も、これ出来るんだね!!」
「魔力だけは結構あるんで、ねっ!!!」
接近戦から変わって今度は遠距離戦に変わる。
お互いに拳弾を放ち、それを躱すか相殺してまた拳弾を放つ。
一見ただの魔力の打ち合いに見えるが、拳の速度が乗った魔弾はそう簡単には躱せないし、相殺することも難しい。
なのにそれを難なくやってのけるのは素直に凄いと思う。
でもこの展開は長くは続かない。
「ッ、本当に魔力が多いんだね!」
「毎日使い続けて来たんで人並みよりは多いですよ!!」
種族の問題なんだろうけど、アマゾネスはそこまで魔力の総量が多くない。
だからこういった遠距離戦は長くは続かない。
「やっぱり、遠距離戦は、合わないね!!!!」
今度は闘気を纏っての接近戦か……望むところだ!!!
接近戦なら俺だって得意分野だ。
「ハッハッ!!! 良いね! 有難う!!! 私を格下に見ないでくれて!!!」
「クレア姉さんや、アリクを接近戦で圧勝する相手に、手は抜きませんよ!!!」
こっちも闘気を纏って応戦する。闘気を纏うだけで拳の質が変わる。
それにサルネさんのようなタイプは、闘気を扱う練度も高い筈。
猶更油断出来ないって話だ!!
ストレートも回し蹴りもアッパーも変則蹴りも殺す気で放っていない。
それでも完全に倒す気で繰り出しているが、当たるのもあるが紙一重で躱され、ダメージを流される攻撃が多い。
こっちも幾つか攻撃を貰っているけど、直撃はちょっと洒落ならない。
拳が闘気を纏っている影響もあるんだろうけど、とにかく硬い。
「そういうロックスは楽しそうだな」
「ほんの少しだけど自分が強くなってるって実感があるからね。ラガスは……やっぱり面倒事で悩んでるのかな?」
面倒事・・・・・・いや、面倒事と言ってしまうのはサルネさんに失礼だな。
「普通は羨ましい内容なんだと思う。ただ、俺にとっては困るって言う方が正しいか」
これからセルシアとロックス達と訓練を行った訓練室でサルネさんとの模擬戦を行う。
「ラガスの力でも解決するのは難しいって感じみたいだね」
「そうだなぁ……結果的に解決出来る内容では無いからな」
体術ではクレア姉さんより上。それにアリクが何度も負けている。
俺の方が素の身体能力は高い。でもそれだけで簡単に勝たしてはくれないだろう。
「ふふ、でもちょっと楽しそうな顔をしてるんじゃない?」
「そうか? ・・・・・・そうかもしれないな」
やっぱり、勝負をしてる瞬間は不思議な楽しさがあるからな。
「さて、結果がどうであろうと勝つ」
「さっきより良い顔してるよ」
なんとなく吹っ切れたからな。
顔は狙わないようにするけど、それ以外は手を抜かない。
訓練実に着き、既にギャラリーは揃っている。
メリルやシュラ、セルシア達にレックス先生ともう一人は……分からないな。
そしてクレア姉さん達三年生組。
アリクはいないみたいだな。
というか、俺がサルネさんと模擬戦を行うって話はアリクの奴にも話はいってると思うんだが、何もしてこなかったな。
もしてかしなくても俺がサルネさんに負けるって思ってるから全く接触してこなかったのか。
「あれ、やっぱりちょっと不機嫌?」
「いえ、サルネ先輩のせいではありません」
一応来る前に軽く準備運動はしているから今直ぐに始めても問題は無い。
「お互いに、始めても大丈夫そうだな」
「レックス先生が審判を務めるんですか?」
「おうよ!! こんな面白そうなイベントを俺が見逃すわけ無いだろ」
そりゃどうも。野次馬根性逞しいことで。
「んじゃ、お互い適当に離れて」
適当にって、ゆるゆるやな。
いや、とりあえず今は目の前の戦いにだけ集中しよう。
「・・・・・・始め!!!」
一気に、駆ける!!!
「ふんっ!!!!」
「ッウ!!??」
身体強化のアビリティを使って一気に距離を詰め、掌で吹き飛ばす。
「へ、へへっ!! やっぱり強いね!!!!」
それを難なく腕をクロスしてガードされた。
吹っ飛びはしたが、ダメージはそこまでなしか。
「今度はこっちの番!!!」
向こうも身体強化を使ってきたか。まったく、下手な相手なら頭と首がサヨナラしそうなストレートだ。
「いえいえ、まだ俺の番ですよ」
お互いに蹴りは繰り出さず、拳の応酬が続く。
ジャブを放てば細かいフットワークで躱され、左のボディが飛んでくる。
それを躱して左フックを放つが屈んで回避され、好機だと思って左足で蹴りを放てば屈んだ状態で後ろに飛んで躱される。
「シッ!!!!」
「ッ!!??」
それ出来るのかよ!!!
拳に魔力を纏い、それをパンチの速度で放つ攻撃、拳弾。
そんなもん考える人はそうそういないと思っていたから面食らったぞ。
「お返しです!!!」
「おわっ!!?? 君も、これ出来るんだね!!」
「魔力だけは結構あるんで、ねっ!!!」
接近戦から変わって今度は遠距離戦に変わる。
お互いに拳弾を放ち、それを躱すか相殺してまた拳弾を放つ。
一見ただの魔力の打ち合いに見えるが、拳の速度が乗った魔弾はそう簡単には躱せないし、相殺することも難しい。
なのにそれを難なくやってのけるのは素直に凄いと思う。
でもこの展開は長くは続かない。
「ッ、本当に魔力が多いんだね!」
「毎日使い続けて来たんで人並みよりは多いですよ!!」
種族の問題なんだろうけど、アマゾネスはそこまで魔力の総量が多くない。
だからこういった遠距離戦は長くは続かない。
「やっぱり、遠距離戦は、合わないね!!!!」
今度は闘気を纏っての接近戦か……望むところだ!!!
接近戦なら俺だって得意分野だ。
「ハッハッ!!! 良いね! 有難う!!! 私を格下に見ないでくれて!!!」
「クレア姉さんや、アリクを接近戦で圧勝する相手に、手は抜きませんよ!!!」
こっちも闘気を纏って応戦する。闘気を纏うだけで拳の質が変わる。
それにサルネさんのようなタイプは、闘気を扱う練度も高い筈。
猶更油断出来ないって話だ!!
ストレートも回し蹴りもアッパーも変則蹴りも殺す気で放っていない。
それでも完全に倒す気で繰り出しているが、当たるのもあるが紙一重で躱され、ダメージを流される攻撃が多い。
こっちも幾つか攻撃を貰っているけど、直撃はちょっと洒落ならない。
拳が闘気を纏っている影響もあるんだろうけど、とにかく硬い。
41
お気に入りに追加
3,491
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!
よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
4層世界の最下層、魔物の森で生き残る~生存率0.1%未満の試練~
TOYA
ファンタジー
~完結済み~
「この世界のルールはとても残酷だ。10歳の洗礼の試練は避ける事が出来ないんだ」
この世界で大人になるには、10歳で必ず発生する洗礼の試練で生き残らなければならない。
その試練はこの世界の最下層、魔物の巣窟にたった一人で放り出される残酷な内容だった。
生存率は1%未満。大勢の子供たちは成す術も無く魔物に食い殺されて行く中、
生き延び、帰還する為の魔法を覚えなければならない。
だが……魔法には帰還する為の魔法の更に先が存在した。
それに気がついた主人公、ロフルはその先の魔法を習得すべく
帰還せず魔物の巣窟に残り、奮闘する。
いずれ同じこの地獄へと落ちてくる、妹弟を救うために。
※あらすじは第一章の内容です。
―――
本作品は小説家になろう様 カクヨム様でも連載しております。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる