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令嬢コワ
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「ラビットフット」
獣魔法の中で速度強化の魔法を使い、もう一度シーリアさんの視界から消える。
「ッ!!! まだ速くなるのか!!!!」
俺の速度が上がった事に驚きながらも俺が動いた方向に体を向けようとする。
だが、さっきより反応する速度が遅くなっているな。
そこから数度地を蹴って攪乱。
そして背後に跳んだ瞬間に強く地面を踏みつける。その音から強烈な腰の入った一撃が来ると思いそうな一撃。
案の定、その罠にシーリアさんは引っかかってくれた。
シーリアさんが体を動かすのと同時に跳ぶ。
「これで、俺の勝ちですね」
槍の柄の部分を握って動かないようにし、残った片手で雷弾を指先につくる。
雷特有の音がするのでシーリアさんも後ろから雷系の魔法で攻撃されるって嫌でも解る筈だ。
「はは、確かにそうだな。これでまだ負けていないと言うのは見苦しいというものだ」
そう言いながら俺の事を褒めてくれるが、シーリアさんも持っているアビリティを殆ど使っていないのでこの状況を完全に打破できないという訳では無いだろう。
シーリアさんが最初から全力中の全開で戦っていたらそれこそ俺はもっと手札を晒さなかったら勝てない。
「うんうん。父さんが言っていた通り、基本属性の魔法アビリティが無くても十分に戦えているね。それに、ラガスは体に魔力を纏う事は出来るんだろう?」
「はい。武器にも魔力を纏う事は可能です」
「そうか。それなら学園に通う同級生との戦いに負ける事は無いと思うよ。今のが全力って訳じゃ無いんだし」
学園に通っていた俺の先輩になるカロウス兄さんがそういうなら大丈夫そうか。
「ラガスが学園に入学する年に周りより頭が一つか二つ抜けているのは間違いなくセルシア・ロウレットだ。それ以外にも何人かいるだろうけど、そこまで気にする必要は無いよ」
「そうですか・・・・・・ただ、やっぱり不安な事は一つありますね」
「権力的な話か? それなら私が父様に話して多少の面倒な問題に発展した時は手を貸すように伝えようか?」
「そ、それは有難いです。ただそういった話じゃなくて、不安なのは万一に俺のパートナーがセルシア・ロウレットだった時です」
そこが学園に入学した時にまず起こる面倒事だ。いや、まだ起こるって確定してないけど。
「? それは相手が誰でもという訳では無いが、ソウスケにとってデメリットは無いとは言えないがメリットもある話だと僕は思うけど・・・・・・あっ、なるほど。確かにそれは誰であっても面倒だと感じるね」
「どういう事だカロウス? 面倒事など特に無いと私は思うが」
「もしラガスがセルシア・ロウレットのパートナーになれば、セルシア・ロウレットが元々結んでいた婚約関係が必然的に破棄される。その婚約者の両親はセルシア・ロウレットにパートナーがいるという理由で婚約破棄に納得出来るだろうけど、婚約者だった子は納得できない筈だ」
「あぁ・・・・・・そう、かもしれないな。数度ほどパートナー云々は関係無いが、婚約者から婚約破棄された男子がオーガの様な形相をしていたのを覚えている。私はそこまで頭が良くないから小難しい事は出来ないが、貴族の令嬢の中には頭が良く、交渉の腕が高い物もいる。そういった者達は手札が揃えば後はバレないように事を勧めると聞いた事がある」
・・・・・・何それ、コワ。貴族の令嬢コワ。
そういった頭が良い人達はその元婚約者が絶対に逆恨みで自分を襲うような真似を出来ない様にするんだろうなぁ・・・・・・うん、超怖い。
獣魔法の中で速度強化の魔法を使い、もう一度シーリアさんの視界から消える。
「ッ!!! まだ速くなるのか!!!!」
俺の速度が上がった事に驚きながらも俺が動いた方向に体を向けようとする。
だが、さっきより反応する速度が遅くなっているな。
そこから数度地を蹴って攪乱。
そして背後に跳んだ瞬間に強く地面を踏みつける。その音から強烈な腰の入った一撃が来ると思いそうな一撃。
案の定、その罠にシーリアさんは引っかかってくれた。
シーリアさんが体を動かすのと同時に跳ぶ。
「これで、俺の勝ちですね」
槍の柄の部分を握って動かないようにし、残った片手で雷弾を指先につくる。
雷特有の音がするのでシーリアさんも後ろから雷系の魔法で攻撃されるって嫌でも解る筈だ。
「はは、確かにそうだな。これでまだ負けていないと言うのは見苦しいというものだ」
そう言いながら俺の事を褒めてくれるが、シーリアさんも持っているアビリティを殆ど使っていないのでこの状況を完全に打破できないという訳では無いだろう。
シーリアさんが最初から全力中の全開で戦っていたらそれこそ俺はもっと手札を晒さなかったら勝てない。
「うんうん。父さんが言っていた通り、基本属性の魔法アビリティが無くても十分に戦えているね。それに、ラガスは体に魔力を纏う事は出来るんだろう?」
「はい。武器にも魔力を纏う事は可能です」
「そうか。それなら学園に通う同級生との戦いに負ける事は無いと思うよ。今のが全力って訳じゃ無いんだし」
学園に通っていた俺の先輩になるカロウス兄さんがそういうなら大丈夫そうか。
「ラガスが学園に入学する年に周りより頭が一つか二つ抜けているのは間違いなくセルシア・ロウレットだ。それ以外にも何人かいるだろうけど、そこまで気にする必要は無いよ」
「そうですか・・・・・・ただ、やっぱり不安な事は一つありますね」
「権力的な話か? それなら私が父様に話して多少の面倒な問題に発展した時は手を貸すように伝えようか?」
「そ、それは有難いです。ただそういった話じゃなくて、不安なのは万一に俺のパートナーがセルシア・ロウレットだった時です」
そこが学園に入学した時にまず起こる面倒事だ。いや、まだ起こるって確定してないけど。
「? それは相手が誰でもという訳では無いが、ソウスケにとってデメリットは無いとは言えないがメリットもある話だと僕は思うけど・・・・・・あっ、なるほど。確かにそれは誰であっても面倒だと感じるね」
「どういう事だカロウス? 面倒事など特に無いと私は思うが」
「もしラガスがセルシア・ロウレットのパートナーになれば、セルシア・ロウレットが元々結んでいた婚約関係が必然的に破棄される。その婚約者の両親はセルシア・ロウレットにパートナーがいるという理由で婚約破棄に納得出来るだろうけど、婚約者だった子は納得できない筈だ」
「あぁ・・・・・・そう、かもしれないな。数度ほどパートナー云々は関係無いが、婚約者から婚約破棄された男子がオーガの様な形相をしていたのを覚えている。私はそこまで頭が良くないから小難しい事は出来ないが、貴族の令嬢の中には頭が良く、交渉の腕が高い物もいる。そういった者達は手札が揃えば後はバレないように事を勧めると聞いた事がある」
・・・・・・何それ、コワ。貴族の令嬢コワ。
そういった頭が良い人達はその元婚約者が絶対に逆恨みで自分を襲うような真似を出来ない様にするんだろうなぁ・・・・・・うん、超怖い。
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