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渡す物
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喜劇があってから数日間、そこまで変わる事は無い日々か続いた。
だが俺にとっては有意義な日々だった。
まっ、何が有意義かというとレアースさんとの摸擬戦だ。
何と言うか、お互いあまり怪我をしない様に危ない技は使わない様にしているが、それでも素の身体能力や技術や駆け引きはレアースさんが上なので技術や駆け引きに関しては本当に良い勉強になった。
後、ノエリアさんとの摸擬戦では攻撃魔法をメインに戦う相手に対してどうやって戦うか。
それが良く学べた。接近戦に関して穴がそこまで無いノエリアさんだからこそ得られた経験だろうな。
シュラもレアースさんと戦っている時は中々に良い顔をしていた。
セルシアに関してはやはりここ数日で速さが武器だと確信した。
後はそのスピードで動く中、正確に狙ったところを斬り裂く技術か。
メリルはキリアさんと仲良くなっていた。
同じメイド同士、合うところがあるのだろう。
とりあえず中々楽しい時間を送れた。
「ラガス、とても楽しかった」
言葉は短いが、別れの挨拶として確かに思いが詰まった言葉を伝えてくれた。
「俺も、ここ数日間は楽しかったよ」
「良かった。今度会うのは、学校でだね」
「そうだな・・・・・・セルシア、これを」
俺は今日セルシア達が実家へ帰る日まである物を造っていた。
「あ、ありがとう・・・・・・今、開けても良い?」
「ああ。開けるなら先にこっちの小さい箱から開けてくれ」
デカい方の箱は正直男が女に渡す様なプレゼントじゃないからな。
「これは、イヤリング? 綺麗・・・・・・もしかして、雷がテーマ?」
「セルシアは雷の魔力を好んで使うだろ。だから雷をテーマにして作ったんだ」
雷の園、その中に一つの玉。
そんな感じの見た目だ。正直自分にそこまでセンスがあるとは思っていないから不安だが・・・・・・表情を見る限り、喜んで貰えたって事で良いんだよな。
「有難う。大事に、するね。こっちも、開けて良い?」
「ああ。構わないけど、あまりプレゼントらしい物じゃないからな」
俺がそう伝えるがセルシアは躊躇なく箱を開けた。
「靴? でも、このイヤリングと一緒で、普通の靴じゃない、よね?」
「一応俺が造ったマジックアイテムだ」
「「「「「ッ!!??」」」」」
いや、そんな驚いた顔しなくても良くないか?
だって俺の家系は確かに錬金術を家系ではないけど、俺は四男だから貴族の子息にとってあまり必要だと感じられないアビリティ持っていても可笑しくは無いだろ。
「普通に錬金術のアビリティを習得している貴族の方は珍しいかと思いますよ」
「そういうもんか? つか、サラッと俺の心を読むな」
「私に読唇術の様なアビリティは習得していませんよ。表情に出ていましたので」
前にもこんな事があった気がするんだが。
そこまでポーカーフェイスを崩してはいないと思うが、付合いが無いメリルなら小さい変化で気付くか。
「まぁいい。中に入っている靴に説明が書いてある。良く読んでくれ」
「分った。本当にありがとう、ラガス。この靴も大事にする、ね」
「存分に使い潰してくれ」
戦いの道具だからいずれ寿命が来る。
メンテナンスをすれば伸びるかもしれないが、セルシアの力に合わなくなる日も来るだろう。
それまで使っていてくれれば幸いだ。
そしてセルシアとの別れが済み、俺達は一旦屋敷へ戻る。
「そういえば、シュラから見てバーズはどう変化した?」
「そうですね・・・・・・まぁ、ようやく真面な性格になったといったところでしょうか。精神的な面ではスタートラインに立ったばかりかと」
「なるほど。メリルはどうだ?」
「目から雑念が消えていたかと。これからどういった方向に進むのかは分りませんが、良い方向に行くのではないでしょうか」
二人の眼から見てもバーズは真面に変わったって事か。
セルシアの従者から外されるのはあいつにとって辛い決定事項かもしれないが、そこで折れたり堕ちなければメリルの言う通り良い方向へ進めるだろうな。
だが俺にとっては有意義な日々だった。
まっ、何が有意義かというとレアースさんとの摸擬戦だ。
何と言うか、お互いあまり怪我をしない様に危ない技は使わない様にしているが、それでも素の身体能力や技術や駆け引きはレアースさんが上なので技術や駆け引きに関しては本当に良い勉強になった。
後、ノエリアさんとの摸擬戦では攻撃魔法をメインに戦う相手に対してどうやって戦うか。
それが良く学べた。接近戦に関して穴がそこまで無いノエリアさんだからこそ得られた経験だろうな。
シュラもレアースさんと戦っている時は中々に良い顔をしていた。
セルシアに関してはやはりここ数日で速さが武器だと確信した。
後はそのスピードで動く中、正確に狙ったところを斬り裂く技術か。
メリルはキリアさんと仲良くなっていた。
同じメイド同士、合うところがあるのだろう。
とりあえず中々楽しい時間を送れた。
「ラガス、とても楽しかった」
言葉は短いが、別れの挨拶として確かに思いが詰まった言葉を伝えてくれた。
「俺も、ここ数日間は楽しかったよ」
「良かった。今度会うのは、学校でだね」
「そうだな・・・・・・セルシア、これを」
俺は今日セルシア達が実家へ帰る日まである物を造っていた。
「あ、ありがとう・・・・・・今、開けても良い?」
「ああ。開けるなら先にこっちの小さい箱から開けてくれ」
デカい方の箱は正直男が女に渡す様なプレゼントじゃないからな。
「これは、イヤリング? 綺麗・・・・・・もしかして、雷がテーマ?」
「セルシアは雷の魔力を好んで使うだろ。だから雷をテーマにして作ったんだ」
雷の園、その中に一つの玉。
そんな感じの見た目だ。正直自分にそこまでセンスがあるとは思っていないから不安だが・・・・・・表情を見る限り、喜んで貰えたって事で良いんだよな。
「有難う。大事に、するね。こっちも、開けて良い?」
「ああ。構わないけど、あまりプレゼントらしい物じゃないからな」
俺がそう伝えるがセルシアは躊躇なく箱を開けた。
「靴? でも、このイヤリングと一緒で、普通の靴じゃない、よね?」
「一応俺が造ったマジックアイテムだ」
「「「「「ッ!!??」」」」」
いや、そんな驚いた顔しなくても良くないか?
だって俺の家系は確かに錬金術を家系ではないけど、俺は四男だから貴族の子息にとってあまり必要だと感じられないアビリティ持っていても可笑しくは無いだろ。
「普通に錬金術のアビリティを習得している貴族の方は珍しいかと思いますよ」
「そういうもんか? つか、サラッと俺の心を読むな」
「私に読唇術の様なアビリティは習得していませんよ。表情に出ていましたので」
前にもこんな事があった気がするんだが。
そこまでポーカーフェイスを崩してはいないと思うが、付合いが無いメリルなら小さい変化で気付くか。
「まぁいい。中に入っている靴に説明が書いてある。良く読んでくれ」
「分った。本当にありがとう、ラガス。この靴も大事にする、ね」
「存分に使い潰してくれ」
戦いの道具だからいずれ寿命が来る。
メンテナンスをすれば伸びるかもしれないが、セルシアの力に合わなくなる日も来るだろう。
それまで使っていてくれれば幸いだ。
そしてセルシアとの別れが済み、俺達は一旦屋敷へ戻る。
「そういえば、シュラから見てバーズはどう変化した?」
「そうですね・・・・・・まぁ、ようやく真面な性格になったといったところでしょうか。精神的な面ではスタートラインに立ったばかりかと」
「なるほど。メリルはどうだ?」
「目から雑念が消えていたかと。これからどういった方向に進むのかは分りませんが、良い方向に行くのではないでしょうか」
二人の眼から見てもバーズは真面に変わったって事か。
セルシアの従者から外されるのはあいつにとって辛い決定事項かもしれないが、そこで折れたり堕ちなければメリルの言う通り良い方向へ進めるだろうな。
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