上 下
69 / 968

十分武器になる

しおりを挟む
「・・・・・・若干だけど、読めるまではいかないけど、対策出来る様にはなってるのか?」

「摸擬戦のためミーシャさんの速度が全開ではないとはいえ、ある程度は出来ている気がします」

でもミーシャさんが身体強化のアビリティを使ったら流石に・・・・・・いや、それならクレア姉さんも身体強化のアビリティを使えば良いだけか。
でも身体強化のアビリティを使っても反射速度が上がる訳じゃないから結局無理か。

けど今のクレア姉さんの体術レベルなら相手によっては杖を使わなくても良い試合もあるかもしれないな。

「まてよ、敢えて杖を持ったまま魔法を使わずに撲殺って手も有りか」

「ラガス坊ちゃま、流石に殺してしまってはクレア様が失格になるかと」

「・・・・・・そんぐらい解ってるよ。けど、今のクレア姉さんなら出来る可能性はある。ひとまず相手の戦闘スタイルを見てから決めた方が良いか」

あっ、ミーシャさんが勝った。
ミーシャさんも結構体術が・・・・・・というよりは足技が得意な気がする。

「はぁーーー、私の負けね。ミーシャと接近戦の勝負をしたら体格差のせいもあるけど、高確率で負けるわね」

「ははは、流石に遠距離攻撃ではクレアお嬢様に敵わないので接近戦ぐらいは出来なければ面目が立たないですから」

「あなたが強くなることは私にとっても嬉しい事よ。それにしても、あなたの蹴りは岩でも斬り裂け・・・・・・いえ、蹴り裂けそうね」

蹴り裂ける・・・・・・新しい造語だな。
確かにあそこまで鋭い蹴りだと切断しづらい物も絶ち蹴りそうだ。それがミーシャさんの武器なのかもしれないな。

「ライザもそう思うでしょ」

「はい、ミーシャさんの蹴りは立派な武器だと思います」

「ほら、ライザがしっかり武器だって言う事は滅多に無い事よ。だからもっと喜びなさいよ」

い、いやクレア姉さん。そんな別に強要することじゃないから。

「た、確かにそうかもしれませんね。なら少しは自分の蹴りに自信を持たせて貰います」

・・・・・・まっ、自信を持ってもらう事は悪い事じゃないから構わないか。
それに当たり前だけど慢心してい目じゃないし。

「あなた達、そろそろ昼ご飯よ」

「分りました。それじゃ、とりあえず昼ご飯を食べましょう」

「そうね。丁度お腹が空いて来たところだからタイミングが良いわ」

この昼飯を食べ終わったら街の散策。メインは闘技場・・・・・・超楽しみだ。



「ここが闘技場みたいね」

これはまた結構な大きさだな。それにしてもあんまりボロくは無いというか、コロッセオとはまた違う外見なんだな。

「そういえばラガスにメリルちゃん、ちゃんとお小遣いは持って来たかしら?」

「はい、落とさずにちゃんと持ってきました」

「私も持って来ています」

どうやら闘技場では十八、二十を超えていなくても試合に掛ける事が出来るらしい。
正直楽しみですよ。でも、こんな子供の頃からギャンブル依存症になりそうな環境は良いのかと少なからず疑問に思う。

まぁ・・・・・・そこは親がちゃんと子供を見ているか試されるところか。

「さて、中に入るわよ」

あれ? なんか、母さんの雰囲気が攻撃的な物に変わった。

なんでだ・・・・・・あっ、そうか。面倒な奴らに絡まれないようにするためか。
周りを見ると真面そうな人もいるけど、明らかに柄が悪い奴らも多い。
そういう奴らに限って俺とメリルと母さんだけの面子の場合は絡んできそうだ。

けど、ああまで攻撃的なオーラを出していたら話は別だな。

「気の弱い者は少し苦しそうにしていますね」

「だな。ちょっとやり過ぎな気がしなくもないけど、俺達ためって部分もあるんだしそこら辺は気にしなくて良いだろう」

ちょっと息が詰まりそうになってるけど、一定の距離を置いて視界に移さなければ直ぐにおさまる筈だ。
っと、金を掛ける場所までたどり着く前に周囲の会話を拾っておくか。

「・・・・・・・・・・・・へぇーーーー。なるほどなるほど」

「・・・・・・ラガス坊ちゃま。誰に賭けるか決まりましたか?」

「ああ、一応決まった。決まっただけで勝つかどうかは知らないけどな」

あまり冒険せずに鉄板を狙っていこう。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。

朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。 婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。 だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。 リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。 「なろう」「カクヨム」に投稿しています。

お爺様の贈り物

豆狸
ファンタジー
お爺様、素晴らしい贈り物を本当にありがとうございました。

奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!

よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

転生令嬢は現状を語る。

みなせ
ファンタジー
目が覚めたら悪役令嬢でした。 よくある話だけど、 私の話を聞いてほしい。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

処理中です...