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自身の部屋に戻った俺はベットに転がりながらアビリティを確認する。
「・・・・・・・・・・・・本当だ。新しいアビリティがある」
新しく覚えたアビリティは威圧。レベルが上がるごとに相手を気絶させる範囲や効果が上がる、か・・・・・・そして相手に恐怖感を与える場合もある。
この効果でアリクは気絶して、失禁までしてしまったのか。
イライラしていた感覚がいつの間にかアリクを威圧していたみたいだな。
「どれだけ相手の動きを阻害する事が出来るのかは分からないけど、実戦では結構使えるかもしれない。実力を隠すためのアビリティとして使えそうだ」
学校に行って面倒事に絡まれないとは限らない。
その時に実力を見せずにやり過ごせる手段になりそうだ。
てか、決闘をした時間は十二時だったよな。
・・・・・・・・・・・・昼飯食うか。
いつも家族揃ってご飯を食べる場所へ向かうと父さんと母さん、ロウド兄さんにクレア姉さん、それとレアードとセリスがいた。
アリク以外、王都の学校に通っているカロウス兄さんとクローナ姉さんを除けば全員集合しているな。
「らがすにいさまーーー、すごかったーーーー」
「せりすもすごいとおもったーーーー」
「っと。そうか、二人がそう思ってくれたなら決闘した甲斐があったってもんだ」
足に抱き着いて来た双子の頭を撫でる。
あぁーーー、この二人を見ていると本当に癒されるな。
「ありくにいさまはかっこわるかったーーーー」
「すぐにやられてた。とてもよわいんだねありくにいさまって。それにお漏らしまでしてた」
・・・・・・・・・・・・哀れ成り、アリク。
瞬殺したのは確かに俺の判断ではあるが、威圧のアビリティを習得できたのは偶々だからな。
「セリスの言う通り、勝負は一瞬だったな。流石毎日努力を怠らず訓練しているだけあるな、ラガス」
「それはロウド兄さんにも言える事だと思うよ。王都のパーティーで摸擬戦を申し込まれた伯爵家の子息に勝ったんでしょ」
「まぁ・・・・・・確かにそうだな。でも、勝てたのはお前が教えてくれた技と知識のお陰でもある」
いや、教えた事には教えたけど・・・・・・それを実行し続けるロウド兄さんが普通に凄いんだよ。
「俺は単に教えただけで、それを実行し続けて強くなれたのは間違いなくロウド兄さんの力だよ」
ロウド兄さんも努力を怠らない人だからな。
「・・・・・・ふふ、そう言ってくれると嬉しいよ。さぁ、椅子に座って昼ご飯を食べよう」
双子を母さんのところへ戻してから自身の席に座る。
そして良い匂いを漂わせる昼ご飯を食べていると父さんが声を掛けて来た。
「ところでラガス。お前はアリクに決闘で勝ったんだ。取りあえず俺に何かを要求する権利がある。お前は何を望むんだ?」
・・・・・・今それを聞くんだ。
てっきり適正がある属性魔法の時と同様に父さんの部屋で聞かれると思っていたんだけどな。
ここで答えても・・・・・・特に問題は無いか。
「森に入ってモンスターと戦いたいんだ」
対人戦の経験は殆ど無い。
ただ、魔弾のアビリティを考えればランクの低いモンスターならば接近戦を行わずとも勝てる筈だ。
魔弾の他に身体強化、気配感知のアビリティをどちらもレベル一だが持っている。
魔弾に関してはレベル五まで上がっている。
だから低ランクのモンスターであればおそらく負けない。
俺の要求を聞いた父さんとロウド兄さんはやっぱりなという顔をしている。
ただ、母さんとクレア姉さんは驚いている・・・・・・というか、それは駄目だと否定したそうな表情になっている。
双子はいまいち分かっていない為、首を傾げていた。
「モンスターと・・・・・・なぁ。確かにアリクを一撃で仕留めたお前なら低ランクのモンスターであれば、倒せるかもしれないな」
「あなた、ラガスはまだ五歳なのよ。いくら何でも早すぎるわ。それにラガスは属性魔法の適性が・・・・・・」
あれ、母さんに属性魔法の適性があったって言わなかったけ?
「お父さん、私もお母さんと同意見よ。いくら何でもまだ早すぎる」
本能を見る限りクレア姉さんにも伝えてないみたいだな。
ただ、俺を心配する二人にロウド兄さんが要求に賛成してくれた。
「母さん、クレア。低ランクのモンスターならばラガスは倒せるはずだ。先程の話通り、僕が王都のパーティーで行った摸擬戦で勝てたのはラガスの力が大きい。だから、ラガスなら森に入っても大丈夫な筈だ」
「ロウド・・・・・・でも・・・・・・」
ロウド兄さんが俺の要求に賛成意見を示してくれたが、それでも母さんとクレア姉さんの表情は反対の色が強い。
「・・・・・・ラガス。お前が持っている手札の内、幾つ実戦で使える?」
「一つは殆ど使える。もう一つも・・・・・・四割といったところですね。新しく増え三つの内、二つは二割、残り一つはまだ一割未満です。元の三の内一つは二割、後の二つは使えはしますけど加減があまり出来ないので最終手段です」
「そうか・・・・・・まぁ、お前の場合最初の一つが中々に強力だからな」
父さんには俺が得たアビリティを全て話してある。
なので俺がどのアビリティの事を話しているのかを理解しる。
だが、俺が習得したアビリティを殆ど知らない母さんたちは首を傾げて頭の上にハテナマークを浮かばせている。
「・・・・・・分かった。森の中に入る事を許可しよう」
よし!! これで自分の格を上げる事が出来る。
ロウド兄さんは父さんの決定に納得しているが、母さんとクレア姉さんはまだ少し納得していない様だ。
取りあえず成果を見せて納得してもらうしか、安心させる方法は無さそうだな。
「ただし、一年間の間はメリルと森の中へ一緒に入る事。これが条件だ」
父さんが加えた条件を聞いて、俺は勿論母さん達も驚いていたが、壁で待機していたメリル本人が一番驚いていた。
「メリル、君がラガスの為日々自身を鍛えている事や、ハンターに付いて調べている事は知っている。なので森の中へ入って是非ラガスのサポートをしてあげて欲しい。頼まれてくれないか」
「も、ももも勿論です、旦那様!! か、必ずラガス坊ちゃまをお守りしてみせます」
父さんから頼み事に対してメリルは即決で了承した。
メリル・・・・・・なんだよ、つい口端が上がってニヤケちまうだろ。
母さんとクレア姉さんもメリルが一緒に同行するならと、俺が森の中へ入ってモンスターと戦う事に了承してくれた。
後日、俺は早速メリルと一緒に森の中へ入・・・・・・らずに父さんが治める町をプラプラと歩いていた。
第12回ファンタジー大賞に応募します。
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あぁーーー、この二人を見ていると本当に癒されるな。
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「すぐにやられてた。とてもよわいんだねありくにいさまって。それにお漏らしまでしてた」
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「・・・・・・ふふ、そう言ってくれると嬉しいよ。さぁ、椅子に座って昼ご飯を食べよう」
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そして良い匂いを漂わせる昼ご飯を食べていると父さんが声を掛けて来た。
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魔弾の他に身体強化、気配感知のアビリティをどちらもレベル一だが持っている。
魔弾に関してはレベル五まで上がっている。
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「ロウド・・・・・・でも・・・・・・」
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「・・・・・・ラガス。お前が持っている手札の内、幾つ実戦で使える?」
「一つは殆ど使える。もう一つも・・・・・・四割といったところですね。新しく増え三つの内、二つは二割、残り一つはまだ一割未満です。元の三の内一つは二割、後の二つは使えはしますけど加減があまり出来ないので最終手段です」
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