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三十一話 完璧な全滅
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クランドはこの十五年間で得た強化系スキルを全て使用し、更に鬼心開放のスキルを発動。
使用時間を誤ったり、力に呑まれるとオーガの様な角が額から生えてくることになるが、身体能力が飛躍的に向上する。
そんな鬼に金棒状態となったクランドの動きに、どうしても一歩遅れる形となった。
「カバディ」
「ぐっ!!」
次に放たれた一撃は、頭部を刈り取るようなハイキック。
しかし、今回の一撃も……身体に衝撃を食らいながらも、大剣でガードに成功。
「カバディ」
「っ!!!???」
だが、今度の攻撃は空中で身を動かし、左足で大剣を持つ手の甲に鋭い蹴りを叩きこむ。
「ぬぉおおおおおおっ!!!」
この瞬間に、ブラハムはこの状態では大剣を満足に扱えないと判断し、大剣を投げ捨て……自らクランドとの距離を詰めようとする。
化け物じみた身体能力を有している事もあり、五体による攻撃は得意な部類。
得意な火の魔力を四肢に纏い、打撃を繰り出そうとしたが、目の前に残るはクランドの残像。
「カバディ」
「がっ!!??」
ギリギリ……目の前のクランドは残像であり、本人は自身の後ろに回った。
その戦況自体は把握することが出来ていたが、体が追い付かない。
そして、ブラハムの背後に回ったクランドは、両手で胴を抑え……思いっきり後ろにぶん投げた。
前に出ようとしたブラハムだったが、クランドが即座に移動したことで、そこまで前に出れていなかった。
ということもあり……ブラハムは頭部を、見えない壁に思いっきり叩きつけられたことになる。
クランドの現在の腕力を考えれば、その衝撃は一トンは確実に超えている。
この世界でも、身体能力が優れた者でなければ、頭部が粉砕してる可能性大。
「カバディ」
「ぬぅっ!!!! がっ!?」
強烈なブリッジによる攻撃を決めた後、スルッと横に抜け……体がズルっと落ちるブラハムの横腹に、渾身の掌底を叩きこむ。
しかし、これまた予想外な事に、意識を失っていないブラハムは右腕を挟み、直撃を避けた。
避けれたが……右腕の骨はバキバキ。
肋骨が折れて内臓に刺さらなかったことを考えれば、まだセーフ……だったかもしれない。
それでも掌底の威力に耐えきれたわけではなく、吹っ飛んだブラハムは再び見えない壁に激突。
今のブラハムにとって、それだけで強烈なダメージとなる。
「カバディ」
そして即座に移動し、今度は空中でサッカーボールキックを叩きこむ。
「ぐっ!!!???」
攻撃される位置というのは、クランドが移動した距離。
そしてどこを攻撃する……というクランドから発せられる意識で把握。
だが、腕によるガードは間に合わないと思い、体内の魔力をその個所に集中。
既に体は甚大なダメージを負っているが、幸いにも魔力は満タンに近い。
膨大な魔力を集中させたことで、今回は良い感じにガードが成功……したが、サッカーボールキックを食らった位置は、空中。
足が地面に付いていなかった為、ダメージは防げても、クランドの超速振りまでは防げず、ピンポン玉の様に弾け飛ぶブラハム。
今回の絶対領域・ハンティングフィールドでは、高さを明確に制限しており、ブラハム横と天井で二度もバウンド。
「カバディ」
「っ!!!! か、はっ!!」
七撃目……体を低く構え、百八十度以上も動かし……ダイナミックアッパーが炸裂。
ブラハム以外の学生が食らっていれば、体が陥没どころか、穴が空いていてもおかしくない一撃。
強靭な肉体と膨大な魔力を持つブラハムは再度、攻撃の意識が向けられている場所に魔力を集め、最悪のケースを防いだ。
だが、今回の一撃に限っては、魔力の壁だけで完全に防ぐことは叶わず、威力が貫通。
胸骨に罅が入る結果となった。
(このままでは、意識が!!!)
そして再度……ブラハムは見えない天井に激突し、重力による落下。
「カバディ」
「ぐ、ぬぅぅぅぅぅ!!!!!」
ブラハムの脚が地面に付く前に、今度は前蹴りが炸裂。
とはいえ、強靭な精神で両腕を動かし、腕と胴体に魔力を纏い、防御には一応成功。
今度は背中も魔力で覆っていたため、見えない壁まで吹き飛ばされ、激突しても大きな追加ダメージを食らう事はなかった。
それでも、やはり衝撃で体は軋む。
体は思い通りに動かせず、反動で再びクランドの前に行ってしまう。
既に攻撃の構えを取っており、再び強烈な攻撃が飛んでくる。
せめて……せめて少しだけでも芯をズラそうと、僅かに脚が地面に付いた瞬間、弾くように蹴る。
ただ、完全に芯をズラすよりも先に、クランドの攻撃が繰り出された。
「単語パーフェクトローナーストライク!!!!!」
繰り出された攻撃は……その行動だけであれば、ただの右ストレートに見える。
しかし、この一撃はただの攻撃ではなく、絶対領域・ハンティングフィールドを発動した時のみ使用できる技。
この右ストレートには、先程までクランドはブラハムに与えた八つの攻撃、全ての威力が重なっている。
複数の身体強化系のスキルだけではなく、鬼心開放まで使用したクランドの一撃は、どれも強烈。
そんな攻撃が八つ分にプラスして、今放たれた右ストレートの威力も加算。
この一撃の威力を考えれば、万全な状態であるブラハムであっても、耐えるのは困難。
つまり…………先程まで八つ、殆どの攻撃を受けてしまっていたブラハムが、意識を保てる可能性は皆無だった。
使用時間を誤ったり、力に呑まれるとオーガの様な角が額から生えてくることになるが、身体能力が飛躍的に向上する。
そんな鬼に金棒状態となったクランドの動きに、どうしても一歩遅れる形となった。
「カバディ」
「ぐっ!!」
次に放たれた一撃は、頭部を刈り取るようなハイキック。
しかし、今回の一撃も……身体に衝撃を食らいながらも、大剣でガードに成功。
「カバディ」
「っ!!!???」
だが、今度の攻撃は空中で身を動かし、左足で大剣を持つ手の甲に鋭い蹴りを叩きこむ。
「ぬぉおおおおおおっ!!!」
この瞬間に、ブラハムはこの状態では大剣を満足に扱えないと判断し、大剣を投げ捨て……自らクランドとの距離を詰めようとする。
化け物じみた身体能力を有している事もあり、五体による攻撃は得意な部類。
得意な火の魔力を四肢に纏い、打撃を繰り出そうとしたが、目の前に残るはクランドの残像。
「カバディ」
「がっ!!??」
ギリギリ……目の前のクランドは残像であり、本人は自身の後ろに回った。
その戦況自体は把握することが出来ていたが、体が追い付かない。
そして、ブラハムの背後に回ったクランドは、両手で胴を抑え……思いっきり後ろにぶん投げた。
前に出ようとしたブラハムだったが、クランドが即座に移動したことで、そこまで前に出れていなかった。
ということもあり……ブラハムは頭部を、見えない壁に思いっきり叩きつけられたことになる。
クランドの現在の腕力を考えれば、その衝撃は一トンは確実に超えている。
この世界でも、身体能力が優れた者でなければ、頭部が粉砕してる可能性大。
「カバディ」
「ぬぅっ!!!! がっ!?」
強烈なブリッジによる攻撃を決めた後、スルッと横に抜け……体がズルっと落ちるブラハムの横腹に、渾身の掌底を叩きこむ。
しかし、これまた予想外な事に、意識を失っていないブラハムは右腕を挟み、直撃を避けた。
避けれたが……右腕の骨はバキバキ。
肋骨が折れて内臓に刺さらなかったことを考えれば、まだセーフ……だったかもしれない。
それでも掌底の威力に耐えきれたわけではなく、吹っ飛んだブラハムは再び見えない壁に激突。
今のブラハムにとって、それだけで強烈なダメージとなる。
「カバディ」
そして即座に移動し、今度は空中でサッカーボールキックを叩きこむ。
「ぐっ!!!???」
攻撃される位置というのは、クランドが移動した距離。
そしてどこを攻撃する……というクランドから発せられる意識で把握。
だが、腕によるガードは間に合わないと思い、体内の魔力をその個所に集中。
既に体は甚大なダメージを負っているが、幸いにも魔力は満タンに近い。
膨大な魔力を集中させたことで、今回は良い感じにガードが成功……したが、サッカーボールキックを食らった位置は、空中。
足が地面に付いていなかった為、ダメージは防げても、クランドの超速振りまでは防げず、ピンポン玉の様に弾け飛ぶブラハム。
今回の絶対領域・ハンティングフィールドでは、高さを明確に制限しており、ブラハム横と天井で二度もバウンド。
「カバディ」
「っ!!!! か、はっ!!」
七撃目……体を低く構え、百八十度以上も動かし……ダイナミックアッパーが炸裂。
ブラハム以外の学生が食らっていれば、体が陥没どころか、穴が空いていてもおかしくない一撃。
強靭な肉体と膨大な魔力を持つブラハムは再度、攻撃の意識が向けられている場所に魔力を集め、最悪のケースを防いだ。
だが、今回の一撃に限っては、魔力の壁だけで完全に防ぐことは叶わず、威力が貫通。
胸骨に罅が入る結果となった。
(このままでは、意識が!!!)
そして再度……ブラハムは見えない天井に激突し、重力による落下。
「カバディ」
「ぐ、ぬぅぅぅぅぅ!!!!!」
ブラハムの脚が地面に付く前に、今度は前蹴りが炸裂。
とはいえ、強靭な精神で両腕を動かし、腕と胴体に魔力を纏い、防御には一応成功。
今度は背中も魔力で覆っていたため、見えない壁まで吹き飛ばされ、激突しても大きな追加ダメージを食らう事はなかった。
それでも、やはり衝撃で体は軋む。
体は思い通りに動かせず、反動で再びクランドの前に行ってしまう。
既に攻撃の構えを取っており、再び強烈な攻撃が飛んでくる。
せめて……せめて少しだけでも芯をズラそうと、僅かに脚が地面に付いた瞬間、弾くように蹴る。
ただ、完全に芯をズラすよりも先に、クランドの攻撃が繰り出された。
「単語パーフェクトローナーストライク!!!!!」
繰り出された攻撃は……その行動だけであれば、ただの右ストレートに見える。
しかし、この一撃はただの攻撃ではなく、絶対領域・ハンティングフィールドを発動した時のみ使用できる技。
この右ストレートには、先程までクランドはブラハムに与えた八つの攻撃、全ての威力が重なっている。
複数の身体強化系のスキルだけではなく、鬼心開放まで使用したクランドの一撃は、どれも強烈。
そんな攻撃が八つ分にプラスして、今放たれた右ストレートの威力も加算。
この一撃の威力を考えれば、万全な状態であるブラハムであっても、耐えるのは困難。
つまり…………先程まで八つ、殆どの攻撃を受けてしまっていたブラハムが、意識を保てる可能性は皆無だった。
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