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少年期[1028]偶々偶然
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「なっ!!!???」
街に帰還後、ゼルートたちはいつも通り冒険者ギルドへ直行。
ゼルートは受付嬢にまた倉庫を貸してほしいと伝えると、受付嬢は戸惑うことなく中へ案内。
前回、ゼルートは倉庫での査定が必要なほど素材を持ち込んでくれたため、特に迷うことはなかった。
ただ……今回ゼルートたちが買取に出してくれた素材は、前回ほどの量はなかった。
しかし、ある素材を査定した受付嬢は、驚きのあまり言葉が喉に詰まってしまった。
「ッ、ッ……ぜ、ゼルート、さん。こちらの、素材は……い、いったいどちらで、遭遇したのでしょうか」
「えっとですね……」
ゼルートは少し気まずそうな表情を浮かべながら話し始めた。
ワイズコングというAランク魔物に襲撃され、そのAランク魔物と自身の従魔が戦い始めた。
ゲイルがどんどん楽しくなってきたということもあり、周辺の木々はばっさばっさと斬り裂かれ、粉砕され、大地も同じく多くのクレーターが生まれた。
どれぐらいの範囲が破壊されたのかを伝えられ、受付嬢たちマジか……という表情を浮かべるも、全員が目の前の毛皮や内臓がAランク魔物、ワイズコングの物であると確認すると、直ぐに考え方を切り替えた。
「そういう事でしたか。ワイズコングの姿に関しては、冒険者ギルドでも本当に噂……半ば伝説の様な形となっていました。その様な魔物を討伐して頂き、ありがとうございます」
「「ありがとうございます」」
「ど、どうも」
ギルドとしては、広大な土地が粉砕爆砕されるのは確かに勘弁してほしいと思わなくもないが、それよりもAランク魔物を討伐してくれた方が嬉しかった。
名前からして、おそらく賢いゴリラであることが解る。
安易に人の街を襲うタイプには思わないが、それでもロルパには複数のBランク魔物であればまだしも、Aランク魔物に全力で襲撃された際、余裕を持って対応出来るほどの戦力は有していなかった。
それもあって、多少森の中が荒れても構わないという考えに至った。
「それで、その……魔石の方は」
「自分たちで使おうと思ったので、売りません」
「そ、そうですよね。かしこまりました」
毛皮や内臓などは売却するも、魔石に関しては売らないと決めていた。
まだ何に使おうというのは全く決まっていないが、そもそもAランク魔物の魔石であることを考えれば……よっぽど金に困っていなければ、売るという選択肢を取らない。
冒険者ギルドとしては是非とも買い取りたいところだが、それでもゼルートたちが多くの魔物を討伐し、稼いでいる事は知っているため、買取金額を提示するだけ無駄だと解っていた。
「あっ、一応確認しておきたいのですが、ワイズコングが襲撃してきたのは、本当に偶々偶然だったのですか」
「そうですね……アレナ、なんかそれまでにおかしい事はあったっけ」
「…………この辺りで探索を始めてから、二体ぐらいゴリラ系の魔物を討伐したけれど、二体とも普通の……特にこれといった特徴を持たないゴリラ系の魔物だったわね」
アレナの言う通り、ワイズコング以外にゴリラ系魔物なのに魔法使う個体などには遭遇しておらず、特別な理由でワイズコングの怒りを買うような真似はしていなかった。
「単純に私たちをワイズコングが脅威だと判断したのではないか?」
「縄張り争い的な意識、か? まっ、そんな感じで多分これといった理由はないと思います」
「分かりました。それと、もう少しお聞きしたい事が」
幸いにも、カウンターでゼルートを対応した受付嬢は、ワイズコングという魔物の名前だけは聞いたことがあった。
だが、名前とAランク魔物という情報以外は全く知らないため、もう少し情報が欲しかった。
ゼルートたちも、まだまだ査定が終わるまで時間が掛かるということもあり、自分たちが外から見た感想、情報を全て受付嬢に伝えた。
街に帰還後、ゼルートたちはいつも通り冒険者ギルドへ直行。
ゼルートは受付嬢にまた倉庫を貸してほしいと伝えると、受付嬢は戸惑うことなく中へ案内。
前回、ゼルートは倉庫での査定が必要なほど素材を持ち込んでくれたため、特に迷うことはなかった。
ただ……今回ゼルートたちが買取に出してくれた素材は、前回ほどの量はなかった。
しかし、ある素材を査定した受付嬢は、驚きのあまり言葉が喉に詰まってしまった。
「ッ、ッ……ぜ、ゼルート、さん。こちらの、素材は……い、いったいどちらで、遭遇したのでしょうか」
「えっとですね……」
ゼルートは少し気まずそうな表情を浮かべながら話し始めた。
ワイズコングというAランク魔物に襲撃され、そのAランク魔物と自身の従魔が戦い始めた。
ゲイルがどんどん楽しくなってきたということもあり、周辺の木々はばっさばっさと斬り裂かれ、粉砕され、大地も同じく多くのクレーターが生まれた。
どれぐらいの範囲が破壊されたのかを伝えられ、受付嬢たちマジか……という表情を浮かべるも、全員が目の前の毛皮や内臓がAランク魔物、ワイズコングの物であると確認すると、直ぐに考え方を切り替えた。
「そういう事でしたか。ワイズコングの姿に関しては、冒険者ギルドでも本当に噂……半ば伝説の様な形となっていました。その様な魔物を討伐して頂き、ありがとうございます」
「「ありがとうございます」」
「ど、どうも」
ギルドとしては、広大な土地が粉砕爆砕されるのは確かに勘弁してほしいと思わなくもないが、それよりもAランク魔物を討伐してくれた方が嬉しかった。
名前からして、おそらく賢いゴリラであることが解る。
安易に人の街を襲うタイプには思わないが、それでもロルパには複数のBランク魔物であればまだしも、Aランク魔物に全力で襲撃された際、余裕を持って対応出来るほどの戦力は有していなかった。
それもあって、多少森の中が荒れても構わないという考えに至った。
「それで、その……魔石の方は」
「自分たちで使おうと思ったので、売りません」
「そ、そうですよね。かしこまりました」
毛皮や内臓などは売却するも、魔石に関しては売らないと決めていた。
まだ何に使おうというのは全く決まっていないが、そもそもAランク魔物の魔石であることを考えれば……よっぽど金に困っていなければ、売るという選択肢を取らない。
冒険者ギルドとしては是非とも買い取りたいところだが、それでもゼルートたちが多くの魔物を討伐し、稼いでいる事は知っているため、買取金額を提示するだけ無駄だと解っていた。
「あっ、一応確認しておきたいのですが、ワイズコングが襲撃してきたのは、本当に偶々偶然だったのですか」
「そうですね……アレナ、なんかそれまでにおかしい事はあったっけ」
「…………この辺りで探索を始めてから、二体ぐらいゴリラ系の魔物を討伐したけれど、二体とも普通の……特にこれといった特徴を持たないゴリラ系の魔物だったわね」
アレナの言う通り、ワイズコング以外にゴリラ系魔物なのに魔法使う個体などには遭遇しておらず、特別な理由でワイズコングの怒りを買うような真似はしていなかった。
「単純に私たちをワイズコングが脅威だと判断したのではないか?」
「縄張り争い的な意識、か? まっ、そんな感じで多分これといった理由はないと思います」
「分かりました。それと、もう少しお聞きしたい事が」
幸いにも、カウンターでゼルートを対応した受付嬢は、ワイズコングという魔物の名前だけは聞いたことがあった。
だが、名前とAランク魔物という情報以外は全く知らないため、もう少し情報が欲しかった。
ゼルートたちも、まだまだ査定が終わるまで時間が掛かるということもあり、自分たちが外から見た感想、情報を全て受付嬢に伝えた。
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