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少年期[1024]楽しみ、堪能する
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斬り裂く、斬り裂く、斬り裂く。
ワイズコングが放ってくる攻撃魔法に対し、全て斬り裂いていた。
勿論、簡単な事ではない。
ワイズコングは中級レベルの攻撃魔法を同時発動するのが得意ではあるが、上級と呼ばれる魔法を発動するのも速い。
故に……初級、中級レベルの攻撃魔法しか使ってこないと油断してると、あっさりと燃やし尽くされ、黒焦げになり、細切れにされてしまう。
だが……ゲイルは燃やされず、黒焦げにもされず、細切れにされることもなかった。
逆に全ての攻撃魔法を、その攻撃魔法の威力に合った威力で斬り裂いていた。
「……今日のゲイルは、特に凄いわね」
途中から変化したゲイルの動きに、同じく剣をメインに扱う者として、アレナは心からの称賛を送った。
「ん~~~……だな。あいつ、いつの間にあんな上手くなったんだ?」
「…………もしかしたらではあるが、ゲイルは極限の集中状態になっているのかもしれないな」
「あぁ~~~、なるほど?」
いわゆる、ゾーンに入るという状態。
だが、ゼルートは確かにその通りだと、直ぐには納得しなかった。
(ルウナの言うことも解る。ただ……純粋にゲイルの技術力っていうか、判断力? が向上したのかもしれないよな~~~)
ゾーンに入る、極限の集中状態。
なんだかカッコいい言葉であり、ゼルートとも過去に「あっ、これってそれかも」と思える体験をしたことがある。
そんな体験が出来た……それだけでも感動ものである。
ただ、ある意味、まだ本人にも感覚を尋ねていないのに、そうと決めつける気にはならなかった。
「ゲイルが、少し冷静になったからというのも理由の一つかと」
「そういえば、戦い始めた時と比べて、あんまりゲイルはドタバタ派手に動かなくなったな……なんでだ?」
「私の個人的な考えですけれど、滅多に出会えないAランク魔物との戦闘。だからこそ……ただ命懸けで戦うのではなく、何かを試そうと、学ぼうとしてるのではないかと」
ラルの説明を聞いて、真っ先にアレナがなるほどと納得した……納得したが、Aランク魔物を相手に? という疑問が直ぐに浮かんだ。
(いや、うん……そうよね。ゲイルだものね)
だが、あのゲイルならそれもあり得るかと、諦め半分で納得した。
アレナが初めてゲイルの強さを知った時のは、ゼルートやグレイスたちと共にオークとゴブリンの群れを討伐に向かった時。
ゼルートがBランク魔物、オークキングと戦っている最中に、ゲイルは同じくBランク魔物のゴブリンキングと戦っていた。
戦闘終了後に合流した際、特に疲弊した様子はなかった。
「なるほどなるほど。では、ゲイルはただ純粋に集中してるだけという事か……それならそれで凄いな」
ルウナから見ても、攻撃一つ一つに威力や消費魔力を調整して対処しているゲイルの技量は、見事の一言。
「……もしかしたら、ゲイルにとって……ゼルートと戦ってる感覚に近いかもしれないな」
「戦ってる感覚が……あぁ、そういう事か」
見た目に関して、ゼルートは全くもってワイズコングに似ていない。
身長は成長期らしく徐々に伸びてはいるが、まだ高身長と言える身長には達していない。
そして……見た目以上のパワーは有しているが、見た目からしてムキムキのゴリマッチョではない。
ただ、ワイズコングは魔法が得意なのに身体能力が高く、杖を剣代わりにして斬撃を放つこともある。
魔法が得意で、偶に斬撃や杖を剣代わりにして戦うワイズコング。
魔法が得意ではあるけど、剣術や体術で戦うことが多いゼルートと差はあれど、ある程度似ている部分はある。
「だからこそ、ワイズコングとの戦闘を出来る限り楽しみ、堪能しようとしてると私は思うな」
「そっか…………つまり、もっともっとこの辺り一帯が死ぬってことだな」
ゼルートとの言葉に、普段ならもっと反応しそうなアレナは「うん、そうね」とだけ答え、そこに関しては完全に諦めていた。
ワイズコングが放ってくる攻撃魔法に対し、全て斬り裂いていた。
勿論、簡単な事ではない。
ワイズコングは中級レベルの攻撃魔法を同時発動するのが得意ではあるが、上級と呼ばれる魔法を発動するのも速い。
故に……初級、中級レベルの攻撃魔法しか使ってこないと油断してると、あっさりと燃やし尽くされ、黒焦げになり、細切れにされてしまう。
だが……ゲイルは燃やされず、黒焦げにもされず、細切れにされることもなかった。
逆に全ての攻撃魔法を、その攻撃魔法の威力に合った威力で斬り裂いていた。
「……今日のゲイルは、特に凄いわね」
途中から変化したゲイルの動きに、同じく剣をメインに扱う者として、アレナは心からの称賛を送った。
「ん~~~……だな。あいつ、いつの間にあんな上手くなったんだ?」
「…………もしかしたらではあるが、ゲイルは極限の集中状態になっているのかもしれないな」
「あぁ~~~、なるほど?」
いわゆる、ゾーンに入るという状態。
だが、ゼルートは確かにその通りだと、直ぐには納得しなかった。
(ルウナの言うことも解る。ただ……純粋にゲイルの技術力っていうか、判断力? が向上したのかもしれないよな~~~)
ゾーンに入る、極限の集中状態。
なんだかカッコいい言葉であり、ゼルートとも過去に「あっ、これってそれかも」と思える体験をしたことがある。
そんな体験が出来た……それだけでも感動ものである。
ただ、ある意味、まだ本人にも感覚を尋ねていないのに、そうと決めつける気にはならなかった。
「ゲイルが、少し冷静になったからというのも理由の一つかと」
「そういえば、戦い始めた時と比べて、あんまりゲイルはドタバタ派手に動かなくなったな……なんでだ?」
「私の個人的な考えですけれど、滅多に出会えないAランク魔物との戦闘。だからこそ……ただ命懸けで戦うのではなく、何かを試そうと、学ぼうとしてるのではないかと」
ラルの説明を聞いて、真っ先にアレナがなるほどと納得した……納得したが、Aランク魔物を相手に? という疑問が直ぐに浮かんだ。
(いや、うん……そうよね。ゲイルだものね)
だが、あのゲイルならそれもあり得るかと、諦め半分で納得した。
アレナが初めてゲイルの強さを知った時のは、ゼルートやグレイスたちと共にオークとゴブリンの群れを討伐に向かった時。
ゼルートがBランク魔物、オークキングと戦っている最中に、ゲイルは同じくBランク魔物のゴブリンキングと戦っていた。
戦闘終了後に合流した際、特に疲弊した様子はなかった。
「なるほどなるほど。では、ゲイルはただ純粋に集中してるだけという事か……それならそれで凄いな」
ルウナから見ても、攻撃一つ一つに威力や消費魔力を調整して対処しているゲイルの技量は、見事の一言。
「……もしかしたら、ゲイルにとって……ゼルートと戦ってる感覚に近いかもしれないな」
「戦ってる感覚が……あぁ、そういう事か」
見た目に関して、ゼルートは全くもってワイズコングに似ていない。
身長は成長期らしく徐々に伸びてはいるが、まだ高身長と言える身長には達していない。
そして……見た目以上のパワーは有しているが、見た目からしてムキムキのゴリマッチョではない。
ただ、ワイズコングは魔法が得意なのに身体能力が高く、杖を剣代わりにして斬撃を放つこともある。
魔法が得意で、偶に斬撃や杖を剣代わりにして戦うワイズコング。
魔法が得意ではあるけど、剣術や体術で戦うことが多いゼルートと差はあれど、ある程度似ている部分はある。
「だからこそ、ワイズコングとの戦闘を出来る限り楽しみ、堪能しようとしてると私は思うな」
「そっか…………つまり、もっともっとこの辺り一帯が死ぬってことだな」
ゼルートとの言葉に、普段ならもっと反応しそうなアレナは「うん、そうね」とだけ答え、そこに関しては完全に諦めていた。
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