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兄の物語[125]了承済み……?
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「…………もしかして、ミシェルも同じことを考えてた?」
「…………うん」
恥ずかしさを隠せず、両手で顔を覆いながらも、ミシェルはハッキリと答えた。
元々クライレットたちのパーティーに入りたいと思っていたと。
「はっはっは!!! 良いじゃねぇか! つか、最高じゃね? だってよ、クライレットとペトラも魔法は使えるけど、後衛職専門って訳じゃねぇだろ」
「そうだね~~。これで前衛が三人で、後衛が二人。ミシェルが大きな魔法を発動する時も、ペトラなら守れるだろうし……うん、バルガスの言う通り、最高だと思うよ~~」
うちに入れば良いんじゃないか。
そう提案したバルガスは勿論ウェルカムであり、フローラも同じくミシェルがパーティーに加入することに大賛成であった。
「…………そうね。私も同じ気持ちよ。ミシェルが加入してくれたら、私たちのパーティーに足りなかった部分が補える、完成する気がする。なにより、ミシェルだからこそ大歓迎よ。ね、クライレット」
雰囲気的に、ここで断るようなことはない……と思いつつも、一応リーダーであるクライレットに確認を取るペトラ。
「うん、そうだね。ペトラの言う通り、ミシェルが加入してくれることで、僕たちのパーティーは完成すると思う。ただ、その……グレイスさんたちに確認を取らないと、だよね」
「あっ」
「確かに~~」
「……そうね。忘れてたわ」
ミシェルはこれまで家族以外の同業者たちと臨時でパーティーを組んできたが、それでも一応籍はグレイスがリーダーである魔導の戦斧に置かれている。
既に十五歳を越え、成人しているミシェルがわざわざ両親にそういった許可を取る必要がるのか? と思うかもしれないが、グレイスとコーネリアにとってミシェルは紛れもなく、大事な大事な娘。
魔導の戦斧から抜け、クライレットたちのパーティーに入るということは、ミシェルの命を預かる形となる。
本人は冒険者なのだから自己責任、そんな事は寒けないという思いを持っているが、そういった風に思われるのが一般的である。
「お父さんとお母さんには事前に了承を取ってるの」
「えっ、そうだったの?」
「そうなの。というか、もしこの先同世代の人たちと固定パーティーを組むなら、クライレット君たちのパーティーが一番良いぞって言われてて」
グレイス、コーネリアといった肉体的に全盛期を過ぎても第一線で活躍し続けている現役Aランク冒険者が、自分たちの娘を任せても構わないと認めてくれている。
これに四人は非常に感動した。
クライレットの両親も元Aランクの冒険者であり、オルディア王国との戦争でも活躍したが、それはそれでこれはこれ。
今でも現役として活動し続けている二人に認められるのは、また別の嬉しさがあった。
「嬉しいというか、有り難いというか……とにかく、移動? に関しては問題無いということね」
「うん、そうね」
「いやぁ~~~、良かった良かった…………………………ん?」
現在籍を置いているパーティーから別のパーティーに移籍することに問題はなく、特に試練を乗り越えたりする必要はない。
本当に良かったと思っていると……バルガスふと、ある人物のことを思い出した。
「変な顔してどうしたのよ、バルガス」
「いや、何か忘れてると思ってたんだけどよ……そういえばさ、ミシェルって弟がいたよな」
「えぇ。ダンがいるけど……それがどうかした? あっ、勿論ダンと一緒にとは考えてないよ」
「あ、うん。そいつは嬉しい? んだけどよ、確かそのダンってやつ…………クライレットの弟のゼルートと仲が死ぬほど悪かったよな」
「「「「………………」」」」
バルガスの思い出した内容を耳にし、四人ともフリーズ。
先程まで、これから始まる新たな冒険に胸を躍らせていたワクワク感が、ハンマーのフルスイングを叩きつけられたかの様に砕け散った。
「…………うん」
恥ずかしさを隠せず、両手で顔を覆いながらも、ミシェルはハッキリと答えた。
元々クライレットたちのパーティーに入りたいと思っていたと。
「はっはっは!!! 良いじゃねぇか! つか、最高じゃね? だってよ、クライレットとペトラも魔法は使えるけど、後衛職専門って訳じゃねぇだろ」
「そうだね~~。これで前衛が三人で、後衛が二人。ミシェルが大きな魔法を発動する時も、ペトラなら守れるだろうし……うん、バルガスの言う通り、最高だと思うよ~~」
うちに入れば良いんじゃないか。
そう提案したバルガスは勿論ウェルカムであり、フローラも同じくミシェルがパーティーに加入することに大賛成であった。
「…………そうね。私も同じ気持ちよ。ミシェルが加入してくれたら、私たちのパーティーに足りなかった部分が補える、完成する気がする。なにより、ミシェルだからこそ大歓迎よ。ね、クライレット」
雰囲気的に、ここで断るようなことはない……と思いつつも、一応リーダーであるクライレットに確認を取るペトラ。
「うん、そうだね。ペトラの言う通り、ミシェルが加入してくれることで、僕たちのパーティーは完成すると思う。ただ、その……グレイスさんたちに確認を取らないと、だよね」
「あっ」
「確かに~~」
「……そうね。忘れてたわ」
ミシェルはこれまで家族以外の同業者たちと臨時でパーティーを組んできたが、それでも一応籍はグレイスがリーダーである魔導の戦斧に置かれている。
既に十五歳を越え、成人しているミシェルがわざわざ両親にそういった許可を取る必要がるのか? と思うかもしれないが、グレイスとコーネリアにとってミシェルは紛れもなく、大事な大事な娘。
魔導の戦斧から抜け、クライレットたちのパーティーに入るということは、ミシェルの命を預かる形となる。
本人は冒険者なのだから自己責任、そんな事は寒けないという思いを持っているが、そういった風に思われるのが一般的である。
「お父さんとお母さんには事前に了承を取ってるの」
「えっ、そうだったの?」
「そうなの。というか、もしこの先同世代の人たちと固定パーティーを組むなら、クライレット君たちのパーティーが一番良いぞって言われてて」
グレイス、コーネリアといった肉体的に全盛期を過ぎても第一線で活躍し続けている現役Aランク冒険者が、自分たちの娘を任せても構わないと認めてくれている。
これに四人は非常に感動した。
クライレットの両親も元Aランクの冒険者であり、オルディア王国との戦争でも活躍したが、それはそれでこれはこれ。
今でも現役として活動し続けている二人に認められるのは、また別の嬉しさがあった。
「嬉しいというか、有り難いというか……とにかく、移動? に関しては問題無いということね」
「うん、そうね」
「いやぁ~~~、良かった良かった…………………………ん?」
現在籍を置いているパーティーから別のパーティーに移籍することに問題はなく、特に試練を乗り越えたりする必要はない。
本当に良かったと思っていると……バルガスふと、ある人物のことを思い出した。
「変な顔してどうしたのよ、バルガス」
「いや、何か忘れてると思ってたんだけどよ……そういえばさ、ミシェルって弟がいたよな」
「えぇ。ダンがいるけど……それがどうかした? あっ、勿論ダンと一緒にとは考えてないよ」
「あ、うん。そいつは嬉しい? んだけどよ、確かそのダンってやつ…………クライレットの弟のゼルートと仲が死ぬほど悪かったよな」
「「「「………………」」」」
バルガスの思い出した内容を耳にし、四人ともフリーズ。
先程まで、これから始まる新たな冒険に胸を躍らせていたワクワク感が、ハンマーのフルスイングを叩きつけられたかの様に砕け散った。
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