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兄の物語[67]逆じゃない?
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「お、おい……あの二人、ヤバくないか?」
「ちょっと派手にやり過ぎな気がしなくもないけど……でもさ、二人とも目立った傷とかないよね」
「ってことは、あの二人にとっちゃ、あれが普通だってのか? さすがにそれは……普通じゃ無さ過ぎるだろ」
ある程度クライレットたちの名はドーウルス内でも広まってはいるが、入ってくる冒険者がそれなりに多いため、まだ四人の名前と顔が一致しない冒険者がそれなりにいる。
ただ、そんな冒険者たちに、ドーウルスを拠点に活動している心優しいベテラン冒険者は、あまりバカな絡み方をしてはいけない冒険者として四人を紹介する。
全員が冒険者として活動を始めて数年とは思えない戦闘力を有しており、まず下手に実力があるルーキーが絡んでも、痛い目を見るのは明らか。
加えてパーティーメンバーの中で、特攻隊長であるバルガスはそういった連中を相手にすることを嫌っておらず、嬉々として叩きのめそうとする。
そして普段はクールな態度だが、パーティーメンバーの事を侮辱されるようなことがあれば、冷静にキレ……冷静な言葉と実力で現実を叩きつけてくる。
他二人も女だと思って油断していれば、間違いなく返り討ちにされてしまい……ペトラからは絶対零度の眼を向けられながら罵られ、フローラからは笑顔で毒を吐かれてしまう。
「ふぅ~~~~。クライレット、ちょっと休憩しても、良いかな」
「そうだね。そうしようか」
訓練が始まってから五分以上が経過し、ようやく二人は動きを止めた。
「クライレット、魔力の消費量は大丈夫?」
「あぁ、問題無いよ。もう一回か二回は出来る」
「……何度も思うけど、やっぱりクライレットの魔力総量ってちょっとおかしいよね」
戦闘中、クライレットは身体強化系のスキルを使用するだけではなく、魔力の斬撃刃や風の攻撃魔法なども使用していた。
にもかかわらず、クライレットの表情にはあまり疲れが浮かんでいない。
「子供の頃から頑張ってたから、かな」
「貴族の子供って、強制的に頑張らなきゃいけない時期みたいなのが、あるんじゃないの?」
「そう、だね……学園に居る時は、他の同世代の人たちの話を聞く機会が多かった…………それを考えると、やっぱりゼルートっていう、偉大な弟がいたからかな」
「実際にあの攻撃っぷりを見たから解るけど、クライレットは本当に彼のことを尊敬してるというか、なんと言うか」
ゼルートが特大攻撃魔法を発動するところを見ただけではなく、実際にクライレットの紹介で会ったこともある。
(まぁ、超超超超超詐欺人間、冒険者って感じだから色々と解らなくはないけど~~)
ある程度視る眼を持っているフローラからすれば、ゼルートは超絶詐欺人間といった印象が一番であった。
「ゼルートもゼルートで、俺の事を色々と褒めてくれてたんだ。俺は……子供の頃から、割と考える力があったみたいなんだけど、それでも更に強くなる切っ掛けみたいなアドバイスをくれたのは、いつもゼルートだった」
(このルーキーの中でもトップクラス……もしかしたらトップかもしれないクライレットにアドバイスを送れる歳下の子供、か…………うん、やっぱり大きな声では言えないけど、超詐欺人間だよね)
フローラの中で、ゼルートはあまりにも規格外過ぎる人物なため、ルーキーという枠の中から完全に外れていた。
冷静に、冷静に考えてみると、クライレットが十歳以下の年齢の時……弟であるゼルートは、更に歳下。
普通に考えれば、クライレットがゼルートに何かをアドバイスするのはおかしくないが、逆はおかしい。
おかしくないところがないと断言出来るほど、自然ではない。
(けど、これだけ下に恐ろしい怪物がいるにもかかわらず、幸せそうに弟の事を語ってるんだから……それに関してあれこれ口を出すのは、やぼってものだよね)
数十分間休憩を取った後、フローラは再度クライレットと訓練を始めた。
「ちょっと派手にやり過ぎな気がしなくもないけど……でもさ、二人とも目立った傷とかないよね」
「ってことは、あの二人にとっちゃ、あれが普通だってのか? さすがにそれは……普通じゃ無さ過ぎるだろ」
ある程度クライレットたちの名はドーウルス内でも広まってはいるが、入ってくる冒険者がそれなりに多いため、まだ四人の名前と顔が一致しない冒険者がそれなりにいる。
ただ、そんな冒険者たちに、ドーウルスを拠点に活動している心優しいベテラン冒険者は、あまりバカな絡み方をしてはいけない冒険者として四人を紹介する。
全員が冒険者として活動を始めて数年とは思えない戦闘力を有しており、まず下手に実力があるルーキーが絡んでも、痛い目を見るのは明らか。
加えてパーティーメンバーの中で、特攻隊長であるバルガスはそういった連中を相手にすることを嫌っておらず、嬉々として叩きのめそうとする。
そして普段はクールな態度だが、パーティーメンバーの事を侮辱されるようなことがあれば、冷静にキレ……冷静な言葉と実力で現実を叩きつけてくる。
他二人も女だと思って油断していれば、間違いなく返り討ちにされてしまい……ペトラからは絶対零度の眼を向けられながら罵られ、フローラからは笑顔で毒を吐かれてしまう。
「ふぅ~~~~。クライレット、ちょっと休憩しても、良いかな」
「そうだね。そうしようか」
訓練が始まってから五分以上が経過し、ようやく二人は動きを止めた。
「クライレット、魔力の消費量は大丈夫?」
「あぁ、問題無いよ。もう一回か二回は出来る」
「……何度も思うけど、やっぱりクライレットの魔力総量ってちょっとおかしいよね」
戦闘中、クライレットは身体強化系のスキルを使用するだけではなく、魔力の斬撃刃や風の攻撃魔法なども使用していた。
にもかかわらず、クライレットの表情にはあまり疲れが浮かんでいない。
「子供の頃から頑張ってたから、かな」
「貴族の子供って、強制的に頑張らなきゃいけない時期みたいなのが、あるんじゃないの?」
「そう、だね……学園に居る時は、他の同世代の人たちの話を聞く機会が多かった…………それを考えると、やっぱりゼルートっていう、偉大な弟がいたからかな」
「実際にあの攻撃っぷりを見たから解るけど、クライレットは本当に彼のことを尊敬してるというか、なんと言うか」
ゼルートが特大攻撃魔法を発動するところを見ただけではなく、実際にクライレットの紹介で会ったこともある。
(まぁ、超超超超超詐欺人間、冒険者って感じだから色々と解らなくはないけど~~)
ある程度視る眼を持っているフローラからすれば、ゼルートは超絶詐欺人間といった印象が一番であった。
「ゼルートもゼルートで、俺の事を色々と褒めてくれてたんだ。俺は……子供の頃から、割と考える力があったみたいなんだけど、それでも更に強くなる切っ掛けみたいなアドバイスをくれたのは、いつもゼルートだった」
(このルーキーの中でもトップクラス……もしかしたらトップかもしれないクライレットにアドバイスを送れる歳下の子供、か…………うん、やっぱり大きな声では言えないけど、超詐欺人間だよね)
フローラの中で、ゼルートはあまりにも規格外過ぎる人物なため、ルーキーという枠の中から完全に外れていた。
冷静に、冷静に考えてみると、クライレットが十歳以下の年齢の時……弟であるゼルートは、更に歳下。
普通に考えれば、クライレットがゼルートに何かをアドバイスするのはおかしくないが、逆はおかしい。
おかしくないところがないと断言出来るほど、自然ではない。
(けど、これだけ下に恐ろしい怪物がいるにもかかわらず、幸せそうに弟の事を語ってるんだから……それに関してあれこれ口を出すのは、やぼってものだよね)
数十分間休憩を取った後、フローラは再度クライレットと訓練を始めた。
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