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兄の物語[22]落ちたければ結構
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「フローラ、ペトラ。襲われてる冒険者の方を頼む」
「了解!」
「直ぐに援護するわ」
まだ襲われていた冒険者はギリギリ殺されていない。
だが、全員ボロボロであり、瀕死に近い者もいる。
「バルガス!」
「おぅよ!!!!」
Bランクの怪物……リザードマンジェネラルが大剣を振り下ろす前にバルガスが飛び蹴りを食らわせ、続けてクライレットの鋭い斬撃刃が放たれた。
「っ!!?? ガっ!?」
ようやく仕留められると思っていたところに、死角からの襲撃。
当然、イライラゲージが高まるリザードマンジェネラルの矛先は直ぐに奇襲を仕掛けてきた二人に向けられた。
「大丈夫? まだ生きてるよね」
「あ、ありがとう、ございます」
「ポーションは持ってるかしら? 持ってないなら、私たちのを渡すからさっさと飲んで」
「て、てめぇら……なに、しやがる!!!!」
場違いな怒鳴り声を上げるのは、先程までリザードマンジェネラルに襲われていたパーティーのリーダー。
「何って、どう見ても救命活動じゃない。もしかして、私たちが毒入りのポーションでも渡すと思ってるの? そんなバカなこと、私たちがするわけないでしょ。する必要もないし」
あんたとは違うんだから、そんな事する必要がない……という考え込められた言葉を、リーダーの男はこの時ばかりは瞬時に読み取った。
「んだと、このクソ、エルフが」
「私がクソなら、あんたがゴミ屑玉無しヒューマンね。私たちに獲物を取られるのが悔しい、ムカつくって思ってるのかもしれないけど、あのリザードマンジェネラルにとってあんたは命懸けで戦う相手じゃなくて、ただのちょこまかと逃げ戸惑う餌なのよ」
相手が重傷を負っている怪我人であろうとも、面倒な敵意を向けてくる人物で相手であれば、容赦なく言葉のナイフをマシンガンの如く連射する。
「というか、私たちに文句を言う元気があるなら、あんたの仲間の心配をしなさいよ! あんた魔物以下に落ちる気? まっ、別に私にとってはどうでも良い事だけど。それじゃ、せいぜい必死に逃げなさい」
「も~~、相変わらず言葉が悪いな~~。でも、あなた達がここに居ても出来ることはないから、早くここから離れてね」
「くっ……」
フローラは回復に必要であるポーションを渡し終え、戦線に向かおうとして、一回立ち止まった。
「先に言っておくけど、最後の最後に良いとこだけ取ろうとしたら、私たちの戦いを邪魔しようとしたら殺すからね。それじゃ」
「っ…………んなんだよ、クソったれ」
本当に軽い感じで殺すからと口にしたフローラ。
その言葉には戦意や殺気、敵意の欠片もなかった。
にもかかわらず……威勢だけは一丁前な男は妙な寒気を感じて震えた。
「うわぁ~~。あのジェネラル、どう見ても普通じゃないね」
フローラは大きなため息を吐きながらも、一切怯えて怯むことなく大斧を持って前衛に上がる。
「フローラっ!! そいつの攻撃は、あんまり受け止めねぇ方が良いぞ!!」
「分かった!!!」
パーティーのタンクであるフローラは敵の攻撃を受け止め、隙をつくるのが役目だが、攻撃を逸らすだけでも十分役割を果たしていると言える。
(っ!!!??? これは、何度も対応するのは、厳しいね!!!)
見れば解る。
リザードマンジェネラルの体には血管が浮き出ており、眼も普通の状態ではなく、やや赤く染まっている。
(あの大剣……どう見ても、魔剣だよね!?)
素人でも普通の武器ではないと解るクオリティを持つ大剣。
手に入れた経緯はどうであれ、並みの武器では対抗出来ない。
「シッ!!!!!」
「っ!? ジャァアアアッ!!!!」
目の前のジェネラルが普通ではないことは、既にクライレットも把握していた。
ほんの一瞬、脚に重点的にダメージを与えてから撤退しようかとも考えたが……そこで撤退しても、自分たちがギルドに報告する間に同業者が殺られるかもしれない。
そう思うと……やはり適当なところで退くという選択肢はあり得なかった。
「了解!」
「直ぐに援護するわ」
まだ襲われていた冒険者はギリギリ殺されていない。
だが、全員ボロボロであり、瀕死に近い者もいる。
「バルガス!」
「おぅよ!!!!」
Bランクの怪物……リザードマンジェネラルが大剣を振り下ろす前にバルガスが飛び蹴りを食らわせ、続けてクライレットの鋭い斬撃刃が放たれた。
「っ!!?? ガっ!?」
ようやく仕留められると思っていたところに、死角からの襲撃。
当然、イライラゲージが高まるリザードマンジェネラルの矛先は直ぐに奇襲を仕掛けてきた二人に向けられた。
「大丈夫? まだ生きてるよね」
「あ、ありがとう、ございます」
「ポーションは持ってるかしら? 持ってないなら、私たちのを渡すからさっさと飲んで」
「て、てめぇら……なに、しやがる!!!!」
場違いな怒鳴り声を上げるのは、先程までリザードマンジェネラルに襲われていたパーティーのリーダー。
「何って、どう見ても救命活動じゃない。もしかして、私たちが毒入りのポーションでも渡すと思ってるの? そんなバカなこと、私たちがするわけないでしょ。する必要もないし」
あんたとは違うんだから、そんな事する必要がない……という考え込められた言葉を、リーダーの男はこの時ばかりは瞬時に読み取った。
「んだと、このクソ、エルフが」
「私がクソなら、あんたがゴミ屑玉無しヒューマンね。私たちに獲物を取られるのが悔しい、ムカつくって思ってるのかもしれないけど、あのリザードマンジェネラルにとってあんたは命懸けで戦う相手じゃなくて、ただのちょこまかと逃げ戸惑う餌なのよ」
相手が重傷を負っている怪我人であろうとも、面倒な敵意を向けてくる人物で相手であれば、容赦なく言葉のナイフをマシンガンの如く連射する。
「というか、私たちに文句を言う元気があるなら、あんたの仲間の心配をしなさいよ! あんた魔物以下に落ちる気? まっ、別に私にとってはどうでも良い事だけど。それじゃ、せいぜい必死に逃げなさい」
「も~~、相変わらず言葉が悪いな~~。でも、あなた達がここに居ても出来ることはないから、早くここから離れてね」
「くっ……」
フローラは回復に必要であるポーションを渡し終え、戦線に向かおうとして、一回立ち止まった。
「先に言っておくけど、最後の最後に良いとこだけ取ろうとしたら、私たちの戦いを邪魔しようとしたら殺すからね。それじゃ」
「っ…………んなんだよ、クソったれ」
本当に軽い感じで殺すからと口にしたフローラ。
その言葉には戦意や殺気、敵意の欠片もなかった。
にもかかわらず……威勢だけは一丁前な男は妙な寒気を感じて震えた。
「うわぁ~~。あのジェネラル、どう見ても普通じゃないね」
フローラは大きなため息を吐きながらも、一切怯えて怯むことなく大斧を持って前衛に上がる。
「フローラっ!! そいつの攻撃は、あんまり受け止めねぇ方が良いぞ!!」
「分かった!!!」
パーティーのタンクであるフローラは敵の攻撃を受け止め、隙をつくるのが役目だが、攻撃を逸らすだけでも十分役割を果たしていると言える。
(っ!!!??? これは、何度も対応するのは、厳しいね!!!)
見れば解る。
リザードマンジェネラルの体には血管が浮き出ており、眼も普通の状態ではなく、やや赤く染まっている。
(あの大剣……どう見ても、魔剣だよね!?)
素人でも普通の武器ではないと解るクオリティを持つ大剣。
手に入れた経緯はどうであれ、並みの武器では対抗出来ない。
「シッ!!!!!」
「っ!? ジャァアアアッ!!!!」
目の前のジェネラルが普通ではないことは、既にクライレットも把握していた。
ほんの一瞬、脚に重点的にダメージを与えてから撤退しようかとも考えたが……そこで撤退しても、自分たちがギルドに報告する間に同業者が殺られるかもしれない。
そう思うと……やはり適当なところで退くという選択肢はあり得なかった。
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