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少年期[954]あまり知らないけど……
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「おぉ~~~、これが噂の」
国王陛下、ついでに近衛騎士二人の前に置かれた料理は……噂の海鮮丼。
ゼルートがラルフロンでバカンスを始め、そこで海鮮丼を作ってからもう数十日……海鮮丼の噂が王都まで届いていてもおかしくない。
実を言うと、ゼルートが作った料理という事もあり、是非とも食べたかった。
冒険者ギルドに依頼すれば可能な話なのだが……同時にゼルートがバカンス中だと知っていたため、しっかり指名依頼をしたとはいえ……わざわざ王都に呼び出すのは申し訳ない。
戦争を終わらせた立役者、英雄ということもあり、自身が国王だからといってほいほい呼ぶのはよろしくないと……欲望を制し、我慢していた。
「おかわりはいくらでもありますので、いつでも言ってください」
「うむ、それでは……頂こうか」
魚を生で食べる。
それは国王だけではなく、近衛騎士も初めての体験。
あまり良い話は聞かないが……ゼルートが作った料理の味への興味が勝り、躊躇うことなく食した。
「ッ……こんな味が、あったのか」
三人は行儀良く……しかし素早く一杯目を食べ終えた。
「はい、どうぞ」
二杯目は刺身の種類を変えて提供。
国王陛下たちは味の変化に気付き、一旦落ち着いた。
早く食べ終えて次をという衝動は残っているが、それでも味わうことが最優先だと判断。
そして四杯目に突入。
すると……国王陛下は何かに気が付いた。
「ゼルート、これらの刺身? はもしや……」
「ダイドシャーク、ウォータードラゴン、ブルーシーサーペントの刺身です」
「「「ッ!!!」」」
CランクとBランク魔物の刺身がふんだんに使用されている椀を見て……興奮が止まらない三人。
因みにウォータードラゴンの肉は魚類に分類されている為、刺身で食べても問題無い。
「……いやはや、ここ数日間の疲れが一気に吹き飛んだ気分だ」
「「同感です、陛下」」
三人は腹八分目を越えた辺りまで海鮮丼を食べ続け、正直なところ……このまま動きたくなかった。
(そうだよなぁ~~、このまま寝てしまいたいって思うよな~)
満腹後は眠くなる。
それは当たり前過ぎる常識。
国王陛下と近衛騎士もベッドに移動して倒れ込み、そのまま寝てしまいたい気分ではあるが……職務がまだまだ残っている為、そういう訳にはいかない。
(……サウナとかあれば、割とシャキッとするのか?)
まだ転生前は学生だったゼルートは、あまりサウナからの水風呂によって得られる整い感を知らない。
「国王陛下、その……今パッと思い付いた内容なのですが」
「……ほぅ…………ふむ、それは……試してみる価値がありそうだな」
満腹後に伝えられた話に興味を持った国王は……その日こそ職務に集中したものの、翌日からはサウナの建設を職人たちに頼んだ。
職人たちもどう作れば良いのか手探りではあるものの、決して難しくはないと解かり、数回ほど実験を繰り返し……ゼルートが予想していたよりも早く制作された。
「んじゃ、ディスタール王国に向かうとするか」
「…………ゼルート、今更だけどガレンさんたちに連絡しておかなくて良かったの?」
「これから向こうで更にバチバチに喧嘩してきますってか?」
「そういう事じゃなくて……」
国王から色々と許可を貰い、海鮮丼をご馳走した翌日、早速ゼルートたちはディスタール王国へと向かう。
そして既に元の姿に戻ったラルの背中に乗って旅立っている。
「別にこれから死にに行く訳じゃないんだ。特に連絡してなくても大丈夫だって。まぁ……もしも何かあったら、全面戦争にはなるだろうけど」
「本当に、それは避けたいところね」
「俺だって同じ気持ちだよ。でもさ、また姑息な手段を許せば……絶対にそこで止めないだろ。最終的に何人かの王族を殺すのか、それともディスパディア家を潰すのかは知らないけど、俺はもうやるって決めてるから」
「……そうね。他のバカな人達に向けて良い抑止力にはなるでしょうね」
抑止力に留まるか、それとも戦争の引き金となるか……それはまだ誰にも分らない。
国王陛下、ついでに近衛騎士二人の前に置かれた料理は……噂の海鮮丼。
ゼルートがラルフロンでバカンスを始め、そこで海鮮丼を作ってからもう数十日……海鮮丼の噂が王都まで届いていてもおかしくない。
実を言うと、ゼルートが作った料理という事もあり、是非とも食べたかった。
冒険者ギルドに依頼すれば可能な話なのだが……同時にゼルートがバカンス中だと知っていたため、しっかり指名依頼をしたとはいえ……わざわざ王都に呼び出すのは申し訳ない。
戦争を終わらせた立役者、英雄ということもあり、自身が国王だからといってほいほい呼ぶのはよろしくないと……欲望を制し、我慢していた。
「おかわりはいくらでもありますので、いつでも言ってください」
「うむ、それでは……頂こうか」
魚を生で食べる。
それは国王だけではなく、近衛騎士も初めての体験。
あまり良い話は聞かないが……ゼルートが作った料理の味への興味が勝り、躊躇うことなく食した。
「ッ……こんな味が、あったのか」
三人は行儀良く……しかし素早く一杯目を食べ終えた。
「はい、どうぞ」
二杯目は刺身の種類を変えて提供。
国王陛下たちは味の変化に気付き、一旦落ち着いた。
早く食べ終えて次をという衝動は残っているが、それでも味わうことが最優先だと判断。
そして四杯目に突入。
すると……国王陛下は何かに気が付いた。
「ゼルート、これらの刺身? はもしや……」
「ダイドシャーク、ウォータードラゴン、ブルーシーサーペントの刺身です」
「「「ッ!!!」」」
CランクとBランク魔物の刺身がふんだんに使用されている椀を見て……興奮が止まらない三人。
因みにウォータードラゴンの肉は魚類に分類されている為、刺身で食べても問題無い。
「……いやはや、ここ数日間の疲れが一気に吹き飛んだ気分だ」
「「同感です、陛下」」
三人は腹八分目を越えた辺りまで海鮮丼を食べ続け、正直なところ……このまま動きたくなかった。
(そうだよなぁ~~、このまま寝てしまいたいって思うよな~)
満腹後は眠くなる。
それは当たり前過ぎる常識。
国王陛下と近衛騎士もベッドに移動して倒れ込み、そのまま寝てしまいたい気分ではあるが……職務がまだまだ残っている為、そういう訳にはいかない。
(……サウナとかあれば、割とシャキッとするのか?)
まだ転生前は学生だったゼルートは、あまりサウナからの水風呂によって得られる整い感を知らない。
「国王陛下、その……今パッと思い付いた内容なのですが」
「……ほぅ…………ふむ、それは……試してみる価値がありそうだな」
満腹後に伝えられた話に興味を持った国王は……その日こそ職務に集中したものの、翌日からはサウナの建設を職人たちに頼んだ。
職人たちもどう作れば良いのか手探りではあるものの、決して難しくはないと解かり、数回ほど実験を繰り返し……ゼルートが予想していたよりも早く制作された。
「んじゃ、ディスタール王国に向かうとするか」
「…………ゼルート、今更だけどガレンさんたちに連絡しておかなくて良かったの?」
「これから向こうで更にバチバチに喧嘩してきますってか?」
「そういう事じゃなくて……」
国王から色々と許可を貰い、海鮮丼をご馳走した翌日、早速ゼルートたちはディスタール王国へと向かう。
そして既に元の姿に戻ったラルの背中に乗って旅立っている。
「別にこれから死にに行く訳じゃないんだ。特に連絡してなくても大丈夫だって。まぁ……もしも何かあったら、全面戦争にはなるだろうけど」
「本当に、それは避けたいところね」
「俺だって同じ気持ちだよ。でもさ、また姑息な手段を許せば……絶対にそこで止めないだろ。最終的に何人かの王族を殺すのか、それともディスパディア家を潰すのかは知らないけど、俺はもうやるって決めてるから」
「……そうね。他のバカな人達に向けて良い抑止力にはなるでしょうね」
抑止力に留まるか、それとも戦争の引き金となるか……それはまだ誰にも分らない。
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