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少年期[945]金金金

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「それじゃ、数日後に取りに来ます」

「分かりました」

情報の提供が終わり、後日また地図回収。

「おかえり、ゼルート」

「ただいま……飯だ飯」

部屋に戻っている二人にそう告げ、直ぐに食堂へ戻る。

幸いにもまだ食堂の時間は終っておらず、人が少ないこともあって速いペースで料理が運ばれてくる。

「職員の反応はどうだった?」

「死ぬほど驚いてたな。まっ、情報が情報なだけに当然だろうけど」

ダンジョンが発見された。
しかも、その階層は十層や二十層程度の階層数ではなく……全部で四十層。

そんなダンジョンから手に入る資源を考えれば、ギルド職員だけではなく商人やラルフロンを収める領主としても、涎が止まらない状態となる。

とはいえ、まだまだ問題が山積みなのは事実。

「後、フォーシックタートルの強さとか、ボス部屋の状況を伝えたけど、結構絶望してたな」

「あぁ~~~~、まぁそうなるわよね」

そもそもボスがAランクの魔物というだけで討伐困難であるため、仮にボスがフォーシックタートルであっても、どちらにしろ絶望感は感じる。

その分、手に入る素材や宝箱には期待出来るが、無事に帰ってこれる可能性は決して高くない。
たった三人だけで討伐したゼルートたちだけが異常なだけ。

「フォーシックタートルも絶望する強さを持っているが、一番の問題は海中ダンジョンに辿り着く為の海中路? じゃないのか」

「その通りだな。でも、海中専用のマジックアイテムの量産が進めば、そこら辺の問題は多少解決するだろうな」

「それはまた時間のかかる話ね。けど……普段以上に海中で動けるようになっても、やっぱり海中モンスターたちの速さは厄介よ」

「だよな……音を発するマジックアイテムとかあれば、少しはダンジョンに到着するまで楽になるだろうけど」

「音? なんで音なの?」

ゼルートの考えに対して、ルウナは当然としてアレナも頭の上にはてなマークが浮かんでいた。

「……例えば、金属に爪で引っ搔いたら、凄い嫌な音とがするだろ」

「そ、そうね」

リアルに想像してしまったルウナは、嫌悪感のあまり身震いした。

「俺たち人間に深いな音がある様に、モンスター達に対しても深いな音ってのがあると思うんだよ」

「そう言われると……そうね。納得出来る考えだわ」

今まで考えたことがなかった内容ではあるが、不思議とすんなりと二人の頭に入った。

「それに、音は地上よりも水中の方が伝わるのが速いみたいだしな」

「えっ、そうなの?」

「そうらしいぞ」

漫画で得た知識であるため、詳しい原理を説明することが出来ない。

創造でそういった本を創り出せば説明できるが、面倒なので特に詳しい説明はしなかった。
二人もゼルートがそういった嘘を付くような性格ではないと把握してるため、深く追求することはなかった。

「音を出すマジックアイテムなら、造るのはそこまで難しくないだろ」

「専門外ではあるけど、そんなに難しくはなさそうね」

「問題はどういった素材を組み合わせれば、海中に生息するモンスターが嫌がるのか。最悪、モンスターの種類ごとによって、その音を変えなければならないかもしれない」

新たなマジックアイテムを造り出すことは容易ではなく、今回ゼルートが考えた様な、比較的制作難易度が高くないマジックアイテムであっても、確かな結果を出すためには多くのトライ&エラーが必要。

当然、自己鍛錬などではないので、多くの時間だけではなく金と素材が必要になる。
そして今回のマジックアイテムに関しては……本当に効果があるのか実験するために、命を危険にさらす必要がある。

その点に関しては冒険者たちに依頼することになるだろうが、それはそれでまたお金がかかってしまう。

(場合によっては今後需要が爆発するであろうマジックアイテムだから、投資する人たちはいるだろうけど……金は湯水の如く湧く訳じゃないからな)

ゼルートはそのマジックアイテムの開発に協力するつもりは、毛頭なかった。
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