762 / 1,043
連載
少年期[919]善処します
しおりを挟む
海中ダンジョンを本格的に探し始めてから、三日目が経過。
『ゼルート殿、気になる建物を発見した』
『建物!!?? 分かった、直ぐにそっちへ行く!!!』
昼飯を食べてから数時間後、ゲイルたちが気になる建物を発見。
ゼルートはその報告を聞いた時点で、確信を持っていた。
そもそも海中に建物は存在しない。
少なくとも……最寄りの街がラルフロンである海域では、その様な海底都市は見つかっていない。
ゼルートは二人が付いてこれる限界ギリギリの速度で海中を蹴り、ゲイルたちが待つ場所へと到着。
「あれか!!!!」
自身を覆う空気のお陰で、声に出しても問題はない……と解っていながらも、今まで海中ではあまり声を出していなかったゼルートだが、報告にあった建物をその目で確認。
すると、警戒心が嘘のように崩れ、驚きの声を上げた。
(不自然にあの場所だけ建物がある……そして、極めつけは一か所にしかない扉!!!!)
ゼルートは湧き上がるワクワクを一旦抑え、冷静になり……鑑定眼を使用。
「っっっっっっっしゃ!!!!!」
魔物が声を聞きつけて襲ってこようが関係無い。
全力ガッツポーズを決め、海中ダンジョンの発見を喜んだ。
(凄い……本当にダンジョンがあったのね)
(ふふ、やはりゼルートとも歳相応の部分があるんだな)
アレナはゼルートと同じく海中ダンジョンの発見に衝撃を受け、アレナは全力ではしゃぐゼルートに微笑ましい目を向けていた。
「よし! 行くぞ!!!」
目の前にダンジョンがあると解れば、探検するしかない。
再び海中を蹴り、一直線に扉へ向かう。
「ちょっ! 待ちなさい!!!」
アレナの制止の声が届くことはなく、ゼルートはその扉に触れた。
「っ!!!???」
次の瞬間、ゼルートは扉に吸い込まれた。
「「「「「……っ!!!???」」」」」
まさかの光景に、一同は大きな衝撃を受けた。
海中扉を開ければ、中へと海水が流れ込むのでは?
そもそも深い場所で扉を開けられるのか?
冷静に考えれば、それらの疑問から海中ダンジョンに入る方法は洞窟タイプや扉を開けるタイプではないという考えに至らなくもない。
だが、アレナたちはリーダーであるゼルートが吸い込まれたことに驚きを隠せず、全員が心配ゆえに……ある意味ゼルートと同じく、何も考えずに扉へ手を触れた。
「よっ、ちょっとびっくりしたな」
アレナたちが急いで扉に手を触れ、中に吸い込まれると……なんてことはない表情をしたゼルートが待っていた。
「っ~~~~~~、このバカ!!!!!!」
「いっ!!!!!?????」
全くアレナからの拳骨を予想していなかったゼルートは、もろに拳骨を頭に食らった。
身体能力に関しては全体的にゼルートの方が上ではあるが、ずば抜けているの魔力量。
腕力や耐久力に関しては、敏捷……素早さが一番上。
逆に耐久力はずば抜けて高くないため、気を抜いた状態ではアレナの素の状態での拳骨でもかなり痛い。
いきなり拳骨を振り下ろしたアレナに対し、基本的には主人であるゼルートが一番であるゲイルも……今回は心配が勝っていたため、アレナの説教を止めに入ることはなかった。
「これ以上、心配かけさせないで!!!」
「……善処します」
自身の性格は理解しているため、絶対に心配かけないとは断言出来ない。
アレナもそれは理解しているので、一先ずそこで説教を終わらせた。
「にしても、入ってすぐは……トンネル、だな」
「こういう部分はいつも通り、なのかな? でも、奥の方から……あれだね、ちょっとジメジメした暑さを感じるね」
「ジメジメした暑さ?」
ラルの言葉が気になり、アレナたちに心配かけない程度の速足で前に進む。
「……な、なるほどな~~~」
目の前の光景を見て、直ぐにラルの言葉を理解したゼルート。
目の前に広がる光景は……密林だった。
『ゼルート殿、気になる建物を発見した』
『建物!!?? 分かった、直ぐにそっちへ行く!!!』
昼飯を食べてから数時間後、ゲイルたちが気になる建物を発見。
ゼルートはその報告を聞いた時点で、確信を持っていた。
そもそも海中に建物は存在しない。
少なくとも……最寄りの街がラルフロンである海域では、その様な海底都市は見つかっていない。
ゼルートは二人が付いてこれる限界ギリギリの速度で海中を蹴り、ゲイルたちが待つ場所へと到着。
「あれか!!!!」
自身を覆う空気のお陰で、声に出しても問題はない……と解っていながらも、今まで海中ではあまり声を出していなかったゼルートだが、報告にあった建物をその目で確認。
すると、警戒心が嘘のように崩れ、驚きの声を上げた。
(不自然にあの場所だけ建物がある……そして、極めつけは一か所にしかない扉!!!!)
ゼルートは湧き上がるワクワクを一旦抑え、冷静になり……鑑定眼を使用。
「っっっっっっっしゃ!!!!!」
魔物が声を聞きつけて襲ってこようが関係無い。
全力ガッツポーズを決め、海中ダンジョンの発見を喜んだ。
(凄い……本当にダンジョンがあったのね)
(ふふ、やはりゼルートとも歳相応の部分があるんだな)
アレナはゼルートと同じく海中ダンジョンの発見に衝撃を受け、アレナは全力ではしゃぐゼルートに微笑ましい目を向けていた。
「よし! 行くぞ!!!」
目の前にダンジョンがあると解れば、探検するしかない。
再び海中を蹴り、一直線に扉へ向かう。
「ちょっ! 待ちなさい!!!」
アレナの制止の声が届くことはなく、ゼルートはその扉に触れた。
「っ!!!???」
次の瞬間、ゼルートは扉に吸い込まれた。
「「「「「……っ!!!???」」」」」
まさかの光景に、一同は大きな衝撃を受けた。
海中扉を開ければ、中へと海水が流れ込むのでは?
そもそも深い場所で扉を開けられるのか?
冷静に考えれば、それらの疑問から海中ダンジョンに入る方法は洞窟タイプや扉を開けるタイプではないという考えに至らなくもない。
だが、アレナたちはリーダーであるゼルートが吸い込まれたことに驚きを隠せず、全員が心配ゆえに……ある意味ゼルートと同じく、何も考えずに扉へ手を触れた。
「よっ、ちょっとびっくりしたな」
アレナたちが急いで扉に手を触れ、中に吸い込まれると……なんてことはない表情をしたゼルートが待っていた。
「っ~~~~~~、このバカ!!!!!!」
「いっ!!!!!?????」
全くアレナからの拳骨を予想していなかったゼルートは、もろに拳骨を頭に食らった。
身体能力に関しては全体的にゼルートの方が上ではあるが、ずば抜けているの魔力量。
腕力や耐久力に関しては、敏捷……素早さが一番上。
逆に耐久力はずば抜けて高くないため、気を抜いた状態ではアレナの素の状態での拳骨でもかなり痛い。
いきなり拳骨を振り下ろしたアレナに対し、基本的には主人であるゼルートが一番であるゲイルも……今回は心配が勝っていたため、アレナの説教を止めに入ることはなかった。
「これ以上、心配かけさせないで!!!」
「……善処します」
自身の性格は理解しているため、絶対に心配かけないとは断言出来ない。
アレナもそれは理解しているので、一先ずそこで説教を終わらせた。
「にしても、入ってすぐは……トンネル、だな」
「こういう部分はいつも通り、なのかな? でも、奥の方から……あれだね、ちょっとジメジメした暑さを感じるね」
「ジメジメした暑さ?」
ラルの言葉が気になり、アレナたちに心配かけない程度の速足で前に進む。
「……な、なるほどな~~~」
目の前の光景を見て、直ぐにラルの言葉を理解したゼルート。
目の前に広がる光景は……密林だった。
45
お気に入りに追加
9,033
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。