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少年期[914]ゼルートでも、無理?
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「海は陸地以上に謎が多いって言うからね」
「……誰も全てを解決しようと思わないのか?」
「ルウナ……普通に潜ろうとして、そんなに呼吸を止めてられる?」
「それは…………普通にやれば、無理だな」
現在、二人はゼルートから教わった風の魔力を応用する技で、海中の中でも呼吸を行える。
その方法を教えてもらい、実行出来る間では精々十分程度が限界。
戦闘が始まれば更に余裕は減ってしまう。
「アレナ、一旦陸に上がろうか」
「そうね」
遊泳のスキルによる効果にプラス、足裏に風の魔力を纏い、放射を行い加速。
二人はあっという間に陸地へと戻り、焚き火を用意して座り込んだ。
「話は戻るが、ゼルートから海中でも呼吸が出来る方法を教えてもらった私たちなら、全ての海を丸裸にする事も不可能ではないのではないか?」
「ルウナ、マジックアイテムの中には海中でも呼吸が出来るようになる指輪とかがあるの。あなたと同じ考えを持った人がいないと思う?」
「むっ……では、実は私たちの様な冒険者が、既にこっそり海の全てを解明し終えているのか」
「そんな訳ないでしょ」
アレナはルウナの考えをバッサリ斬り伏せた。
「死なずに生還した人もいるでしょうけど、多くの人たちは海の魔物たちに食い殺されたはずよ」
「……ゼルートなら、海での戦いも問題無いと思うが」
「そうね……でも、雷と火は確実に使えないでしょ。それに、ゼルートは海の中……水中でも上手く動けるけど、地上と比べて良い動きが出来る訳じゃないの。海の中にも、当然Sランクの魔物がいるの」
「海の中……さすがに、ゼルートでも厳しい、か?」
ゼルートと出会い、仲間になってから日々成長しているルウナだが、まだゼルートと激闘を繰り広げたSランクの自然災害クラスの魔物、悪獣には勝てるイメージが湧かない。
色々と理の外にいる様な冒険者であるゼルートでも、悪獣との戦闘では決して小さくない傷を負っていた。
そこに動き辛さが加われば、流石のゼルートでも勝てるか怪しいところ……と思う二人だが、ゼルートにはまだ二人に見せていない切り札がある。
その切り札を使用すれば……水中であっても、形をした自然災害を倒せなくもない。
「勝てないとは言わない……というか、なんだかんだで勝ちそうだけど、絶対に重傷は負う筈よ。仮に倒せても、直ぐに他の魔物たちが群がってくる筈。重傷を負ったゼルートだったら、たとえAランクの魔物でも遊んでられない相手になるかもしれないでしょ」
「ふむ…………そうだな。ゼルートでも難しいか」
「なんでも出来るゼルートでも、海の全てを丸裸にするのはさすがに無理よ……半分ぐらいは解き明かしそうだけど」
二人から海の全てを解き明かさない? と仮にゼルートへ提案した場合、ゼルートは真剣に悩む。
ゼルートとしても、前世でも海は未知な部分が多いと知っているため。興味がある謎ではある。
「そうだな……あれじゃないか、冒険者を引退した後の趣味になるのではないか?」
「趣味、という枠に当てはまるかしら」
パーティーのリーダーがあまりにも桁外れな存在ではあるため、二人とも一般的な感覚と大幅にズレていた。
「でも、そうね……海の中にあるダンジョンには私も興味があるわ」
「海にダンジョンって、海の中にダンジョンがあるのか!?」
アレナの言葉に、ルウナは目玉が飛び出そうなほど驚く。
「ある学者は、陸地よりも海の方が広いって考えてるらしいの。仮にそれが本当なら、陸地にダンジョンがたくさん……とは言わないけど、それなりにあるのに、海に無いのはおかしいと思わない?」
「それは…………そうだな、おかしいな」
あり得なくもない可能性に、ルウナは珍しく真剣な表情で深く考え始める。
「ゼルートが教えてくれた方法なら、海の中で何十分でも呼吸が出来る。ラルフロンの近くにあるなら……是非とも探してみたいわ」
「アレナ…………ふふ、バカンスは良いのか?」
「っ!」
ルウナとしてはアレナの瞳に冒険心が宿るのは、大いに大歓迎だった。
「……誰も全てを解決しようと思わないのか?」
「ルウナ……普通に潜ろうとして、そんなに呼吸を止めてられる?」
「それは…………普通にやれば、無理だな」
現在、二人はゼルートから教わった風の魔力を応用する技で、海中の中でも呼吸を行える。
その方法を教えてもらい、実行出来る間では精々十分程度が限界。
戦闘が始まれば更に余裕は減ってしまう。
「アレナ、一旦陸に上がろうか」
「そうね」
遊泳のスキルによる効果にプラス、足裏に風の魔力を纏い、放射を行い加速。
二人はあっという間に陸地へと戻り、焚き火を用意して座り込んだ。
「話は戻るが、ゼルートから海中でも呼吸が出来る方法を教えてもらった私たちなら、全ての海を丸裸にする事も不可能ではないのではないか?」
「ルウナ、マジックアイテムの中には海中でも呼吸が出来るようになる指輪とかがあるの。あなたと同じ考えを持った人がいないと思う?」
「むっ……では、実は私たちの様な冒険者が、既にこっそり海の全てを解明し終えているのか」
「そんな訳ないでしょ」
アレナはルウナの考えをバッサリ斬り伏せた。
「死なずに生還した人もいるでしょうけど、多くの人たちは海の魔物たちに食い殺されたはずよ」
「……ゼルートなら、海での戦いも問題無いと思うが」
「そうね……でも、雷と火は確実に使えないでしょ。それに、ゼルートは海の中……水中でも上手く動けるけど、地上と比べて良い動きが出来る訳じゃないの。海の中にも、当然Sランクの魔物がいるの」
「海の中……さすがに、ゼルートでも厳しい、か?」
ゼルートと出会い、仲間になってから日々成長しているルウナだが、まだゼルートと激闘を繰り広げたSランクの自然災害クラスの魔物、悪獣には勝てるイメージが湧かない。
色々と理の外にいる様な冒険者であるゼルートでも、悪獣との戦闘では決して小さくない傷を負っていた。
そこに動き辛さが加われば、流石のゼルートでも勝てるか怪しいところ……と思う二人だが、ゼルートにはまだ二人に見せていない切り札がある。
その切り札を使用すれば……水中であっても、形をした自然災害を倒せなくもない。
「勝てないとは言わない……というか、なんだかんだで勝ちそうだけど、絶対に重傷は負う筈よ。仮に倒せても、直ぐに他の魔物たちが群がってくる筈。重傷を負ったゼルートだったら、たとえAランクの魔物でも遊んでられない相手になるかもしれないでしょ」
「ふむ…………そうだな。ゼルートでも難しいか」
「なんでも出来るゼルートでも、海の全てを丸裸にするのはさすがに無理よ……半分ぐらいは解き明かしそうだけど」
二人から海の全てを解き明かさない? と仮にゼルートへ提案した場合、ゼルートは真剣に悩む。
ゼルートとしても、前世でも海は未知な部分が多いと知っているため。興味がある謎ではある。
「そうだな……あれじゃないか、冒険者を引退した後の趣味になるのではないか?」
「趣味、という枠に当てはまるかしら」
パーティーのリーダーがあまりにも桁外れな存在ではあるため、二人とも一般的な感覚と大幅にズレていた。
「でも、そうね……海の中にあるダンジョンには私も興味があるわ」
「海にダンジョンって、海の中にダンジョンがあるのか!?」
アレナの言葉に、ルウナは目玉が飛び出そうなほど驚く。
「ある学者は、陸地よりも海の方が広いって考えてるらしいの。仮にそれが本当なら、陸地にダンジョンがたくさん……とは言わないけど、それなりにあるのに、海に無いのはおかしいと思わない?」
「それは…………そうだな、おかしいな」
あり得なくもない可能性に、ルウナは珍しく真剣な表情で深く考え始める。
「ゼルートが教えてくれた方法なら、海の中で何十分でも呼吸が出来る。ラルフロンの近くにあるなら……是非とも探してみたいわ」
「アレナ…………ふふ、バカンスは良いのか?」
「っ!」
ルウナとしてはアレナの瞳に冒険心が宿るのは、大いに大歓迎だった。
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