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少年期[896]何分でも潜れる
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露店の料理と宿の豪華ディナーを楽しんだ翌日……三人はリゾート地メインの遊び場、海へやって来ていた。
「場所取っちゃいましょ」
「早く泳ぎに行かないか?」
「ルウナ、海に入る前に軽く準備運動はしておけ。じゃないと足を攣って溺れるぞ」
「むっ……分かった」
自分がそんなヘマをする事はないと思っているが、それでもゼルートの言葉に従い、ルウナは軽く準備運動を始めた。
「もう、二人は休息の意味を理解してるの?」
「理解はしてるって。ただ、ずっと体を動かさないのも良くないだろ。それに、海で泳ぐなんて遊びにしか入らないよ」
「……それなら良いのだけど」
ゼルート特製のパラソルを設置し、ベッドを改造した物を取り出し、場所取りは準備完了。
「よし、行くぞ!!!!」
準備運動を終えたルウナは、一直線に人にぶつからないように走り、海にダイブした。
因みにルウナは黒色のビキニを着ており、アレナは赤のビキニを身に付けている。
二人ともスタイルが良く、顔面偏差値も非常に高いため、周囲の観光客の……主に男性たちの視線を集めていた。
そんな男たちのうち、何名かは連れの女性からビンタを受けていたが、決して二人に罪はなかった。
「本当に元気ね」
「アレナは直ぐに泳ぎたいって思わないのか?」
「そりゃ泳ぎたいとは思うけど、今はこの癒しを堪能したいわ」
アレナの気持ちが解らなくもないゼルートだが、ルウナと同じく軽い準備運動を終えた後、ゆっくりと海に向かって歩を進める。
(ん~~~……ゴーグルが珍しいのか?)
自身のお手製ゴーグル身に付けているゼルートは、周囲からいつも以上に視線を感じていた。
理由としては……確かに、ゼルートが身に付けているゴーグルというアイテムが珍しいというのが一つ。
更にもう一つ、周囲の観光客や地元民たちは、様々な噂からゼルートをゼルートだと認識できていた。
そんなゼルートは現在海パン一丁で、上半身は裸。
日々の戦闘で躍動している肉体が、丸見え状態。
「あれ、本当に十四歳なの?」
「す、凄いわね……」
「……くそっ! 来年こそは」
「ふふ、俺の筋肉だって負けてないぜ」
見た目不相応な筋肉に、ビキニのお姉さん方は少々危ない雰囲気が漏れ……男性の一部は、自分の肉体と見比べて落ち込む。
逆に、自分の筋肉も負けていないと、周囲にアピールするマッチョメンたちもいた。
(っ!? な、なんか寒感が襲ってきた気がしたが……気のせいか?)
若干周囲を警戒しながらも、ゼルートは海水へと脚を踏み入れた。
「っ……丁度良い水温だな」
入水するのに心の準備をする必要がなく、若干暖かさを感じる。
(ビーチから近場に限れば、それなりに透明度が高い……リゾート地には、ピッタリ海だな)
頭から海に沈め、海中を泳ぎ回るゼルート。
前世であれば考えられない動きが、今では可能。
一度海へ潜ったゼルートは約五分ほど、小さな魚などを追いかけながら泳ぎ続けた。
そして、まだまだ泳ぎ続けることは可能だが、一旦海面に上昇。
(魚と同等以上の速さで泳げる……自分の身体能力が前世と比べて爆上がりしてるのは重々承知済みだけど、これはこれで楽しいな)
再びゼルートが潜った周辺には殆ど人がおらず、水中を蹴っても他の客に迷惑を掛けることはない。
一番最初に潜ったルウナも、他の客に迷惑を掛けてはいけないと頭に叩き込んでいるため、激しい水しぶきが一般客に降りかかることはなかった。
「二人とも楽しんでるわね……私も、そろそろ潜ろうかしら」
アレナは以前のダンジョン探索で手に入れた、結界タイプのマジックアイテムを発動。
準備運動を終えた後、ゆったりとした足取りで海に向かう。
アレナまで休憩場所まで離れては、無人状態……ではあるが、マジックアイテムによって展開された結界によって、誰かが三人の所持品を盗むことは不可能。
何人かのアホは馬鹿な行動を実行に移そうと考えたが、展開された結界は素人でも危ないと解かるため、パラソル周辺に焦げ臭いアホが何人も転がる事態にはならなかった。
「場所取っちゃいましょ」
「早く泳ぎに行かないか?」
「ルウナ、海に入る前に軽く準備運動はしておけ。じゃないと足を攣って溺れるぞ」
「むっ……分かった」
自分がそんなヘマをする事はないと思っているが、それでもゼルートの言葉に従い、ルウナは軽く準備運動を始めた。
「もう、二人は休息の意味を理解してるの?」
「理解はしてるって。ただ、ずっと体を動かさないのも良くないだろ。それに、海で泳ぐなんて遊びにしか入らないよ」
「……それなら良いのだけど」
ゼルート特製のパラソルを設置し、ベッドを改造した物を取り出し、場所取りは準備完了。
「よし、行くぞ!!!!」
準備運動を終えたルウナは、一直線に人にぶつからないように走り、海にダイブした。
因みにルウナは黒色のビキニを着ており、アレナは赤のビキニを身に付けている。
二人ともスタイルが良く、顔面偏差値も非常に高いため、周囲の観光客の……主に男性たちの視線を集めていた。
そんな男たちのうち、何名かは連れの女性からビンタを受けていたが、決して二人に罪はなかった。
「本当に元気ね」
「アレナは直ぐに泳ぎたいって思わないのか?」
「そりゃ泳ぎたいとは思うけど、今はこの癒しを堪能したいわ」
アレナの気持ちが解らなくもないゼルートだが、ルウナと同じく軽い準備運動を終えた後、ゆっくりと海に向かって歩を進める。
(ん~~~……ゴーグルが珍しいのか?)
自身のお手製ゴーグル身に付けているゼルートは、周囲からいつも以上に視線を感じていた。
理由としては……確かに、ゼルートが身に付けているゴーグルというアイテムが珍しいというのが一つ。
更にもう一つ、周囲の観光客や地元民たちは、様々な噂からゼルートをゼルートだと認識できていた。
そんなゼルートは現在海パン一丁で、上半身は裸。
日々の戦闘で躍動している肉体が、丸見え状態。
「あれ、本当に十四歳なの?」
「す、凄いわね……」
「……くそっ! 来年こそは」
「ふふ、俺の筋肉だって負けてないぜ」
見た目不相応な筋肉に、ビキニのお姉さん方は少々危ない雰囲気が漏れ……男性の一部は、自分の肉体と見比べて落ち込む。
逆に、自分の筋肉も負けていないと、周囲にアピールするマッチョメンたちもいた。
(っ!? な、なんか寒感が襲ってきた気がしたが……気のせいか?)
若干周囲を警戒しながらも、ゼルートは海水へと脚を踏み入れた。
「っ……丁度良い水温だな」
入水するのに心の準備をする必要がなく、若干暖かさを感じる。
(ビーチから近場に限れば、それなりに透明度が高い……リゾート地には、ピッタリ海だな)
頭から海に沈め、海中を泳ぎ回るゼルート。
前世であれば考えられない動きが、今では可能。
一度海へ潜ったゼルートは約五分ほど、小さな魚などを追いかけながら泳ぎ続けた。
そして、まだまだ泳ぎ続けることは可能だが、一旦海面に上昇。
(魚と同等以上の速さで泳げる……自分の身体能力が前世と比べて爆上がりしてるのは重々承知済みだけど、これはこれで楽しいな)
再びゼルートが潜った周辺には殆ど人がおらず、水中を蹴っても他の客に迷惑を掛けることはない。
一番最初に潜ったルウナも、他の客に迷惑を掛けてはいけないと頭に叩き込んでいるため、激しい水しぶきが一般客に降りかかることはなかった。
「二人とも楽しんでるわね……私も、そろそろ潜ろうかしら」
アレナは以前のダンジョン探索で手に入れた、結界タイプのマジックアイテムを発動。
準備運動を終えた後、ゆったりとした足取りで海に向かう。
アレナまで休憩場所まで離れては、無人状態……ではあるが、マジックアイテムによって展開された結界によって、誰かが三人の所持品を盗むことは不可能。
何人かのアホは馬鹿な行動を実行に移そうと考えたが、展開された結界は素人でも危ないと解かるため、パラソル周辺に焦げ臭いアホが何人も転がる事態にはならなかった。
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