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少年期[848]今のゼルートにあるもの
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興味を惹かれる話を聞いた後……徐々に、徐々に話が恋愛方面に傾き始めた。
ゼルートとしては、今はそういったことを考える余裕がないというのが本音。
国内だけではなく、国外も旅したいという思いがある。
「ゼルートは、歳上の女性が好みだったりするのか」
「えっと……どうでしょうか? 今まで冒険したり訓練したりの日々だったので、あまりそういうことは考えたことがなくて」
ゼブリックの問いをはぐらかすゼルート。
しかし、第二王子は既にゼルートが公爵家の令嬢であるセフィーレと仲が良いのは把握している。
それもあって、ゼルートはもしや歳上好きなのではと思っている。
(個人的には、ルミイルと婚約してほしいと思っているが、もし本当に歳上好きであれば二人を婚約関係にするのは難しいか)
偶に妹であるルミイルと話すことがあるが、その時の話題の大半はゼルートに関するもの。
話していると、本当にゼルートのことが気になっているのだと解る。
(……色々と条件を折り合わせた方が良さそうだな)
ゼルートの冒険者人生を邪魔したいという思いはない。
ただ、妹の恋が実って欲しいという兄心もある。
しかし……王族に生まれた者として、いつまでも未婚のままという訳にはいかない。
話を恋愛方面に持っていきましたが、ゼルートの意志を無視して強引に話を持っていこうとはせず、互いに異性の好みについて踏み込み過ぎない程度に話し……丁度良い時間でお茶会は終了。
「ふぅ~~……せめて、もう十年ぐらいは待ってほしいな」
会話としては互いの異性の好みについてがメインだったが、ゼブリックが何を考えてその話題にしたのか。
それぐらいは容易に想像できた。
(十年経ったら、俺は二十三……まぁ、そこそこ良い歳ではあるよな。結婚するにしても、悪くない時期……いや、貴族出身ってのを考えると、ちょっと遅いのか?)
転生前が庶民だったこともあり、二十三での結婚は寧ろ早いというイメージが残っている。
だが、この世界ではいたって普通。
貴族出身ということを考えれば、やや遅いまである。
(アドルフさんたちからも似たようなお願いというか頼みというか紹介? されてるし……でも、真剣に考えておかないと駄目な話だよな)
このままずっと、なぁなぁで流すのは良くない……そんなことを考えながら馬車は宿に到着し、その後にアレナとルウナの二人と合流。
時間的に夕食を食べ始めるのにピッタリということもあり、適当に良さそうな店を探し、店内に入った。
「ギルドで冒険者学園の臨時教師を頼みたい、って依頼があったんだけど、どう思う」
注文を頼み終わると、アレナは王都のギルドで発見した興味を引く内容の依頼をリーダーに伝える。
「どうって……もしかして、ドーウルスに居た時に護衛した学生たちが在籍している学園か?」
「そうよ」
「護衛じゃなくて、臨時教師か……俺に務まるか?」
護衛というミッションであれば、それなりに上手くやれるという自信が付いてきた。
しかし、個人的に誰かに何かを教えるというミッションに関しては、あまり上手くやれる気がしない。
「あら、意外に悩むのね。私はゼルートなら上手くやれると思ってるけど」
「同感だな。ゼルートは悪意や敵意を持つ相手に限れば衝突しやすいが、普通の相手には普通の対応をするだろ。それに、冒険者になってから色々と教わった私が断言する。ゼルートにはそちらの才能もあるはずだ」
「お、おぅ。そ、そうか……褒めてくれるのは嬉しいが、生徒たちからすれば俺みたいな、まだまだ若過ぎる小僧に何かを教えられるってのは、プライドにくるものがあると思うんだが」
「……今までのゼルートなら、生徒たちからあまり良くない感情を向けられるかもしれないわね」
アレナは以前のゼルートと、今のゼルートの決定的な違いに気付いている為、基本的にゼルートと生徒が衝突することはないと考えている。
「でも、今のあなたは戦争をたった一日で終わらせた英雄よ。生徒たちからすれば、羨望の眼差しを向ける存在なの」
色々と恥ずかしさを感じる言葉ではあるが、その言葉を受けた本人は思わず「なるほど」と頷いてしまった。
ゼルートとしては、今はそういったことを考える余裕がないというのが本音。
国内だけではなく、国外も旅したいという思いがある。
「ゼルートは、歳上の女性が好みだったりするのか」
「えっと……どうでしょうか? 今まで冒険したり訓練したりの日々だったので、あまりそういうことは考えたことがなくて」
ゼブリックの問いをはぐらかすゼルート。
しかし、第二王子は既にゼルートが公爵家の令嬢であるセフィーレと仲が良いのは把握している。
それもあって、ゼルートはもしや歳上好きなのではと思っている。
(個人的には、ルミイルと婚約してほしいと思っているが、もし本当に歳上好きであれば二人を婚約関係にするのは難しいか)
偶に妹であるルミイルと話すことがあるが、その時の話題の大半はゼルートに関するもの。
話していると、本当にゼルートのことが気になっているのだと解る。
(……色々と条件を折り合わせた方が良さそうだな)
ゼルートの冒険者人生を邪魔したいという思いはない。
ただ、妹の恋が実って欲しいという兄心もある。
しかし……王族に生まれた者として、いつまでも未婚のままという訳にはいかない。
話を恋愛方面に持っていきましたが、ゼルートの意志を無視して強引に話を持っていこうとはせず、互いに異性の好みについて踏み込み過ぎない程度に話し……丁度良い時間でお茶会は終了。
「ふぅ~~……せめて、もう十年ぐらいは待ってほしいな」
会話としては互いの異性の好みについてがメインだったが、ゼブリックが何を考えてその話題にしたのか。
それぐらいは容易に想像できた。
(十年経ったら、俺は二十三……まぁ、そこそこ良い歳ではあるよな。結婚するにしても、悪くない時期……いや、貴族出身ってのを考えると、ちょっと遅いのか?)
転生前が庶民だったこともあり、二十三での結婚は寧ろ早いというイメージが残っている。
だが、この世界ではいたって普通。
貴族出身ということを考えれば、やや遅いまである。
(アドルフさんたちからも似たようなお願いというか頼みというか紹介? されてるし……でも、真剣に考えておかないと駄目な話だよな)
このままずっと、なぁなぁで流すのは良くない……そんなことを考えながら馬車は宿に到着し、その後にアレナとルウナの二人と合流。
時間的に夕食を食べ始めるのにピッタリということもあり、適当に良さそうな店を探し、店内に入った。
「ギルドで冒険者学園の臨時教師を頼みたい、って依頼があったんだけど、どう思う」
注文を頼み終わると、アレナは王都のギルドで発見した興味を引く内容の依頼をリーダーに伝える。
「どうって……もしかして、ドーウルスに居た時に護衛した学生たちが在籍している学園か?」
「そうよ」
「護衛じゃなくて、臨時教師か……俺に務まるか?」
護衛というミッションであれば、それなりに上手くやれるという自信が付いてきた。
しかし、個人的に誰かに何かを教えるというミッションに関しては、あまり上手くやれる気がしない。
「あら、意外に悩むのね。私はゼルートなら上手くやれると思ってるけど」
「同感だな。ゼルートは悪意や敵意を持つ相手に限れば衝突しやすいが、普通の相手には普通の対応をするだろ。それに、冒険者になってから色々と教わった私が断言する。ゼルートにはそちらの才能もあるはずだ」
「お、おぅ。そ、そうか……褒めてくれるのは嬉しいが、生徒たちからすれば俺みたいな、まだまだ若過ぎる小僧に何かを教えられるってのは、プライドにくるものがあると思うんだが」
「……今までのゼルートなら、生徒たちからあまり良くない感情を向けられるかもしれないわね」
アレナは以前のゼルートと、今のゼルートの決定的な違いに気付いている為、基本的にゼルートと生徒が衝突することはないと考えている。
「でも、今のあなたは戦争をたった一日で終わらせた英雄よ。生徒たちからすれば、羨望の眼差しを向ける存在なの」
色々と恥ずかしさを感じる言葉ではあるが、その言葉を受けた本人は思わず「なるほど」と頷いてしまった。
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