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少年期[818]その一言で状況把握
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「っ!!!???」
強敵との戦いが……実戦が終わった。
数的には有利だったとはいえ、強敵だったことに変わりはない。
そして自分たちより強い敵に勝てば……基本的に気が抜けてしまうもの。
レイリアも戦場で気を抜いてはいけないことは解っていたが、それでも少し……気が抜けてしまった。
だが、そこで気配感知のスキルを発動していたのは幸いだった。
戦いが終わった瞬間こそ、狙われる可能性が高い。
そんなことを軽装冒険者たちを倒した直後に考えていた訳ではないが、脳に刻み込まれていた知識が本能的に行動を起こしていた。
(これは……無理?)
ただ、自分たちの方に向かって来る気配。
そして直感で向かって来る者の戦闘力を測った結果……ここから自分がどう動こうと、その敵を止められる気がしなかった。
一番最初に狙われるのは自分じゃない。
であれば、自分を守ることは可能かもしれないが……一緒に戦争に参加した学生たちが死ぬ可能性は限りなく高い。
「っ!! 守って!!!!!」
もう……四の五の悩んでいる場面ではない。
この戦争中、本当は使うつもりなどなかった。
自分たちの力だけで困難を切り抜けるつもりだったが……そんな我儘なプライドと、同じ学園の生徒の命……天秤に乗せる前から、結果は解っている。
レイリアは自身のアイテムポーチからゼルート作である特製ゴーレム……錬金獣を取り出し、とにかく簡単な命令を出した。
細かい命令を出せていないが、もう時間的にそれしか伝えられない。
既に自分の魔力は注いでいるので、命令自体は聞く。
「……」
レイリア専用の錬金獣は、腕が六本の阿修羅ナイト。
そして高性能な知能と感知力を持つ阿修羅ナイトは「守って!!!!」その言葉だけで、主が何を頼んだのかを察知。
直ぐに動き、最も油断する瞬間を狙っていた冒険者の攻撃をガード。
「っ!?」
冒険者が奇襲を驚いたことに見向きもせず、手に持つ魔剣をぶっ刺し、瞬殺。
「え……えっ!!??」
いきなり現れたリビングデットに近い何かが、自分たちを奇襲しようとした敵から守ってくれた……それはなんとなく解る。
解るが、状況を理解するまでにやや時間が掛かった。
そして何よりも……目の前の物体は何なのか。
それが気になって仕方ない。
「はぁ~~~……解ってはいたけど、とんでもない物ね」
「……レイリア。この……ゴーレム? のお陰で後輩たちが殺されずに済んだ。そして俺たちの命も助かった。その事実は理解出来る……だが、これは何なんだ?」
レイリアの弟であるゼルートが目の前の物体を置いて、直ぐに立ち去ったことは覚えている。
だが、レイリアがから目の前の物体については、説明されてない。
「弟……ゼルートが錬金術で造った錬金獣……一種のゴーレムね」
「これが、ゴーレム……あり得ないだろ」
「そんな事言われても困るわよ。造ったのは私じゃないんだから」
それもそうだ。
制作者ではないレイリアにそんな事を言ったところで、一つも解ることはない。
ただ……生命力は感じない。
しかしどう考えても、目の前のゴーレム……錬金獣が自分たちより、遥か格上だという事だけは理解出来る。
「ね、ねぇ。この錬金獣? が持ってる武器、全部魔剣よね」
阿修羅ナイトが手に持っている武器は、全て各属性が付与されている魔剣。
勿論、魔剣という名ばかりのしょぼい性能ではなく、全てが業物と呼べる高品質な物ばかり。
「そうね……多分、普通の魔剣じゃないわ」
「だろうな。一本ぐらい欲しいぜ……てか、六本も集めるのにどれだけ金掛かったんだ?」
「さぁ、それは知らないわ。でも、ゼルートは最近ホーリーパレスってダンジョンを探索してたららしいし、もしかしたらそのダンジョンで手に入れた宝箱の中に入ってた魔剣かもしれないわね」
姉であるレイリアは見事、正解をあっさりと言い当てた。
目の前の錬金獣、そしてそれを造ったゼルートという名の規格外に、レイリアの同級生たちはもう……どう反応すれば良いか分からなかった。
強敵との戦いが……実戦が終わった。
数的には有利だったとはいえ、強敵だったことに変わりはない。
そして自分たちより強い敵に勝てば……基本的に気が抜けてしまうもの。
レイリアも戦場で気を抜いてはいけないことは解っていたが、それでも少し……気が抜けてしまった。
だが、そこで気配感知のスキルを発動していたのは幸いだった。
戦いが終わった瞬間こそ、狙われる可能性が高い。
そんなことを軽装冒険者たちを倒した直後に考えていた訳ではないが、脳に刻み込まれていた知識が本能的に行動を起こしていた。
(これは……無理?)
ただ、自分たちの方に向かって来る気配。
そして直感で向かって来る者の戦闘力を測った結果……ここから自分がどう動こうと、その敵を止められる気がしなかった。
一番最初に狙われるのは自分じゃない。
であれば、自分を守ることは可能かもしれないが……一緒に戦争に参加した学生たちが死ぬ可能性は限りなく高い。
「っ!! 守って!!!!!」
もう……四の五の悩んでいる場面ではない。
この戦争中、本当は使うつもりなどなかった。
自分たちの力だけで困難を切り抜けるつもりだったが……そんな我儘なプライドと、同じ学園の生徒の命……天秤に乗せる前から、結果は解っている。
レイリアは自身のアイテムポーチからゼルート作である特製ゴーレム……錬金獣を取り出し、とにかく簡単な命令を出した。
細かい命令を出せていないが、もう時間的にそれしか伝えられない。
既に自分の魔力は注いでいるので、命令自体は聞く。
「……」
レイリア専用の錬金獣は、腕が六本の阿修羅ナイト。
そして高性能な知能と感知力を持つ阿修羅ナイトは「守って!!!!」その言葉だけで、主が何を頼んだのかを察知。
直ぐに動き、最も油断する瞬間を狙っていた冒険者の攻撃をガード。
「っ!?」
冒険者が奇襲を驚いたことに見向きもせず、手に持つ魔剣をぶっ刺し、瞬殺。
「え……えっ!!??」
いきなり現れたリビングデットに近い何かが、自分たちを奇襲しようとした敵から守ってくれた……それはなんとなく解る。
解るが、状況を理解するまでにやや時間が掛かった。
そして何よりも……目の前の物体は何なのか。
それが気になって仕方ない。
「はぁ~~~……解ってはいたけど、とんでもない物ね」
「……レイリア。この……ゴーレム? のお陰で後輩たちが殺されずに済んだ。そして俺たちの命も助かった。その事実は理解出来る……だが、これは何なんだ?」
レイリアの弟であるゼルートが目の前の物体を置いて、直ぐに立ち去ったことは覚えている。
だが、レイリアがから目の前の物体については、説明されてない。
「弟……ゼルートが錬金術で造った錬金獣……一種のゴーレムね」
「これが、ゴーレム……あり得ないだろ」
「そんな事言われても困るわよ。造ったのは私じゃないんだから」
それもそうだ。
制作者ではないレイリアにそんな事を言ったところで、一つも解ることはない。
ただ……生命力は感じない。
しかしどう考えても、目の前のゴーレム……錬金獣が自分たちより、遥か格上だという事だけは理解出来る。
「ね、ねぇ。この錬金獣? が持ってる武器、全部魔剣よね」
阿修羅ナイトが手に持っている武器は、全て各属性が付与されている魔剣。
勿論、魔剣という名ばかりのしょぼい性能ではなく、全てが業物と呼べる高品質な物ばかり。
「そうね……多分、普通の魔剣じゃないわ」
「だろうな。一本ぐらい欲しいぜ……てか、六本も集めるのにどれだけ金掛かったんだ?」
「さぁ、それは知らないわ。でも、ゼルートは最近ホーリーパレスってダンジョンを探索してたららしいし、もしかしたらそのダンジョンで手に入れた宝箱の中に入ってた魔剣かもしれないわね」
姉であるレイリアは見事、正解をあっさりと言い当てた。
目の前の錬金獣、そしてそれを造ったゼルートという名の規格外に、レイリアの同級生たちはもう……どう反応すれば良いか分からなかった。
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