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少年期[780]騎士失格かもしれないが
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結局、ゼルートは決め手の言葉として……自分は生涯冒険者なので。
という気持ちをゼブリックに伝えた。
その言葉に、ゼブリックはゼルートの本気の気持ちと……妹を婚約者にどうだ、という言葉に対しての問題点を感じ取った。
「……二人から見て、ゼルート君はどうだったかな」
「…………こんなことを言ってしまうのは、殿下を守る騎士として失格でしょう。ですが、言わざるを得ません。もし、あの状況で彼が本気で殿下に手を掛けようするのであれば……おそらく、お守りすることが出来ません」
一人の騎士が、正直にゼルートの実力に対する評価を口にした。
「殿下、私も同じ感想です。ゼルート殿が無意識に戦意を零した瞬間……良い表し難い何かを感じました」
「それは……彼がドラゴンの様に思えた、ということか」
「そう、なのかもしれません」
暴力の化身であるドラゴン。
確かにゼルートの実力は、見方によってはそう見えるかもしれない。
だが、騎士二人はゼルートから力以外にも攻略しがたい技術力の高さも感じ取った。
戦意をむき出しにしながらも、決して崩しようがない堅牢さを感じさせつつ……獰猛ない場も感じ取った。
「そうか……いや、そうだな。ゼルート君の戦力は、私たちに測れるものではないのかもしれない……な」
「鑑定で視たわけではありませんが、ゼルート殿のお仲間であるアレナ殿とルウナ殿も高い戦力を有しておりました。アレナ殿は元Aランクの冒険者でありますし、現在も腕は衰えていないでしょう」
「ルウナ殿に関しては、まだゼルート殿と同じくCランクではありますが、ランクでは真の実力を測れないといった
点でもゼルート殿と同じです。おそらく、アレナ殿と同等の実力を有しているかと」
「Cランクでありながら、Aランク冒険者クラスの実力者が二人……それと、外で見張りをしていた従魔の三体も私は恐ろしい存在だと感じたが……二人はどうだ」
ゼブリックからの問いに対し、二人は言葉が詰まってしまった。
だが、ゼブリックは二人に答えを急かすことはなく、言葉が出てくるまで待った。
「殿下と、同じ考えですが……心の底から恐ろしい存在だと感じました。そして、その……あの紅いリザードマンに対しては、騎士として……負けていると感じました」
恐ろしいと感じた……と、口にしながらも……その騎士は力強く拳を握りしめていた。
その気持ちはもう一人の騎士も同じく、手のひらから血が出そうなほどの強さで拳を握っていた。
「ふむ。お前たち二人が騎士として……か。それは、あの紅いリザードマンに……ゲイルという名だったか。ゲイルに、騎士道精神を感じた。そういうことか」
「えぇ、その通りです。あの者の目……自分の主人に合わせても問題無いのか、立場が同じであれば私も同じ目になります。そして……悔しいですが、剣の腕は敵わないと……本能的に感じました」
「身体能力ではなく、剣の腕がか……そうか」
ゼブリックに仕える騎士の二人は、ロングソードをメインに使って戦う戦闘スタイル。
それはゲイルも同じだった。
(身体能力では二人よりゼルート君の従魔であるゲイル達の方が上だと思っていたが……まさか、剣技の腕まで彼らの方が上とは……強者は強者を引き寄せる、ということか)
類は友を呼ぶ、ではないが……確かにゼルートとゲイルたちはそういった単純な理由で出会い、仲間となったのかもしれない。
「殿下、私が言わずとも解っていると思いますが……絶対に彼を他国に渡してはなりません。両親がオルディア王国に属する貴族なのでは問題はないと思いますが」
「あぁ、そうだな……もし、彼が他国の者になってしまったと思うと……震えが止まらない」
まず!! 今は今回の戦争で勝つことに全力を尽くさなければならない。
それはゼブリックも重々承知している。
ただ、それが終わってからの目標が今……完全に定まった。
という気持ちをゼブリックに伝えた。
その言葉に、ゼブリックはゼルートの本気の気持ちと……妹を婚約者にどうだ、という言葉に対しての問題点を感じ取った。
「……二人から見て、ゼルート君はどうだったかな」
「…………こんなことを言ってしまうのは、殿下を守る騎士として失格でしょう。ですが、言わざるを得ません。もし、あの状況で彼が本気で殿下に手を掛けようするのであれば……おそらく、お守りすることが出来ません」
一人の騎士が、正直にゼルートの実力に対する評価を口にした。
「殿下、私も同じ感想です。ゼルート殿が無意識に戦意を零した瞬間……良い表し難い何かを感じました」
「それは……彼がドラゴンの様に思えた、ということか」
「そう、なのかもしれません」
暴力の化身であるドラゴン。
確かにゼルートの実力は、見方によってはそう見えるかもしれない。
だが、騎士二人はゼルートから力以外にも攻略しがたい技術力の高さも感じ取った。
戦意をむき出しにしながらも、決して崩しようがない堅牢さを感じさせつつ……獰猛ない場も感じ取った。
「そうか……いや、そうだな。ゼルート君の戦力は、私たちに測れるものではないのかもしれない……な」
「鑑定で視たわけではありませんが、ゼルート殿のお仲間であるアレナ殿とルウナ殿も高い戦力を有しておりました。アレナ殿は元Aランクの冒険者でありますし、現在も腕は衰えていないでしょう」
「ルウナ殿に関しては、まだゼルート殿と同じくCランクではありますが、ランクでは真の実力を測れないといった
点でもゼルート殿と同じです。おそらく、アレナ殿と同等の実力を有しているかと」
「Cランクでありながら、Aランク冒険者クラスの実力者が二人……それと、外で見張りをしていた従魔の三体も私は恐ろしい存在だと感じたが……二人はどうだ」
ゼブリックからの問いに対し、二人は言葉が詰まってしまった。
だが、ゼブリックは二人に答えを急かすことはなく、言葉が出てくるまで待った。
「殿下と、同じ考えですが……心の底から恐ろしい存在だと感じました。そして、その……あの紅いリザードマンに対しては、騎士として……負けていると感じました」
恐ろしいと感じた……と、口にしながらも……その騎士は力強く拳を握りしめていた。
その気持ちはもう一人の騎士も同じく、手のひらから血が出そうなほどの強さで拳を握っていた。
「ふむ。お前たち二人が騎士として……か。それは、あの紅いリザードマンに……ゲイルという名だったか。ゲイルに、騎士道精神を感じた。そういうことか」
「えぇ、その通りです。あの者の目……自分の主人に合わせても問題無いのか、立場が同じであれば私も同じ目になります。そして……悔しいですが、剣の腕は敵わないと……本能的に感じました」
「身体能力ではなく、剣の腕がか……そうか」
ゼブリックに仕える騎士の二人は、ロングソードをメインに使って戦う戦闘スタイル。
それはゲイルも同じだった。
(身体能力では二人よりゼルート君の従魔であるゲイル達の方が上だと思っていたが……まさか、剣技の腕まで彼らの方が上とは……強者は強者を引き寄せる、ということか)
類は友を呼ぶ、ではないが……確かにゼルートとゲイルたちはそういった単純な理由で出会い、仲間となったのかもしれない。
「殿下、私が言わずとも解っていると思いますが……絶対に彼を他国に渡してはなりません。両親がオルディア王国に属する貴族なのでは問題はないと思いますが」
「あぁ、そうだな……もし、彼が他国の者になってしまったと思うと……震えが止まらない」
まず!! 今は今回の戦争で勝つことに全力を尽くさなければならない。
それはゼブリックも重々承知している。
ただ、それが終わってからの目標が今……完全に定まった。
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