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少年期[724]特に分かってない

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「久しぶりに来たな」

「そうね。なんだかんだで久しぶりね」

「ホーリーパレスで潜っていた時間が長かったからな」

三人はそれなりに強い盗賊団の殲滅を終えた後、その後は魔物に襲われることはあれど、無事にドーウルスに辿り着いた。

「……あんまり変わってないな」

「そりゃ変わることはないでしょ。前に来た時から一年も経ってないんだから」

「それはそうか」

ゼルートとしては最後にドーウルスで過ごしてから色々とあったので、随分と久しぶりに来た感覚。
しかし実際のところは半年も経っていない。

「それで、まずはどこに行くの? まさかギルドに行って依頼でも受けるつもり?」

「私はそれでも構わないぞ」

現在時間は昼過ぎ。
これから依頼を受けて魔物を狩りに行くには、少し時間が遅い。

ルウナだけではなくゲイルやラームもこれから魔物を狩りに行くのに反対はしない。
だが、ゼルートは特にそのつもりはなかった。

「今日は用事を済ませるだけだ。というか、明日にはまた実家に向けて出発する盛だし、ドーウルスにいる間に依頼を受ける予定はないからな」

ゼルートの言葉を聞いてアレナは安心し、アレナは少々不満顔になった。

そしてゼルートは依頼こそ受けるつもりはないが、ギルドへ真っすぐ向かった。

「……ゼルート、依頼は受けないのよね」

「あぁ、依頼を受けないぞ。ただ、ギルドマスターに少し話が合ってな。俺だけで十分だから、二人はゲイル達と一緒に訓練場で模擬戦でもしてて良いぞ」

「ふむ、ギルドマスターとの話し合いであれば私たちは不要だな! アレナ、ゲイル達を連れて訓練場に向かうぞ!!!」

「……そうして時間を潰すしかなさそうね」

アレナはルウナにズルズルと引きずられながらゲイルたちを迎えに行き、直ぐに訓練場に向かった。
そしてゼルートはギルドマスターとお話するために受付嬢に声を掛けた。

「すいません、ギルドマスターに話があるので通してもらっても良いですか」

「あ、あの。まずはギルドカードを見せて頂いても良いでしょうか」

「はい、分かりました」

声を掛けられた受付嬢はゼルートたちがドーウルスから離れている間に新しくギルドに就職した受付嬢。
冒険者界隈ではそれなりに有名になったゼルートだが、冒険者ギルドに就職した受付嬢はあまり冒険者事情に詳しくなかった。

ドーウルスではゼルートが活躍してた時期の話がまだ残っており、その正確な見た目も伝わっているのだが……それはあくまで冒険者にのみ。

その冒険者でも腕に自信があるルーキーや、他の街からドーウルスにやって来た冒険者はゼルートが高ランクの魔物をソロで倒す様な化け物だと信じていない者は残念ながら、チラホラといる。

しかし今日のところはゼルートに喧嘩を売るような命知らずはおらず、まだ犠牲者は現れていない。

「えっと…………あの、ギルドマスターはお忙しい方ですので、基本的にはお会いできないんですよ」

ゼルートの見た目を侮って上から目線の態度を取ることはないが、言葉を噛み砕けば「お前みたいな低ランクの冒険者と会う訳がないだろ。ちょっとは考えてからものを言え」という意味で間違いはない。

勿論対応した受付嬢は内心でそんなことを考えていないが、門前払いという形に変わりはない。

(あぁ~~~~、そういう対応になるか。一応手紙で事情は伝えてる訳だし、別に会う必要はないっちゃないんだけどさ……仕方ない、諦めるか)

別に無理なら無理でそれは構わない。
アポも取っていないので、ギルドカードを返されたゼルートは訓練場に向かおうとしたが、ゼルートの顔を覚えている受付嬢が慌ててやって来た。

「す、すいませんゼルートさん!! 彼女はまだ受付嬢になったばかりなので、冒険者事情に関しては疎いんですよ」

「あ、そうなんですね。大丈夫ですよ」

「え、え???????」

隣で新人受付嬢が頭の上にたくさんはてなマークを浮かべているが、構わず先輩受付嬢は話しを進めた。
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