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少年期[713]本当に取ってはいけない
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「なんや、随分と余裕そうな表情してるやんけ」
「余裕? 別にそんなことはないと思うけど」
「いいや、今のお前さんには確かに余裕が生まれてる。さっきまでの殺気がかなり薄まってるからな」
もしもの可能性をオーラスが口に出した瞬間、まるで火山が噴火したかのような勢いでゼルートから殺気が溢れ出した。
それからも刺々しい雰囲気を崩さなかったが、荒々しく刺々しい雰囲気がやや落ち着き始めていた。
「……まぁ、あれだ。良い策を一つ思い付いたんだ」
「ほぅ……それは気になるやんけ。教えてくれへんか」
「あぁ、別に構わないぞ。誰でも思い付くであろう考えではあるからな」
誰でも思い付く考え。
そう言われてもオーラスの頭にはゼルートがこれから直面するかもしれない危機に対して、有効打になる策がパッと浮かんでこなかった。
「もう直ぐ戦争が始まるだろ」
「せやな。こっちにお前さんとその仲間がいるから勝ち、確定や」
「はは、そうかもしれないけどオーラスたちもきっちり大手クランの力を見せてくれよ」
「そりゃあ、確かに見せないといかんけどな」
今度の戦争には銀獅子の皇に所属するランサー、アルゼルガだけではなくオーラスも参加する。
冒険者ギルドから戦争に参加してくれと要請は送られるが、主力メンバーを全員送り込む必要はない。
当然だが、戦争に参加すれば死ぬ危険性が増す。
日頃のダンジョン探索でも勿論死ぬ可能性はあるのだが、ダンジョンでの探索は万全の準備を整え、リスクを考慮しながら動ける。
万が一の状況になれば、帰還石を使用して地上へ逃げることも出来る。
だが……戦争は四方八方から敵が現れる。
そんな状況では後退するのも難しく、気を配らなければならない範囲が広い。
万が一クランの主力メンバーが死ねば、クランの戦力低下に直結する。
「それでだ、俺は今回の戦争で大活躍するつもりだ」
「……お前さんがそのつもりなくても、結果的に大活躍するのは間違いないやろ。後ろでちまちまやるつもりはないんやろ」
「勿論だ。魔法は得意だけど、やっぱり接近戦でバチバチに戦う方が性に合ってるからな。とりあえず今回の戦争で一番活躍したのは俺だって断言出来るぐらい活躍する」
「なら、大将首を取った方が手っ取り早いかもな」
今回の戦争、侵略戦争ではないが大将的存在が参加する。
「大将首か……こっちが誰なのかは知らないけど、向こうはどんな人が大将として参加するんだろうな……」
「噂程度なんやけど、どうやら王族が参加する……かもしれへんようやで」
「ッ!!?? ……マジかよ」
「いや、噂程度って言ってるやろ。本当かどうかは分らんって。侵略戦争やないんやから、普通に騎士団長とか公爵家の当主かもしれへんし」
「そっか……まぁ、何はともあればちょっと面白いかもな」
先程の様な爆発的な殺気はもう完全に消えていた……だが、それに代わって非常に荒々しい闘志が溢れ出した。
「なぁ、ゼルート。言っとくが、侵略じゃないんやから向こうの大将は基本的に殺さんようせいよ」
「ん? 侵略ではないけど戦争なんやろ。向こうだって殺される覚悟ぐらいは出来てるだろ」
「……解ってへんな。基本的に捕虜って形にするんや。もし、今回の戦争で本当に大将首を取ってもうたら向こうとの関係が超悪化するやろ。あと、個人的にむっちゃ恨まれんで」
「えっ……そういうもんなの??」
「そういうもんやねん。国内だけやなくて、国外にも敵をつくるつもりか?」
「なるほどな…………分かった、気を付けるよ。あっ、その国内の敵に関してだけど、大活躍すれば国王様と面会とかありそうだろ」
国王との面会……それが叶えば、多くの権力者に牽制が出来るとゼルートは考えていた。
「せやな……お前さんがどれぐらい活躍するのかもよるやろうけど、爵位を授与される可能性だって十分にあるな」
「えっ!? 爵位って……俺、それはいらないんだけど」
「ハッキリ言うけど、お前さんは悪獣を討伐した時点で爵位を貰ってもおかしくないんやで」
一定の場所に永遠と潜む規格外の魔物を倒した……それだけでも十分賞賛に値するが、悪獣の件に関しては開戦前に冒険者が集まらなければ多くの死者が出てしまっていた。
ゼルートはそれを未然に防いだ立役者と言っても過言ではない。
(ふ~~~~~ん……国が、国王様がその件に関しても賞賛してくれてるのであれば、俺の意見が通る確率がグッと上がりそうだな)
「余裕? 別にそんなことはないと思うけど」
「いいや、今のお前さんには確かに余裕が生まれてる。さっきまでの殺気がかなり薄まってるからな」
もしもの可能性をオーラスが口に出した瞬間、まるで火山が噴火したかのような勢いでゼルートから殺気が溢れ出した。
それからも刺々しい雰囲気を崩さなかったが、荒々しく刺々しい雰囲気がやや落ち着き始めていた。
「……まぁ、あれだ。良い策を一つ思い付いたんだ」
「ほぅ……それは気になるやんけ。教えてくれへんか」
「あぁ、別に構わないぞ。誰でも思い付くであろう考えではあるからな」
誰でも思い付く考え。
そう言われてもオーラスの頭にはゼルートがこれから直面するかもしれない危機に対して、有効打になる策がパッと浮かんでこなかった。
「もう直ぐ戦争が始まるだろ」
「せやな。こっちにお前さんとその仲間がいるから勝ち、確定や」
「はは、そうかもしれないけどオーラスたちもきっちり大手クランの力を見せてくれよ」
「そりゃあ、確かに見せないといかんけどな」
今度の戦争には銀獅子の皇に所属するランサー、アルゼルガだけではなくオーラスも参加する。
冒険者ギルドから戦争に参加してくれと要請は送られるが、主力メンバーを全員送り込む必要はない。
当然だが、戦争に参加すれば死ぬ危険性が増す。
日頃のダンジョン探索でも勿論死ぬ可能性はあるのだが、ダンジョンでの探索は万全の準備を整え、リスクを考慮しながら動ける。
万が一の状況になれば、帰還石を使用して地上へ逃げることも出来る。
だが……戦争は四方八方から敵が現れる。
そんな状況では後退するのも難しく、気を配らなければならない範囲が広い。
万が一クランの主力メンバーが死ねば、クランの戦力低下に直結する。
「それでだ、俺は今回の戦争で大活躍するつもりだ」
「……お前さんがそのつもりなくても、結果的に大活躍するのは間違いないやろ。後ろでちまちまやるつもりはないんやろ」
「勿論だ。魔法は得意だけど、やっぱり接近戦でバチバチに戦う方が性に合ってるからな。とりあえず今回の戦争で一番活躍したのは俺だって断言出来るぐらい活躍する」
「なら、大将首を取った方が手っ取り早いかもな」
今回の戦争、侵略戦争ではないが大将的存在が参加する。
「大将首か……こっちが誰なのかは知らないけど、向こうはどんな人が大将として参加するんだろうな……」
「噂程度なんやけど、どうやら王族が参加する……かもしれへんようやで」
「ッ!!?? ……マジかよ」
「いや、噂程度って言ってるやろ。本当かどうかは分らんって。侵略戦争やないんやから、普通に騎士団長とか公爵家の当主かもしれへんし」
「そっか……まぁ、何はともあればちょっと面白いかもな」
先程の様な爆発的な殺気はもう完全に消えていた……だが、それに代わって非常に荒々しい闘志が溢れ出した。
「なぁ、ゼルート。言っとくが、侵略じゃないんやから向こうの大将は基本的に殺さんようせいよ」
「ん? 侵略ではないけど戦争なんやろ。向こうだって殺される覚悟ぐらいは出来てるだろ」
「……解ってへんな。基本的に捕虜って形にするんや。もし、今回の戦争で本当に大将首を取ってもうたら向こうとの関係が超悪化するやろ。あと、個人的にむっちゃ恨まれんで」
「えっ……そういうもんなの??」
「そういうもんやねん。国内だけやなくて、国外にも敵をつくるつもりか?」
「なるほどな…………分かった、気を付けるよ。あっ、その国内の敵に関してだけど、大活躍すれば国王様と面会とかありそうだろ」
国王との面会……それが叶えば、多くの権力者に牽制が出来るとゼルートは考えていた。
「せやな……お前さんがどれぐらい活躍するのかもよるやろうけど、爵位を授与される可能性だって十分にあるな」
「えっ!? 爵位って……俺、それはいらないんだけど」
「ハッキリ言うけど、お前さんは悪獣を討伐した時点で爵位を貰ってもおかしくないんやで」
一定の場所に永遠と潜む規格外の魔物を倒した……それだけでも十分賞賛に値するが、悪獣の件に関しては開戦前に冒険者が集まらなければ多くの死者が出てしまっていた。
ゼルートはそれを未然に防いだ立役者と言っても過言ではない。
(ふ~~~~~ん……国が、国王様がその件に関しても賞賛してくれてるのであれば、俺の意見が通る確率がグッと上がりそうだな)
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