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少年期[680]出来ないとは言わないが
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「むっ、アレナ殿たちじゃないか」
「どうも、この間ぶりですね。そちらも目的は六十階層のボスですか?」
「あぁ、その通りだ。誰も欠けないように装備を整えての挑戦だ」
Aランクまで上り詰めたアルゼルガであっても、六十階層のボスに挑むときはいつも緊張している。
「そちらもということは、アレナ殿たちも六十階層のボスを目当てに潜って来たのか」
「その通りです」
「もっと正確に言えば、アレナの聖剣を造るためだ」
堂々と本当の目的を言い放ったルウナの言葉が耳に入った冒険者たちの視線が一か所に集中した。
「アレナ殿の聖剣を……ということは、聖魔石が入った宝箱が目的という訳か」
「え、えぇ。そうなんです。ゼルートがそろそろ起こるであろう戦争に参加するなら、装備を充実させた方が良いと言われて」
現在身に着けているミスリルがメインのロングソードも優秀な武器だが、品質で言えば聖剣の方が上に位置する。
「アレナ殿たちも参加するのか」
「私たちもということは、アルゼルガさんたちも参加するんですね」
「戦争の様な非常事態に勿論参加するさ。その為に一般の冒険者が持てないような権力を持っているのだからな……そういえば、リーダーであるゼルート殿の姿が見当たらないが……今回は休息を取っているのか?」
いつも一緒にいるゼルートの姿が見えない。
地上で休んでいるという可能性も考えられるが、多少なりともゼルートの性格を知っているアルゼルガはアレナたちと一緒にダンジョンに潜らないという選択肢を取るとは思えなかった。
(もしや熱でもでたか? あまり大きな病気になることはないだろう……それに酒を大量に飲むようなタイプでもない……では何故、今ここにいないのだ?)
十秒ほど考え込んだが、全く答えは出なかった。
「やはり分からないな。もしやギャンブルにでもハマってしまったか?」
「そういえば最近は行ってないですね。ですが、今回は目的があって別行動をしています。私たちのリーダーはもっとエボルサーペントの素材が欲しいようなので、別行動をしています」
「なるほど。ということはゼルート殿もダンジョンに潜っているのか……ん? ちょっと待て」
アルゼルガは一つの言葉が気になった。
「今、別行動していると言ったか」
「はい、そう言いましたけど……どうかしましたか?」
「どうかしましたではなく、その……今ここにいないということは、ゼルート殿は一人でダンジョンを探索している、ということで合っているか」
アレナだけではなく、ルウナたちもその通りだと言いたげな顔で頷く。
それを見たアルゼルガだけではなく、他の同業者たちも開いた口がふさがらない状態となったが、アルゼルガだけは直ぐに冷静さを取り戻した。
「そ、そうか。流石ゼルート殿だな……して、今回どの階層で探索しているのだ?」
「四十階層から五十階層ですね。五十階層のボスがエボルサーペントなので」
既に答えは出ていた。
アレナの言う通り、基本的にエボルサーペントは五十階層のボス部屋にしか存在しない。
となれば、四十階層から五十層まで一人で降りるしかない。
そしてエボルサーペントの素材や魔石を丸々手に入れるならばソロで挑み、倒すしかない。
「……一つだけ聞きたい。大丈夫なのか?」
上層と呼ばれる部分であれば問題無い。
アルゼルガたちも基本的に上層であればソロで行動できる自信がある。
しかし四十層から五十層は下層に分類される。
いくら強いとはいっても、ダンジョンで必要なの力は戦闘以外にも多くある。
(ゼルート殿がエボルサーペントに負けるとは思わない。ソロでSランクの悪獣を倒した超強者だ。だが、四十層から五十層まで一人で降りるのは……いくらなんでも危険が多過ぎる)
ゼルートの実力を実際に触りではあるが体感したからこそ、無理だとは言わない。
だが、アルゼルガの考える通り危険が多いのも事実。
身内であれば他人よりも更に心配するのが普通だが、アレナたちは全く心配していなかった。
「どうも、この間ぶりですね。そちらも目的は六十階層のボスですか?」
「あぁ、その通りだ。誰も欠けないように装備を整えての挑戦だ」
Aランクまで上り詰めたアルゼルガであっても、六十階層のボスに挑むときはいつも緊張している。
「そちらもということは、アレナ殿たちも六十階層のボスを目当てに潜って来たのか」
「その通りです」
「もっと正確に言えば、アレナの聖剣を造るためだ」
堂々と本当の目的を言い放ったルウナの言葉が耳に入った冒険者たちの視線が一か所に集中した。
「アレナ殿の聖剣を……ということは、聖魔石が入った宝箱が目的という訳か」
「え、えぇ。そうなんです。ゼルートがそろそろ起こるであろう戦争に参加するなら、装備を充実させた方が良いと言われて」
現在身に着けているミスリルがメインのロングソードも優秀な武器だが、品質で言えば聖剣の方が上に位置する。
「アレナ殿たちも参加するのか」
「私たちもということは、アルゼルガさんたちも参加するんですね」
「戦争の様な非常事態に勿論参加するさ。その為に一般の冒険者が持てないような権力を持っているのだからな……そういえば、リーダーであるゼルート殿の姿が見当たらないが……今回は休息を取っているのか?」
いつも一緒にいるゼルートの姿が見えない。
地上で休んでいるという可能性も考えられるが、多少なりともゼルートの性格を知っているアルゼルガはアレナたちと一緒にダンジョンに潜らないという選択肢を取るとは思えなかった。
(もしや熱でもでたか? あまり大きな病気になることはないだろう……それに酒を大量に飲むようなタイプでもない……では何故、今ここにいないのだ?)
十秒ほど考え込んだが、全く答えは出なかった。
「やはり分からないな。もしやギャンブルにでもハマってしまったか?」
「そういえば最近は行ってないですね。ですが、今回は目的があって別行動をしています。私たちのリーダーはもっとエボルサーペントの素材が欲しいようなので、別行動をしています」
「なるほど。ということはゼルート殿もダンジョンに潜っているのか……ん? ちょっと待て」
アルゼルガは一つの言葉が気になった。
「今、別行動していると言ったか」
「はい、そう言いましたけど……どうかしましたか?」
「どうかしましたではなく、その……今ここにいないということは、ゼルート殿は一人でダンジョンを探索している、ということで合っているか」
アレナだけではなく、ルウナたちもその通りだと言いたげな顔で頷く。
それを見たアルゼルガだけではなく、他の同業者たちも開いた口がふさがらない状態となったが、アルゼルガだけは直ぐに冷静さを取り戻した。
「そ、そうか。流石ゼルート殿だな……して、今回どの階層で探索しているのだ?」
「四十階層から五十階層ですね。五十階層のボスがエボルサーペントなので」
既に答えは出ていた。
アレナの言う通り、基本的にエボルサーペントは五十階層のボス部屋にしか存在しない。
となれば、四十階層から五十層まで一人で降りるしかない。
そしてエボルサーペントの素材や魔石を丸々手に入れるならばソロで挑み、倒すしかない。
「……一つだけ聞きたい。大丈夫なのか?」
上層と呼ばれる部分であれば問題無い。
アルゼルガたちも基本的に上層であればソロで行動できる自信がある。
しかし四十層から五十層は下層に分類される。
いくら強いとはいっても、ダンジョンで必要なの力は戦闘以外にも多くある。
(ゼルート殿がエボルサーペントに負けるとは思わない。ソロでSランクの悪獣を倒した超強者だ。だが、四十層から五十層まで一人で降りるのは……いくらなんでも危険が多過ぎる)
ゼルートの実力を実際に触りではあるが体感したからこそ、無理だとは言わない。
だが、アルゼルガの考える通り危険が多いのも事実。
身内であれば他人よりも更に心配するのが普通だが、アレナたちは全く心配していなかった。
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