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少年期[560]戦歴は無い
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「てか……この階層にサイクロプスがいるのって明らかにイレギュラーな事態だよな」
「そうね。階層オーバーな個体でしょう。下から上に登って来ているのであればギルドが騒いでいるでしょうし……でも、私達はあれ以降ギルドに行って無いのよね」
「そうだったな。もしかしたら俺達が知らないだけで噂にはなっていたのか……」
「いや、生まれたばかりの個体かと思われます」
ラルはゲイルとルウナが戦っている個体は生まれたばかりの個体だと断言する。
「それは……やっぱりあれか。体に傷が一つも無いからか?」
「巨人系の魔物なので回復力や再生力は高いので無傷でも一応おかしくは無いのですが……戦いを区切り抜けてきたというオーラが無いと言いますか」
「あぁ~~~……そういう判断ね」
かなり感覚的な判断ではあるが、ゼルートとアレナにラームもラルが言いたい事は感覚的に解る。
二人と戦っているサイクロプスの戦いぶりを見ても、戦い慣れていないのが伺える。
「それを考えると、本当にイレギュラーとしてつい最近現れたって事か……色々な意味でラッキーだな」
「そうね、こちら側の利益としても十分だし、周りの冒険者に被害が及ぶ前に私達が倒せば被害はゼロ……おそらくだけどね」
「そうですね……ただ、サイクロプスはやはりタフですね」
ルウナとゲイルは素手で戦っており、スピードに関しては身体強化のスキルを全員が使っているが、それでもサイクロプスは二人に追いつけていない。
なので二人が一方的にサイクロプスを殴っている状況なのだが……サイクロプスが致命傷を負うことは無い。
勿論、ゲイルとルウナも全力の本気は出していないので直ぐに勝負が決まらないのも当然なのだが、それでも七割方の力で攻撃を行っている。
(回復速度上昇……もしくは再生のスキルを持ってる感じか? それだったら確かに少々面倒だが……サイクロプスの魔力量を考えれば早めに底か尽くだろう)
その巨体に見合うだけのパワーでいくつものクレーターを生み出すサイクロプスだが、二人の一撃一撃は確実に当たっており、最低でも罅が入っている。
それら一つ一つを再生しているのであれば、相当な魔力量を使っている事になる。
「回復系のスキルとか特性だけじゃなく、怪力系のスキルを使っているんだろうなぁ……大斧が地面に激突した時の音ヤバいし」
「そうね……Cランク冒険者のタンクぐらいじゃ、一回受け間違えたら一気にあの世送りでしょうね」
因みにサイクロプスは魔力の斬撃や今の斬撃に槍なども周囲に飛ばしているので、少々ゼルート達のところにも被害が飛んで来ている。
だが、それぐらいの攻撃であれば各自対処出来るので、攻撃が当たる前に斬撃や拳打にブレスを放って掻き消す。
「……そろそろあれだな、サイクロプスも魔力が切れてきたか」
魔力切れは本人のスタミナ量関係無しに疲労が襲ってくる。
それはモンスターも例外では無く、人よりスタミナ量が遥かに多いモンスターであっても疲労によって動きが鈍り始める。
(ただ、それでも人と比べてそこそこ動けるから恐ろしいんだよな)
そんなゼルートの思いとは裏腹に、サイクロプスは目の前の自分と戦っている二人の敵に恐怖を感じ始めた。
ダンジョンの中で生まれて初めての戦闘。しかし、自分は生まれながらの強者だという感覚あった。
自分は力強く、堅い。そんな万能感が自分の中にある。
だが……初めて戦う目の前の二人には自慢のパワーによる攻撃が全く当たらない
当たりそうで当たらないという次元ではなく、全く当たらない。
そんな状況が二分ほど続き、次第に焦りが恐怖へと変わっていく。
「……ルウナ殿、そろそろ終わらせた方がよろしいかと」
「そうだな。二人で戦えば本気で無くとも直ぐに終わると思っていたが、中々しつこい……ゲイル、私が注意を引くからその間に後ろから首をズバッと斬られるか?」
「問題ありません」
仕留める方法が決まった二人を本腰を入れてサイクロプスを倒しに掛かる。
「そうね。階層オーバーな個体でしょう。下から上に登って来ているのであればギルドが騒いでいるでしょうし……でも、私達はあれ以降ギルドに行って無いのよね」
「そうだったな。もしかしたら俺達が知らないだけで噂にはなっていたのか……」
「いや、生まれたばかりの個体かと思われます」
ラルはゲイルとルウナが戦っている個体は生まれたばかりの個体だと断言する。
「それは……やっぱりあれか。体に傷が一つも無いからか?」
「巨人系の魔物なので回復力や再生力は高いので無傷でも一応おかしくは無いのですが……戦いを区切り抜けてきたというオーラが無いと言いますか」
「あぁ~~~……そういう判断ね」
かなり感覚的な判断ではあるが、ゼルートとアレナにラームもラルが言いたい事は感覚的に解る。
二人と戦っているサイクロプスの戦いぶりを見ても、戦い慣れていないのが伺える。
「それを考えると、本当にイレギュラーとしてつい最近現れたって事か……色々な意味でラッキーだな」
「そうね、こちら側の利益としても十分だし、周りの冒険者に被害が及ぶ前に私達が倒せば被害はゼロ……おそらくだけどね」
「そうですね……ただ、サイクロプスはやはりタフですね」
ルウナとゲイルは素手で戦っており、スピードに関しては身体強化のスキルを全員が使っているが、それでもサイクロプスは二人に追いつけていない。
なので二人が一方的にサイクロプスを殴っている状況なのだが……サイクロプスが致命傷を負うことは無い。
勿論、ゲイルとルウナも全力の本気は出していないので直ぐに勝負が決まらないのも当然なのだが、それでも七割方の力で攻撃を行っている。
(回復速度上昇……もしくは再生のスキルを持ってる感じか? それだったら確かに少々面倒だが……サイクロプスの魔力量を考えれば早めに底か尽くだろう)
その巨体に見合うだけのパワーでいくつものクレーターを生み出すサイクロプスだが、二人の一撃一撃は確実に当たっており、最低でも罅が入っている。
それら一つ一つを再生しているのであれば、相当な魔力量を使っている事になる。
「回復系のスキルとか特性だけじゃなく、怪力系のスキルを使っているんだろうなぁ……大斧が地面に激突した時の音ヤバいし」
「そうね……Cランク冒険者のタンクぐらいじゃ、一回受け間違えたら一気にあの世送りでしょうね」
因みにサイクロプスは魔力の斬撃や今の斬撃に槍なども周囲に飛ばしているので、少々ゼルート達のところにも被害が飛んで来ている。
だが、それぐらいの攻撃であれば各自対処出来るので、攻撃が当たる前に斬撃や拳打にブレスを放って掻き消す。
「……そろそろあれだな、サイクロプスも魔力が切れてきたか」
魔力切れは本人のスタミナ量関係無しに疲労が襲ってくる。
それはモンスターも例外では無く、人よりスタミナ量が遥かに多いモンスターであっても疲労によって動きが鈍り始める。
(ただ、それでも人と比べてそこそこ動けるから恐ろしいんだよな)
そんなゼルートの思いとは裏腹に、サイクロプスは目の前の自分と戦っている二人の敵に恐怖を感じ始めた。
ダンジョンの中で生まれて初めての戦闘。しかし、自分は生まれながらの強者だという感覚あった。
自分は力強く、堅い。そんな万能感が自分の中にある。
だが……初めて戦う目の前の二人には自慢のパワーによる攻撃が全く当たらない
当たりそうで当たらないという次元ではなく、全く当たらない。
そんな状況が二分ほど続き、次第に焦りが恐怖へと変わっていく。
「……ルウナ殿、そろそろ終わらせた方がよろしいかと」
「そうだな。二人で戦えば本気で無くとも直ぐに終わると思っていたが、中々しつこい……ゲイル、私が注意を引くからその間に後ろから首をズバッと斬られるか?」
「問題ありません」
仕留める方法が決まった二人を本腰を入れてサイクロプスを倒しに掛かる。
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