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少年期[485]二つの事を尋ねに
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長期休暇を終え、目的の街を向かうためにドーウルスのギルドに寄るゼルート達。
そこでゼルートは可能ならばと思い、ギルド職員にギルドマスターに会えないかと尋ねた。
確認を取りに行った職員から大丈夫だと許可を貰ったゼルートはアレナとルウナも一緒で向かう。
「思い付きでギルドマスターに尋ねるなんて……普通じゃ考えられないんだけどね」
「ゼルートが普通でないのは今更な話だろう」
「そうそう。俺にそこら辺の常識とかは無い。というか、別に許可を貰ったから良いじゃん」
「まぁ、それはそれで良かったのだけれど……ところで、ギルドマスターに何を尋ねるつもりなの?」
「ちょっと気になるというか、確認したい事をな。それと、本来調べる筈だった情報を知ってれば教えて貰おうと思ってる」
一つはそう遠くない内に怒るかもしれない戦争について。
そして国内でオークションが行われる場所はどこなのか。
それを尋ねるためにゼルートはギルドマスターと面会しようと思ったのだが……アレナの言う通り、一般的な考え、常識を持つ冒険者ならばそのような内容でギルドマスターと面会の許可を求めたりしない。
「ギルドマスター、ゼルートさんをお連れしました」
「通してちょうだい」
職員に扉を開けて貰い、中へと入る。
ギルドマスターの部屋は綺麗にされているが、机の上はそうでもなかった。
「座って構わないわ」
「えっ、でも……その書類の山は良いんですか?」
「少し休憩しようと思ってたから丁度良かったのよ」
慣れた手付きで紅茶を淹れるギルドマスターにしては珍しいエルフ族のシーリアス。
(マジであれだよな、エルフの特徴が無ければ貴族の令嬢と言われても信じられる程綺麗だ)
人の……特に男の目を惹くような容姿とスタイル。
服は別に派手なものでは無いのだが、それでもシーリアスが清楚な物を着ていても自然とエロく見えてしまう。
「それで、私に聞きたい事でもあったの?」
「あぁ、そう遠くない内に起こるかもしれない戦争についてな」
「なるほど。最近噂になってるものねぇ~。その噂は、本当か嘘かで言えば本当よ。基本的に仕掛けて来たのは向こうだけれど、自国にとっても利益はあるでしょうからね」
今回起こるかもしれない戦争に関しては隣国、ガーネットの侵略戦争という訳では無い。
単純に言えば、ガーネットの時期王を決める争いの迷惑を被った形になる。
「それで、その顔から察するに戦争には参加する気満々という感じね」
「はい、勿論ですよ。俺にも守りたい人はいるんで」
「えっと、侵略戦争戦争ではないから・・・・・・あぁ、そういうことね」
シーリアスはゼルートの父親が元冒険者でありながら貴族、そして姉と兄にあたる人物が超優秀だということを思い出した。
(戦争になれば間違いなくゼルートの父親であるゲインルート男爵と、領地の兵士達は戦争に参加する事になる。あと、兄と姉の二人も優秀だから学生として後方ではあるけれど、戦争に参加する可能性がある)
貴族として戦争に参加し、生き残ることが出来ればそれだけで一つのステータスになる。
そして強制では無いが、学園の方からも優秀な学生に声を掛けることがある。
そういった状況で実力を持つ者が参加しなければ、後の人生で選択を間違えたと痛感する貴族が多い。
国の未来を支える卵として戦争の場でも基本は丁寧に扱われるが、死者が出ない訳では無く、将来を有望視されていた生徒が死んだケースは少なくない。
「それで、ゼルートは何か要望があるのかしら? 私はその戦争に参加する事は出来ないけれど、多少の口利きなら出来るわ」
「ありがとうございます。俺の要望は、俺達のパーティーメンバーを戦争の中で自由に動ける許可が欲しいんです」
「なるほどね。つまり遊撃手として戦争に参加したいと」
「そういう事です」
ゼルートの要望にシーリアスは直ぐに納得出来た。
納得は出来たのだが、それを自分の口利きで通すことが出来るのは難しいという結論に至った。
(ゼルートが考えている事は解かる。この従魔も含めて六人の戦力をどこかの部隊に従わせるなんて愚の骨頂。でも、そう簡単に通る我儘では無い。それが解ってるからゼルートも私に頼みに来たって事よね)
自身も同感する内容ではあるが、直ぐに解ったと頷ける内容では無いのでどう返答すれば良いのか考え込んでしまうシーリアス。
だが、一つだけ。単純な解決方法だけは直ぐに浮かんだ。というか浮かんでしまった。
そこでゼルートは可能ならばと思い、ギルド職員にギルドマスターに会えないかと尋ねた。
確認を取りに行った職員から大丈夫だと許可を貰ったゼルートはアレナとルウナも一緒で向かう。
「思い付きでギルドマスターに尋ねるなんて……普通じゃ考えられないんだけどね」
「ゼルートが普通でないのは今更な話だろう」
「そうそう。俺にそこら辺の常識とかは無い。というか、別に許可を貰ったから良いじゃん」
「まぁ、それはそれで良かったのだけれど……ところで、ギルドマスターに何を尋ねるつもりなの?」
「ちょっと気になるというか、確認したい事をな。それと、本来調べる筈だった情報を知ってれば教えて貰おうと思ってる」
一つはそう遠くない内に怒るかもしれない戦争について。
そして国内でオークションが行われる場所はどこなのか。
それを尋ねるためにゼルートはギルドマスターと面会しようと思ったのだが……アレナの言う通り、一般的な考え、常識を持つ冒険者ならばそのような内容でギルドマスターと面会の許可を求めたりしない。
「ギルドマスター、ゼルートさんをお連れしました」
「通してちょうだい」
職員に扉を開けて貰い、中へと入る。
ギルドマスターの部屋は綺麗にされているが、机の上はそうでもなかった。
「座って構わないわ」
「えっ、でも……その書類の山は良いんですか?」
「少し休憩しようと思ってたから丁度良かったのよ」
慣れた手付きで紅茶を淹れるギルドマスターにしては珍しいエルフ族のシーリアス。
(マジであれだよな、エルフの特徴が無ければ貴族の令嬢と言われても信じられる程綺麗だ)
人の……特に男の目を惹くような容姿とスタイル。
服は別に派手なものでは無いのだが、それでもシーリアスが清楚な物を着ていても自然とエロく見えてしまう。
「それで、私に聞きたい事でもあったの?」
「あぁ、そう遠くない内に起こるかもしれない戦争についてな」
「なるほど。最近噂になってるものねぇ~。その噂は、本当か嘘かで言えば本当よ。基本的に仕掛けて来たのは向こうだけれど、自国にとっても利益はあるでしょうからね」
今回起こるかもしれない戦争に関しては隣国、ガーネットの侵略戦争という訳では無い。
単純に言えば、ガーネットの時期王を決める争いの迷惑を被った形になる。
「それで、その顔から察するに戦争には参加する気満々という感じね」
「はい、勿論ですよ。俺にも守りたい人はいるんで」
「えっと、侵略戦争戦争ではないから・・・・・・あぁ、そういうことね」
シーリアスはゼルートの父親が元冒険者でありながら貴族、そして姉と兄にあたる人物が超優秀だということを思い出した。
(戦争になれば間違いなくゼルートの父親であるゲインルート男爵と、領地の兵士達は戦争に参加する事になる。あと、兄と姉の二人も優秀だから学生として後方ではあるけれど、戦争に参加する可能性がある)
貴族として戦争に参加し、生き残ることが出来ればそれだけで一つのステータスになる。
そして強制では無いが、学園の方からも優秀な学生に声を掛けることがある。
そういった状況で実力を持つ者が参加しなければ、後の人生で選択を間違えたと痛感する貴族が多い。
国の未来を支える卵として戦争の場でも基本は丁寧に扱われるが、死者が出ない訳では無く、将来を有望視されていた生徒が死んだケースは少なくない。
「それで、ゼルートは何か要望があるのかしら? 私はその戦争に参加する事は出来ないけれど、多少の口利きなら出来るわ」
「ありがとうございます。俺の要望は、俺達のパーティーメンバーを戦争の中で自由に動ける許可が欲しいんです」
「なるほどね。つまり遊撃手として戦争に参加したいと」
「そういう事です」
ゼルートの要望にシーリアスは直ぐに納得出来た。
納得は出来たのだが、それを自分の口利きで通すことが出来るのは難しいという結論に至った。
(ゼルートが考えている事は解かる。この従魔も含めて六人の戦力をどこかの部隊に従わせるなんて愚の骨頂。でも、そう簡単に通る我儘では無い。それが解ってるからゼルートも私に頼みに来たって事よね)
自身も同感する内容ではあるが、直ぐに解ったと頷ける内容では無いのでどう返答すれば良いのか考え込んでしまうシーリアス。
だが、一つだけ。単純な解決方法だけは直ぐに浮かんだ。というか浮かんでしまった。
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