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少年期[484]しっかりと理由があれば
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「その戦争にはゼルートも参戦するのだろ」
「あぁ。そりゃ自分が生まれた国だからな」
(面倒な奴や屑も少々いるけど、守りたいと思える人の方が多いからな)
いっそ死んでしまった方が良さそうな者もゼルートが生まれた国にいるが、それが国を守らないという選択を取る理由にはならない。
「それでは、俺と同じように単独で敵を蹴散らしていくのか?」
「それが一番やりやすいからな。ただ、ラルと組んで戦うのもありかと思って・・・・・・あっ、あぁーーー……あんまり俺が単独行動する訳にはいかないかも」
「何故だ? ゼルートは俺の様に大雑把な攻撃意外にも多くの攻撃方法があるが、多数と戦うならば単独は同じような強者と組んで戦った方がやりやすいだろう」
「それはそうだよ。でも、俺はまだ冒険者のランクがDだ。戦争で戦いに参加するのは冒険者だけじゃなく貴族や騎士もいる。向こうがDランクの冒険者なんてどの様に死んでも構わないと思うか、自分達の考えから逸脱した行動を取るなと思うか……そこら辺によって俺が、俺達が自由に動けるかどうか変わってくるな」
ランクの低い冒険者が勝手に死のうが全く問題無いと考える貴族が殆どが、神経質な者や自分の指示を聞かずに勝手に動く者を嫌う貴族も存在する。
(こりゃあ、母さんの言う通りさっさとランクを上げた方が良いか。ただ、即Bランクまであがるのはちょっと無理があるかもな。とりあえずCランクには早いとこ上がらないと)
既に昇格試験の推薦が来ているため、戦争が起こるまでにCランクの推薦までには間に合う。
「人というのは……いや、権力者というのは面倒な考えを持った者が多いんだな」
「ブラッソの言う通りだよ、全く……話が分かる人も本物の人もいるから全員が全員面倒な奴らって訳じゃ無いんだけどな」
「そうか。ただ、ゼルートには単独で悪獣を退けたという功績があるだろう。それがあれば単独で動くの許されるのではないか?」
「・・・・・・どうだろうな? 悪獣を単独で倒したとしても、その時俺がDランクだってのは変わらない。その事実に対してどれだけの人が信用するかどうか……多少の実力を見せたとしてもプライドの高い連中は認めたくないだろうしな」
ゼルートは冒険者全体の枠で見ても飛び抜けた実力を持っている。
しかしそれでも残念ながら見た目は子供のまま。ここ一年近くで順調に身長は伸びているが、それでも見た目で侮る者はまだまだ多い。
「数人ぐらい殺しても問題は無いだろう」
「問題ありありだっての。なりゆきで位の高い人と模擬戦を行う事になっても、重傷を負わすのはまだいいけど殺すのは完全にアウトだ」
「……そうかたかだ一人や二人死んだところで戦争には影響が無いと思うが」
「戦争に影響が無かったとしても、俺の戦争後の人生にむっちゃ影響するよ。最悪、父さんにまで害が及ぶかもしれない」
(子の責任は親の責任だー! みたいな事を言い出す貴族が現れるかもしれない。というか絶対にいるだろう。もし今後俺の人生に悪影響を及ぼす存在が味方にいれば……戦争中に紛れて暗殺が一番か)
バレない様に殺すという方法ならば、確かに暗殺が一番氏かもしれないがそれを実行しようと思う者はゼルートも含めて殆どいない。
「そうか、ガレンには世話になっているからな。なら俺も面倒な輩に絡まれたら半殺しだけで済ませてやろう」
「あぁーーー……できれば相手から手を出したっていう理由付きで頼む」
「分かった。相手が先に手を出して来たら半殺しだな」
(いや、まぁ……半殺しほどじゃなくても多少重傷程度で良いんだけどな)
ブラッソも手加減が出来ない訳では無いが、それでもイラついた状態では多少なりとも力の調整がブレてしまう。
「とりあえず、そこら辺をもう少し父さんと話していた方が良さそうだな」
既にランクの高い武器を渡すというゼルートなりの援助はしたが、もう少し自分に何か出来ない考えながら長期休暇とも言える時間を過ごした。
「あぁ。そりゃ自分が生まれた国だからな」
(面倒な奴や屑も少々いるけど、守りたいと思える人の方が多いからな)
いっそ死んでしまった方が良さそうな者もゼルートが生まれた国にいるが、それが国を守らないという選択を取る理由にはならない。
「それでは、俺と同じように単独で敵を蹴散らしていくのか?」
「それが一番やりやすいからな。ただ、ラルと組んで戦うのもありかと思って・・・・・・あっ、あぁーーー……あんまり俺が単独行動する訳にはいかないかも」
「何故だ? ゼルートは俺の様に大雑把な攻撃意外にも多くの攻撃方法があるが、多数と戦うならば単独は同じような強者と組んで戦った方がやりやすいだろう」
「それはそうだよ。でも、俺はまだ冒険者のランクがDだ。戦争で戦いに参加するのは冒険者だけじゃなく貴族や騎士もいる。向こうがDランクの冒険者なんてどの様に死んでも構わないと思うか、自分達の考えから逸脱した行動を取るなと思うか……そこら辺によって俺が、俺達が自由に動けるかどうか変わってくるな」
ランクの低い冒険者が勝手に死のうが全く問題無いと考える貴族が殆どが、神経質な者や自分の指示を聞かずに勝手に動く者を嫌う貴族も存在する。
(こりゃあ、母さんの言う通りさっさとランクを上げた方が良いか。ただ、即Bランクまであがるのはちょっと無理があるかもな。とりあえずCランクには早いとこ上がらないと)
既に昇格試験の推薦が来ているため、戦争が起こるまでにCランクの推薦までには間に合う。
「人というのは……いや、権力者というのは面倒な考えを持った者が多いんだな」
「ブラッソの言う通りだよ、全く……話が分かる人も本物の人もいるから全員が全員面倒な奴らって訳じゃ無いんだけどな」
「そうか。ただ、ゼルートには単独で悪獣を退けたという功績があるだろう。それがあれば単独で動くの許されるのではないか?」
「・・・・・・どうだろうな? 悪獣を単独で倒したとしても、その時俺がDランクだってのは変わらない。その事実に対してどれだけの人が信用するかどうか……多少の実力を見せたとしてもプライドの高い連中は認めたくないだろうしな」
ゼルートは冒険者全体の枠で見ても飛び抜けた実力を持っている。
しかしそれでも残念ながら見た目は子供のまま。ここ一年近くで順調に身長は伸びているが、それでも見た目で侮る者はまだまだ多い。
「数人ぐらい殺しても問題は無いだろう」
「問題ありありだっての。なりゆきで位の高い人と模擬戦を行う事になっても、重傷を負わすのはまだいいけど殺すのは完全にアウトだ」
「……そうかたかだ一人や二人死んだところで戦争には影響が無いと思うが」
「戦争に影響が無かったとしても、俺の戦争後の人生にむっちゃ影響するよ。最悪、父さんにまで害が及ぶかもしれない」
(子の責任は親の責任だー! みたいな事を言い出す貴族が現れるかもしれない。というか絶対にいるだろう。もし今後俺の人生に悪影響を及ぼす存在が味方にいれば……戦争中に紛れて暗殺が一番か)
バレない様に殺すという方法ならば、確かに暗殺が一番氏かもしれないがそれを実行しようと思う者はゼルートも含めて殆どいない。
「そうか、ガレンには世話になっているからな。なら俺も面倒な輩に絡まれたら半殺しだけで済ませてやろう」
「あぁーーー……できれば相手から手を出したっていう理由付きで頼む」
「分かった。相手が先に手を出して来たら半殺しだな」
(いや、まぁ……半殺しほどじゃなくても多少重傷程度で良いんだけどな)
ブラッソも手加減が出来ない訳では無いが、それでもイラついた状態では多少なりとも力の調整がブレてしまう。
「とりあえず、そこら辺をもう少し父さんと話していた方が良さそうだな」
既にランクの高い武器を渡すというゼルートなりの援助はしたが、もう少し自分に何か出来ない考えながら長期休暇とも言える時間を過ごした。
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