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少年期[468]珍しい二人組で冒険

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「この前は随分と大活躍だったみたいじゃないか」

「この前……スノウタイガーの事か。別に大した活躍でも無いだろ」

「馬鹿言ってんじゃねぇーよ。スノウタイガーなんてそう簡単に倒せる魔物じゃない。特に雪化粧が厄介過ぎるからな」

偶々ギルドでデックと出会ったゼルートは二人で森の中で丁度良い魔物はいないか探索している。

「確かにそうかもな。でも、速く動けば動くほど体が空を切る音が聞こえる筈だ。それにスノウタイガーは中を浮いている訳じゃない。足音だってしっかりと聞こえるだろ。音で相手の位置を拾う経験が足りていないから厄介だって感じるんだよ」

気配感知を使っても位置は反応出来るが、それに気を取られ過ぎて体を動かすタイミングが遅れてしまう。

「あぁ……お前の言いたい事は分からなくも無いが、それって要求高く無いか?」

「ルーキーには確かに高い要求かもな。でも、デックたちベテランならランクの低い魔物なら丁度良い相手だろ」

「……確かにな。一人でやるのが不安なら誰かに見といてもらえば良い話か」

「そういう事だ。それが出来れば、気配を消すのが上手い魔物が相手でも良い感じに戦えるはずだ。それに盗賊とかは俺らと比べてそこら辺の技術が個人差はあるだろうけど上だろ。そういった相手にも役立つ」

ゼルートは今のところ盗賊を相手に耳を頼ったことは無いが、それでもまだ魔物と戦い始めた頃に魔法を使うのを禁止しての戦いでは自身の音を消すのも音を拾う事も本気で行っていた。

「相変わらず考えることが普通じゃ無いな」

「先を行ってるって言ってくれないか。別に間違った考えじゃ無いだろ」

「求める要求が高いって話だ。ん~~~……ゼルートは冒険者を止めたら、どうしようか決めてるのか?」

「突然の質問だな。特に今のところ何にも考えていない。まだ数十年は先の話だからな」

「そうか。ゼルートなら貴族にでもなれそうだけどな」

デックは冗談では無く本気で思っている。
ゼルートなら功績次第で貴族になるのも不可能では無いと。

「無理無理無理。絶対に無理。仮に国王様が許可しても他の貴族から大反発が起きるだろ。前に言わなかったか? 俺が子供の頃に起こした件を」

「三対一で相手の貴族をフルボッコにした件か。でも、それは相手が最初に喧嘩売ってきて尚且つ国王様が許可した決闘なんだろ」

「そうだ。確かに国王様は許可してくれた。でも問題の核は相手より下の位の子供である俺が面と向かって相手を遊ぶように倒したことだ」

三対一の変則型の決闘。
人の才を見抜くのが得意な人物以外、ゼルートが惨めにボロボロになって負けると予想していた。

だが、寧ろさの結果は逆も真逆。
三人の貴族の方がボロ雑巾のようになって負けた。

「極めつけは、俺が出した賭けの内容だろう」

「確か相手の財産をすべて奪ったんだっけ? でもそれすら国王様が認めてたんだろ」

「おう。そんで俺が勝ってしまった。そん時から七年ぐらい経ったが、未だに俺の事を覚えている貴族は多い筈だ。なんせ……命は奪っていない。それでも三つの貴族を潰して……じゃ無いな、文字通り消したんだよ。そいつらが治めていた領地は他の貴族に渡したからな」

文字通り消した。
その言葉にデックは僅かに震えた。

「……貴族共は、お前と衝突したくないからこそ、自分達と同じ土俵に立ってほしく無いと」

「そういう事だろう。衝突すれば、俺は話し合いが無理だと解れば速攻で武力行使に出る性格だ。大抵の貴族からすれば、どう足掻いても勝てない」

「ずっげぇーー自信だな。でも、貴族が抱えている騎士団だって中には粒のあるとこだってあるだろ」

「頭が一つか二つ抜けた程度の騎士とその他大勢が悪獣より強いと思うか?」

「・・・・・・考えが足らない発言だったな」
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