271 / 1,043
連載
少年期[432]逆らえない
しおりを挟む
とある店の個室で数人の冒険者が集まっていた。
「今回の大規模討伐、ちょっと心配だったが問題は無さそうだな」
「お前が何を根拠にそう言っているのか、大体解る」
「あれは確かに驚いたね。噂に関しては半分信じていなかったんだが、実際に見たら一発で本物だと解ったよ」
人族のAランク冒険者達は会議が終わったと、ゼルートの従魔達をその魔で確認しており、ラームに関しては未だ少し半信半疑なところはあれど、本物だという事は視て解った。
「あれだけの従魔は従えているなら、噂も全て事実ってことか。はッ、しっかりとパーティーを組んでなかったら絶対に誘ってたな」
「私も同じ意見で。噂が正しければ、超万能タイプの冒険者らしいですからね。それに、単純な戦闘努力だけでもオークキングを一人で討伐出来る者を欲しがらない理由がありません」
獣人とエルフのAランク冒険者も従魔達の姿を生で確認し、それらを従えるゼルートがランク外の実力を持つ本物だという事を確信していた。
「パーティーメンバーの反応はどうだ?」
「俺のところは全員納得している。あれを見せられれば納得せざるをえないだろう」
「私の同じね。子供だからって嘗める様な反応は無し。てか、あれを見てまだ嘗めてたら私が拳骨ぶちかましてるしな」
「お前の拳骨洒落にねんねぇーーからほどほどににしてやれよ怪力女。俺んとこもそんな阿呆はいないな。まっ、俺も含めて摸擬戦をしたいって奴はいるけど」
「あなたのパーティーは血気盛んですね。私達はそもそも魔力を感知するのに特化しているので全員問題有りません。というか、魔力を完全に感知出来る者ならば、彼を目の前にして逆らおうとは基本的に思えないでしょう」
エルフの冒険者に四人が反応する。
他の四人やそのパーティーメンバーを含めても、彼女に総合的な魔法の腕で敵う者はいない。
そんな彼女が逆らおうとは思えない程の魔力を持つゼルートに更に興味が湧く。
「一体どれ程の魔力を持っているんだい?」
「正確な魔力量は視てみない事には解りませんが、私は彼以上の魔力量を持った者と会った事がありません」
「ッ!!?? 流石にそれは冗談・・・・・・じゃない、みたいだな。という事はだ、マジで魔法の方が得意ってわけか」
五人ともゼルートの決闘の件を知っていたが、先程の摸擬戦を見る限りでは接近戦の方が得意な様に見えた。
「どちらが得意というのは本人しか解りませんが、私は才能という点に関しては魔法の方が上だと感じました」
「あの体術ですから底をみせていない様に思えたんだが、魔法の腕が更に上とはな・・・・・・全力を見ていないから確実とはいないが将来的にはSランクに届くだろう」
「でしょうね。というか、今Dランクなのも疑問なんだけど。流石に一気にBやAランクに上げるのは周囲から反感を買いまくりだと思うけど、Cランクまでなら特例で上げることは可能な筈よね」
過去にゼルート程ではないが吐出した実力を持ったルーキーが現れた事は何度もあり、その際には短期間でCランクに上がった例もある。
「単純に上を目指す気が無いんじゃないかな? 過去の話を聞く限りお金に困ってなさそうだし」
「俺も同じような雰囲気を感じたぞ。冒険者になりたてのルーキーが発している成り上がってやる!! って気力が感じられないな」
事実、ゼルートには積極的に上のランクを目指そうという考えは無い。
「他のルーキーからしたら嘗めてんだろって思うっちゃんだろうなぁ。でも、それだけの実力があるんだから仕方なといえば仕方ないね。冒険者は基本的にお互いの生き方に関しては不干渉だし」
よっぽど素行に問題のある冒険者に関してはギルドが介入する場合があるが、酒好きや賭け事好き等に関しては冒険者同士で合っても注意することは煙たがられる行為。
ただ、やり過ぎれば自然と制裁は下る。
「今回の大規模討伐、ちょっと心配だったが問題は無さそうだな」
「お前が何を根拠にそう言っているのか、大体解る」
「あれは確かに驚いたね。噂に関しては半分信じていなかったんだが、実際に見たら一発で本物だと解ったよ」
人族のAランク冒険者達は会議が終わったと、ゼルートの従魔達をその魔で確認しており、ラームに関しては未だ少し半信半疑なところはあれど、本物だという事は視て解った。
「あれだけの従魔は従えているなら、噂も全て事実ってことか。はッ、しっかりとパーティーを組んでなかったら絶対に誘ってたな」
「私も同じ意見で。噂が正しければ、超万能タイプの冒険者らしいですからね。それに、単純な戦闘努力だけでもオークキングを一人で討伐出来る者を欲しがらない理由がありません」
獣人とエルフのAランク冒険者も従魔達の姿を生で確認し、それらを従えるゼルートがランク外の実力を持つ本物だという事を確信していた。
「パーティーメンバーの反応はどうだ?」
「俺のところは全員納得している。あれを見せられれば納得せざるをえないだろう」
「私の同じね。子供だからって嘗める様な反応は無し。てか、あれを見てまだ嘗めてたら私が拳骨ぶちかましてるしな」
「お前の拳骨洒落にねんねぇーーからほどほどににしてやれよ怪力女。俺んとこもそんな阿呆はいないな。まっ、俺も含めて摸擬戦をしたいって奴はいるけど」
「あなたのパーティーは血気盛んですね。私達はそもそも魔力を感知するのに特化しているので全員問題有りません。というか、魔力を完全に感知出来る者ならば、彼を目の前にして逆らおうとは基本的に思えないでしょう」
エルフの冒険者に四人が反応する。
他の四人やそのパーティーメンバーを含めても、彼女に総合的な魔法の腕で敵う者はいない。
そんな彼女が逆らおうとは思えない程の魔力を持つゼルートに更に興味が湧く。
「一体どれ程の魔力を持っているんだい?」
「正確な魔力量は視てみない事には解りませんが、私は彼以上の魔力量を持った者と会った事がありません」
「ッ!!?? 流石にそれは冗談・・・・・・じゃない、みたいだな。という事はだ、マジで魔法の方が得意ってわけか」
五人ともゼルートの決闘の件を知っていたが、先程の摸擬戦を見る限りでは接近戦の方が得意な様に見えた。
「どちらが得意というのは本人しか解りませんが、私は才能という点に関しては魔法の方が上だと感じました」
「あの体術ですから底をみせていない様に思えたんだが、魔法の腕が更に上とはな・・・・・・全力を見ていないから確実とはいないが将来的にはSランクに届くだろう」
「でしょうね。というか、今Dランクなのも疑問なんだけど。流石に一気にBやAランクに上げるのは周囲から反感を買いまくりだと思うけど、Cランクまでなら特例で上げることは可能な筈よね」
過去にゼルート程ではないが吐出した実力を持ったルーキーが現れた事は何度もあり、その際には短期間でCランクに上がった例もある。
「単純に上を目指す気が無いんじゃないかな? 過去の話を聞く限りお金に困ってなさそうだし」
「俺も同じような雰囲気を感じたぞ。冒険者になりたてのルーキーが発している成り上がってやる!! って気力が感じられないな」
事実、ゼルートには積極的に上のランクを目指そうという考えは無い。
「他のルーキーからしたら嘗めてんだろって思うっちゃんだろうなぁ。でも、それだけの実力があるんだから仕方なといえば仕方ないね。冒険者は基本的にお互いの生き方に関しては不干渉だし」
よっぽど素行に問題のある冒険者に関してはギルドが介入する場合があるが、酒好きや賭け事好き等に関しては冒険者同士で合っても注意することは煙たがられる行為。
ただ、やり過ぎれば自然と制裁は下る。
78
お気に入りに追加
9,033
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
婚約破棄され森に捨てられました。探さないで下さい。
拓海のり
ファンタジー
属性魔法が使えず、役に立たない『自然魔法』だとバカにされていたステラは、婚約者の王太子から婚約破棄された。そして身に覚えのない罪で断罪され、修道院に行く途中で襲われる。他サイトにも投稿しています。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。