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少年期[327]そいつ次第
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「色々って、一人だけが思いっきり足を引っ張ったとかそういう感じではないの?」
「そういう感じじゃない。四人の中で実力にそこまで差があるって訳じゃない筈だ。只、四人の中で二人が女子なんだが、二人共魔法を使う遠距離タイプなんだ」
正確にはマーレルに関しては鞭も使える遠距離タイプなのだが、ソウスケが覚えている限りでは魔法の方が実戦で使えるレベルに達していた。
「二人は最後の最後でお互いの魔力を融合させた、ユニゾンマジックを発動させた」
「ッ!!! そ、それは流石に・・・・・・嘘、じゃないみたいね。ちなみにユニゾンマジックを発動させた時の年齢は幾つなの?」
「確か十歳だったと思う」
「十歳・・・・・・お互いに親友だと呼べる程仲が良いからだけで説明はつかないわね。流石あなたの幼馴染ね」
ブラッソと戦わせたのはゼルートの案だが、ゼルート自身が二人に魔法の指導をしたのではなく母親が二人を鍛えていたので、自分と一緒にいる事が多かったからとゼルートは考えていない。
「俺は別に何もしていないよ。母さんが二人をみっちり鍛えていたからだ。まぁ、とりあえずその二人は特に問題ないんだよ。問題は、二人の男子の方だ」
「普通に仲が悪いのか?」
「あぁ・・・・・・いや、仲は悪くないと思うんだが一人は優男なイケメンで、もう一人は年下の男子から兄貴って呼ばれそうなタイプだ」
スレンはまだ十歳にもなっていない時から女子にモテモテであったが、スレンには殆ど女子が寄ってくることは無かった。
子供ながらの・・・・・・いや、大人になっても容易に抱くであろう単純な嫉妬。
「なるほど、何となく理解出来た。その歳下から兄貴と呼ばれそうな男の子は優男なイケメン君が友達でなかったら絶対に嫌いになってった事ね」
「多分そんな未来もあり得た。それで話を戻すけど女子二人がユニゾンマジックを発動させ、最後に二人の男子が残りの力を振り絞って一撃を放ったんだが、そこに大きな差があった」
ブラッソに最後の一撃を入れる瞬間、二人は満身創痍の身で覚えていなかったかもしれないがゼルートは確かに見ていた。
ゴーランは身体強化を使い、刃に魔力を纏わせて攻撃した。十歳という年齢を考えれば破格の攻撃と言える。
しかし横から同じく最後の一撃を放ったスレンをそれを超えていた。
身体強化のスキルを使うところまでは同じだった。
だが、刃に纏われてい物は雷の魔力。
その時点での二人の戦いの発揮されている才能の差が見えた瞬間。
今二人はどの様に成長しているのかゼルートは知らない。だが、あの時点でスレンの実力はゴーランを完全に上回っていた事だけは断言出来た。
「その大きな差を埋めるには、正直単なる努力だけじゃ足りない。そもそも引き出しの数が違った。優男・・・・・・スレンは出来る事が多く平均的なレベルが高い。剣技のレベルも高く、魔法の腕も悪くない。ゴーランの方が優れている点もある。四人の中での役割を考えればそれが出来るゴーランも重要だが、攻撃に関しては持っている手札の数が違う」
「仲間を守る防御に関してはそのゴーラン君の方が優れているって認識で良いのね」
「ああ、それでいい。ただ攻撃に関してはちょっとな・・・・・・ゴーランがスレンを上回るには、今よりも手札を増やすんじゃなく、現時点である手札を極限にまで磨いた方がスレンを超える可能性はある」
当時のゼルートもそれに気づいてはいたが、内容的にお前はスレンより才能が無いぞと言っているのと同じなため、既に少し仲が良くなかったゼルートは言う事を躊躇っていた。
「確かにゼルートの考えは間違ってはいないわ。それで・・・・・・ゼルートはその四人の中に亀裂が入らないか心配なのかしら?」
「良く分ったな。俺は、物凄く魔法の才があったから良かったけど、そうでない状況で隣にスレンの様なやつがいたら友達であってもずっとは仲良くいられない気がする」
スレンと比べた自分への劣等感で押し潰されそうになり、無駄にイラついてしまう様子が容易に想像出来てしまう。
「だがゼルート。今その四人の現状を知る術がないんだ。今その事を考えていても仕方がない。それに冒険者になれば全て自己責任、とは言わないがそのまま四人で一緒にいるも、別れて違う道に進むもその四人次第だ」
「・・・・・・・・・・・・まっ、確かにそりゃそうだな。ちょっと深く考えすぎていたかもしれない」
とりあえず好きな人が直ぐ傍にいればゴーランも馬鹿な行動は起こさないだろうと思い、ゼルートは丁度良い時間になったので寝る準備を始める。
「そういう感じじゃない。四人の中で実力にそこまで差があるって訳じゃない筈だ。只、四人の中で二人が女子なんだが、二人共魔法を使う遠距離タイプなんだ」
正確にはマーレルに関しては鞭も使える遠距離タイプなのだが、ソウスケが覚えている限りでは魔法の方が実戦で使えるレベルに達していた。
「二人は最後の最後でお互いの魔力を融合させた、ユニゾンマジックを発動させた」
「ッ!!! そ、それは流石に・・・・・・嘘、じゃないみたいね。ちなみにユニゾンマジックを発動させた時の年齢は幾つなの?」
「確か十歳だったと思う」
「十歳・・・・・・お互いに親友だと呼べる程仲が良いからだけで説明はつかないわね。流石あなたの幼馴染ね」
ブラッソと戦わせたのはゼルートの案だが、ゼルート自身が二人に魔法の指導をしたのではなく母親が二人を鍛えていたので、自分と一緒にいる事が多かったからとゼルートは考えていない。
「俺は別に何もしていないよ。母さんが二人をみっちり鍛えていたからだ。まぁ、とりあえずその二人は特に問題ないんだよ。問題は、二人の男子の方だ」
「普通に仲が悪いのか?」
「あぁ・・・・・・いや、仲は悪くないと思うんだが一人は優男なイケメンで、もう一人は年下の男子から兄貴って呼ばれそうなタイプだ」
スレンはまだ十歳にもなっていない時から女子にモテモテであったが、スレンには殆ど女子が寄ってくることは無かった。
子供ながらの・・・・・・いや、大人になっても容易に抱くであろう単純な嫉妬。
「なるほど、何となく理解出来た。その歳下から兄貴と呼ばれそうな男の子は優男なイケメン君が友達でなかったら絶対に嫌いになってった事ね」
「多分そんな未来もあり得た。それで話を戻すけど女子二人がユニゾンマジックを発動させ、最後に二人の男子が残りの力を振り絞って一撃を放ったんだが、そこに大きな差があった」
ブラッソに最後の一撃を入れる瞬間、二人は満身創痍の身で覚えていなかったかもしれないがゼルートは確かに見ていた。
ゴーランは身体強化を使い、刃に魔力を纏わせて攻撃した。十歳という年齢を考えれば破格の攻撃と言える。
しかし横から同じく最後の一撃を放ったスレンをそれを超えていた。
身体強化のスキルを使うところまでは同じだった。
だが、刃に纏われてい物は雷の魔力。
その時点での二人の戦いの発揮されている才能の差が見えた瞬間。
今二人はどの様に成長しているのかゼルートは知らない。だが、あの時点でスレンの実力はゴーランを完全に上回っていた事だけは断言出来た。
「その大きな差を埋めるには、正直単なる努力だけじゃ足りない。そもそも引き出しの数が違った。優男・・・・・・スレンは出来る事が多く平均的なレベルが高い。剣技のレベルも高く、魔法の腕も悪くない。ゴーランの方が優れている点もある。四人の中での役割を考えればそれが出来るゴーランも重要だが、攻撃に関しては持っている手札の数が違う」
「仲間を守る防御に関してはそのゴーラン君の方が優れているって認識で良いのね」
「ああ、それでいい。ただ攻撃に関してはちょっとな・・・・・・ゴーランがスレンを上回るには、今よりも手札を増やすんじゃなく、現時点である手札を極限にまで磨いた方がスレンを超える可能性はある」
当時のゼルートもそれに気づいてはいたが、内容的にお前はスレンより才能が無いぞと言っているのと同じなため、既に少し仲が良くなかったゼルートは言う事を躊躇っていた。
「確かにゼルートの考えは間違ってはいないわ。それで・・・・・・ゼルートはその四人の中に亀裂が入らないか心配なのかしら?」
「良く分ったな。俺は、物凄く魔法の才があったから良かったけど、そうでない状況で隣にスレンの様なやつがいたら友達であってもずっとは仲良くいられない気がする」
スレンと比べた自分への劣等感で押し潰されそうになり、無駄にイラついてしまう様子が容易に想像出来てしまう。
「だがゼルート。今その四人の現状を知る術がないんだ。今その事を考えていても仕方がない。それに冒険者になれば全て自己責任、とは言わないがそのまま四人で一緒にいるも、別れて違う道に進むもその四人次第だ」
「・・・・・・・・・・・・まっ、確かにそりゃそうだな。ちょっと深く考えすぎていたかもしれない」
とりあえず好きな人が直ぐ傍にいればゴーランも馬鹿な行動は起こさないだろうと思い、ゼルートは丁度良い時間になったので寝る準備を始める。
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