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連載
少年期[301]シスコン・・・・・・では無いよな?
しおりを挟む「ゲイル達の遊んで貰っているところ悪いが、俺達は今から受けた討伐依頼の魔物を倒しに行くんだ」
「魔物を討伐!!! どんな魔物を倒すんだ兄ちゃん!?」
「ゴブリン? ドラゴン?」
これからどんな魔物を倒すかという質問の内容にゼルートは思わず苦笑いになった。
(ゴブリンの次がドラゴンて、強さに差が有り過ぎないか? いや、ゴブリンキングとかだったら話は変わって来るけどな。まだ本当に子供だから魔物の知識なんかなくて当たり前か)
特別隠す内容でもないのでゼルートはこれから倒す魔物を子供達に教える。
「俺達がこれから倒しに行く魔物はサーベルタイガーって魔物だ。体が大きい肉食獣で鋭い牙を持っているんだ」
「そんなに強そうな魔物を兄ちゃん倒せるのか?」
ゼルートは確かに子供達よりは見た目が大人だが、それでもまだ年齢が十二なため子供達にはゼルートが強そうには見えなかった。
「・・・・・・よぅし、それじゃあ高く跳んでみたい奴はいるか?」
「はい!!」
好奇心旺盛な男子がゼルートの提案に直ぐに乗った。
「それじゃあ舌を噛むなよ・・・・・・ほい!」
子供の両脇を持ってゼルートは垂直に飛ぶ。
「っ!! うわぁ・・・・・・スゲぇ!!!」
ゼルートが垂直に飛んだ距離は約五メートル。
普段は絶対に見る事が出来ない景色に子供はスゲぇと連呼する。
「っとまぁ、こんな感じだ。町中だから何かを壊すとかは出来ないけど、十分に凄いだろ!!」
「ね、ねぇねぇ僕にも同じことやってよ!!」
「私も!! びゅんって飛んで高い景色を見たい」
子供達はゼルートによっていつもとは全く違う景色を見た男の事々事をしろと言うが、全員に同じことをやっていたらかなり時間を食ってしまうので同じことは繰り返さない。
「悪いがさっきも言った通り、俺達はこれから街の外に出て魔物を倒しに行くんだ。だから・・・・・・何時になるかは分からないけどまた今度な」
「遊び回るのも良いが、家の手伝いもするのだぞ」
「あまりはしゃぎ過ぎて怪我しないようにね」
「みんなまたねーーーー!!」
ゼルートだけでは無く、ゲイル達にも今日はもう遊べないと言われたので、子供たちはゼルート達に無理を言う事無く、挨拶をしてから解散した。
「随分小さい子の扱いに慣れてるわね。もしかしてその年で隠し子でもいるの??」
「んな訳あるか。俺はそんなお盛んなスケベ猿じゃねぇよ。単純に妹がいるから子供の扱いには多少慣れてるんだよ」
「ゼルートの妹か・・・・・・ゼルートに似てわんぱくなのか?」
「俺に似てっていうか、兄さんと姉さんが既に学校に行ってたから、必然的に妹の遊び相手になるのは俺が多かったんだよ。勿論冒険者の事も話してたから、妹も冒険者になる気満々になってた」
既に家族と離れて数カ月たったが、未だに妹の思いは変わっていないだろうとゼルートは思う。
妹が将来は自分と同じ冒険者になると両親に言い、侍女から告げられた言葉に苦い表情をする両親を思い出して苦笑いになる。
「あなた自分の興味がある事は説明するのが上手そうだから妹さんもさぞ夢中になっちゃったんでしょうね」
「それでもあれだぞ、言える範で冒険者は危険な職業なんだぞしっかり伝えたぞ。それでもあいつは冒険者を目指すって言ったんだ」
「・・・・・・夜な夜な紙に書いてある内容には妹への助言も含まれているのか?」
この世界で命の価値は低い。
簡単に無くなってしまう。そして命は当然、失われてしまえば前世と同様に復活する事は無い。
可能性が無い訳では無いが、無いに等しい。
だから妹の為にもゼルートは一つ一つ助言を考えて紙に記す。
「一応な。最後にはこれが全てじゃないからどんな時でも気を抜くなって書いている」
「本当に大事に思ってるのね」
「・・・・・・家族なんだから当たり前だろ」
過保護じゃないかと言われても、家族には死んで欲しくないのでこれからも妹への助言は増え続ける。
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